ニュースリリース

日本最西南端の教会で奉仕する夫婦宣教師

石垣島の人々に仕えるシニア世代の喜び……濱野宏長老・和代姉妹

社会貢献活動
2025年8月、石垣島では「石垣市ひとり親家庭福祉会」(以下「福祉会」)の夏休み食糧支援が行われ、末日聖徒イエス・キリスト教会の福祉・自立サービス部が食品を提供、石垣支部が現地での配布を支援しました。

そのために奔走したのが夫婦宣教師の濱野 宏(はまの・ひろし)長老・和代(かずよ)姉妹※1です。石垣支部の代表として、春頃から福祉会の事務局と細かい調整を重ね、8月2日(土)に食品配布会を計画しました。石垣島は物価が高く、折からのお米の価格高騰もあって、お子さんを育てるひとり親家庭は苦労しています。特に夏休みは給食がないため、食費が家計を圧迫します。教会の福祉・自立サービス部では現地のニーズを汲んで配布品目を工夫しました。お米5kgにツナ缶のダンボール箱詰、加えて子供でも調理できるインスタントやレトルト食品など、25品目が組み合わされています。

ところが直前の7月30日にカムチャッカ半島地震(M8.7)が発生、津波のため船が欠航となり配布する食品が届きません。急遽、配布会は1週間延期されました。

8月9日(土)当日はよく晴れた暑い日でした。石垣支部で働く若い宣教師2人と濱野夫妻は、福祉会のスタッフと一緒に、荷下ろし、検品、袋詰めと忙しく働きました。66世帯の親子に食品を手渡すときには「これだけの食べ物を頂きありがたいです、本当に助かりました」と何回もお礼を言われます。「実際の生活支援になったと肌で感じることができました。」(濱野姉妹)

後日、福祉会からお礼状が届きました。「アンケートといっしょに、子どもさんに書いていただくお手紙を同封していたところ、たくさんの感謝の手紙が届いているそうです。何度も事務局に足を運び、いい汗をかきましたが、やって良かったなと思います。」(濱野長老)

Senior Missionary serving at a welfare place for children
Senior Missionary serving at a welfare place for children
石垣市認定の子どもの居場所事業「ホッとステーション」で食事作りのボランティアをする濱野姉妹© 2025 by Intellectual Reserve, Inc. All rights reserved.
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濱野夫妻は、社会貢献活動として普段から、ひとり親世帯の子どもたちが放課後に集う「ホッとステーション」(石垣市認定・子どもの居場所事業)にて週に1回、食事とデザート作りのボランティアをしています。若い長老宣教師たちも参加し、子どもたちと遊び、子ども英会話を行います。

人に奉仕することの喜びを、濱野夫妻は繰り返し語ります。

夫婦宣教師という生活
末日聖徒イエス・キリスト教会には、40歳以上が奉仕する「シニア専任宣教師」という制度があります。多くは定年を迎えた夫婦が宣教師となります。自宅を離れて任地に派遣、もしくは在宅で、人々に仕える生活を送ることは、張り合いのある第二の人生の選択肢です。

濱野夫妻は2024年12月、石垣島に着任しました。千葉の自宅から福岡の伝道本部まで車で走り、博多港で車を貨物船に預け、飛行機で先に石垣島入りします。昨冬の石垣島は例年にない肌寒さでした。島では冬物衣料を売っておらず、教会の空調に暖房機能はなく、現地の人々も寒い思いをしていました。

濱野姉妹は10代で改宗した元看護師です。濱野長老は製薬会社に勤めていたので、二人とも「医療系」。濱野姉妹は老後に離島か僻地で医療ボランティアをしたいと思っていました。「34年間の求道者生活」の末、2017年に濱野長老が改宗したことで、夫婦宣教師として離島で奉仕する道が開けました。その希望を申請したところ、石垣支部が割り当てられたのです。

石垣支部は、日曜日の集会出席者数が平均14名の小さな教会です。時折、観光で来島した会員や、アメリカやオーストラリアからの帰還宣教師が家族を連れて訪問してくれます。そんな日の教会は同窓会のように賑わいます。

石垣支部では毎年、一人以上の改宗者が生まれています。この7月にも、2回のバプテスマ※2会が美しい海で開かれました。

「石垣島は、晴れると澄み渡った青空と青い海ですけれど、通り雨がちょくちょく降るんです。運が良ければ晴れ間が覗く、運が悪かったら土砂降りに遭う。今回、2つのバプテスマ会の日も降水確率60%と70%だったんですが、バプテスマの間だけ青空が見えて。本当に祝福でした。」(濱野長老)

「終わって車に乗った途端にザーッとすごい雨でしたね。」(濱野姉妹)

経験やスキルを活かして
濱野夫妻は『メンバー・リーダー・サポート宣教師』、会員および指導者を支援する宣教師です。
濱野長老は支部会長会の第一顧問と書記、濱野姉妹は女性の組織である扶助協会の会長会第二顧問に任命されて教会の運営を支えています。日曜日の教会では、子どもから青少年、大人まで幅広い年齢別のクラスを教えます。教会の建物の保全や清掃、近隣との交渉などの実務も担当します。
また、幼い子どものお母さんの家事手伝い、趣味の講座、お家を毎週訪問して片付けごみ出し分別のお手伝いをするなど、楽しく語り合いながら教会員の方々の生活支援を行っています。「医療系」の経歴を活かし、体調の悪い方があれば二人で訪問してアドバイスします。「離島の支部には日本人のシニア宣教師が必要です」と濱野夫妻は声を揃えます。

夫婦宣教師の活動には、人生経験がフルに活かされます。
濱野姉妹はこう語ります。「帰還したシニア宣教師から、『絶対に役に立つから趣味や得意なものがあれば全部持って行きなさいよ』と勧められました。前任者が参加していた絵手紙サークルをきっかけに、安息日のランチ会で料理やお菓子やパンを作り、ゲームナイトを利用して、書道や、クイリングペーパー ※3、カード作り、パステルアート、レース編み、海で拾った珊瑚と貝殻で作るインテリア、テレビ番組を見て始めた『写真のように見える色鉛筆画』などの趣味講座を開きました。お友達をお誘いすることができました。」

石垣島の人口は約5万人、そのうち4,300人が18歳から29歳の若い世代です。島で奉仕する宣教師たちは、公園などで出会う若者に声をかけます。濱野長老は古い自転車を手に入れ、若い宣教師たちと一緒にたくさんの汗をかきながら家を訪問して回りました。「4日間で8時間の同行でした。ドアを開けてくださる方もいますが次回の約束をいただける方はほとんどいません。それでも私は伝道が大好きです。」濱野夫妻は、若い宣教師たちが知り合った人にキリストの教えを伝えるレッスンに度々同席します。彼らを支えているのは、自分たちを幸せにしているイエス・キリストの教えを、他の人にも味わってもらいたいという熱意です。

神様の導きを受ける
宣教師は日々「霊感を受けて」働いています。それは具体的にどのような経験なのでしょうか。濱野姉妹はこう語ります。

「毎週、教会の掃除をしながら『教会が好きで毎日が楽しい』と思っていた私はある日、一人の姉妹の言葉に衝撃を受けました。 

『教会を休むね。教会に来るのがつらい』

『どうして?』

『教会ではみんなが楽しそうに笑っているから』

私は、涙を浮かべる彼女をこのまま帰してはいけないと感じ、『神権の祝福』※4 を受けてから帰って、と説得しました。若い宣教師と濱野長老の三人で祝福を授けてもらいました。

その後も彼女のことがとても気になり、『会えたらいいなあ』と、差し入れを手にドアベルを鳴らしました。
彼女は家に招き入れてくれました。そして、たくさんの問題を抱えていることを話してくれました。
私が思うよりたくさんの重荷を抱えて苦しんでおられたのです。
私は未熟でうまく慰められず、『私にできることは何でもするから』と声をかけるのが精一杯でした。
それでも彼女は『初めて祝福してもらった後、家族が少し元気になって(一時的に退院して)家に戻れたよ。これは奇跡だ』と言ってくれました。
 
次の日曜日、『彼女の、体調の悪い家族のところに宣教師を連れて行き、神権の祝福をしてもらいなさい』という神様からの小さな促しを感じました。
そのとき私は、『若い宣教師たちには火曜日に会えるから、そのときに話せばよいか』と勝手に判断し、自分のやるべきことを優先してしまいました。

火曜日の朝のことです。彼女から『家族のために祈ってほしい』と連絡がありました。
私たち宣教師4人はすぐに、その場にひざまずき、一人ずつ順番に祈りをささげました。私は、促しにすぐ従わなかったことを悔やんで泣いてしまいました。神権の祝福のチャンスを伝えることができなかったのです。私の気持ちは沈みました。

彼女はその後も教会に来ていました。福音の教義クラスのレッスンのとき、私は彼女に向け、『神様を信じると奇跡が起こります』と証しました。

『私(濱野姉妹)は緑内障という眼の病気で、23歳の頃、「30歳くらいで失明するかもしれない」と医師から言われました。私は神権の祝福を受けました。そして40歳を過ぎた頃、「明日失明してもおかしくない」と言われたのです。私は一生懸命に祈り、「もし目が見えるなら、残りの人生を奉仕のために尽くします」と主に約束しました。私は今も視力を保てていて、宣教師として奉仕しています。』

証を伝えた後で彼女から連絡があり、『体調の悪い家族のために、神権の祝福をしてほしい』と依頼されました。
長老たちは病院で祝福を授け、私はそばで見守りました。
私は、受けた促しにやっと従うことができたのです。奇跡のように思えました。」

夫婦伝道への招き
末日聖徒イエス・キリスト教会の宣教師は、ボランティアとして自費で伝道に出ています。濱野夫妻も、定年後は夫の年金とパート代で暮らし、妻の年金とパート代を6年間コツコツと貯めて1年間奉仕する資金を作りました。イエス・キリストの教えは、自分を忘れて隣人のために奉仕することの幸せを説いています。少子高齢化社会にあってシニア世代が生き生きと日々を過ごすための、キリスト教の価値観に基づく答えの一つが「シニア宣教師制度」です。

濱野夫妻は、伝道に出ようかと迷っているシニア世代へこう呼びかけます。

濱野長老:「体力がないしなあ!……ご心配なく、しんどい時は、お昼ご飯を食べたあと2時間くらいお昼寝をすることができます。濱野姉妹は持病とうまくつきあっていますので、よくお昼寝をします。」

濱野姉妹:「(シニア)伝道というのは自分たちの都合に合わせて計画を立てることができるんですよ。だから体調が悪ければちょっと休んで。今日できない分はこっちに回して……前もってきちんと決められた日以外は全部、自由なんです。気持ちはすごく楽です。少しの期間でも奉仕しようという気持ちがあれば、フルタイム(専任宣教師)をお勧めします。得られるものは全然、違うと思います。老後に夫と二人、いろんな意味で行動を共にしているので(夫婦仲にも)良かったですね。お勧めです。」

濱野長老:「イエス様はいつも私たちのそばにいてくださり、私たちが最善の努力をし続ける時に、大きな祝福を与えてくださることを証いたします。」◆

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※1 キリストの教えを宣べ伝える者(宣教師)の尊称として、男性を「長老(Elder)」、女性を「姉妹(Sister)」と呼称する

※2 古い自分を葬り、キリストの教えに従って生きる新しい自分として蘇ることを象徴するキリスト教の入信の儀式。全身を水に沈めて引き出される「浸礼」であり、人の死と埋葬、キリストの力による復活をも象徴している

※3 細長い紙を専用の道具でくるくると巻き、パーツとして作ったものを組み合わせて形を作る手芸・ペーパークラフト。本文中の写真参照

※4 神権者(神の権能を委託された人)が神の霊感を受けて、病める人悩める人の頭に手を置き、癒しや慰め、助言を与える儀式