ニュースリリース

「みんなで奏でるサンセットコンサート」の開催に向けて

自治会と教会をつなぐ音楽のきずな

自治会区長さんとのご縁から

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かつて市民オーケストラを立ち上げ、初期メンバーとして運営に携わった谷口区長© 2025 by Intellectual Reserve, Inc. All rights reserved.
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福岡市の中心にある博多駅から、在来線で北へ30分ほどの距離に福岡県古賀市舞の里(まいのさと)があります。舞の里1区の自治会役員(会計担当)に福岡の教会堂に集う教会員のCさんがいます。

舞の里1区の自治会区長を務めるのは、今年2期2年目を迎えている谷口治(たにぐち・おさむ)さんです。谷口区長は高齢化が進む地域のつながりを強くするために様々な企画をしています。「これからは共助の時代で、自治会はその大切な場所です。様々な活動を通して、年代を超えた人々のつながりが強まることを願っています」と谷口区長は語ります。

「今回はいつもと違うのにしたい」と、自治会でのコンサートの話が持ち上がったのは今年8月。地区の役員会議でのことでした。「日程はいつにしましょうか。」地区役員のCさんは「日曜日は教会に行っているので、別の日にお願いしたいです」と提案します。すると「どこの教会ですか」と問われ、「末日聖徒イエス・キリスト教会です」と答えると、谷口区長はその名前を知っていたのです。かつて住んでいた福岡県大牟田市で宣教師*1がお姉さんにピアノを教えに来たことから教会を知り、教会歴史への知見もあった谷口区長はこう提案されます。「Cさんが教会へ行っておられるのなら、教会の音楽会をしてはどうでしょうか。」

谷口区長には音楽に対する人一倍の情熱があります。かつて市民オーケストラを立ち上げ、初期メンバーとして運営に携わった経験があり、音楽の楽しさが人々のつながりを強めることも知っていました。谷口区長の音楽への熱い思いを受けて、役員会議が盛り上がります。「地域の人も参加したほうが楽しい」「夕方の時間帯なら…サンセット!」(「屋根の上のヴァイオリン」で帝政ロシア時代の小さいコミュニティ、アナテフカのような小さなコミュニティをイメージして,劇中挿入歌「サンライズサンセット」からサンセットコンサートのネーミングとなり、最終的に「みんなで奏でるサンセットコンサート」の開催が決まります。ある役員さんから「わー、天使のラブソングで頭がいっぱい。ゴスペル?讃美歌?何々?」と楽しそうな声が上がりました。

「主にお任せし、無理をしない」

「何事も初めて挑戦する時には壁を感じることは分かっていました」とCさんはコンサート開催までの経緯を語ります。彼女の前には、障害物競走のように次々と問題が起こりました。「一番大変だったのは交渉していた宣教師や教会員の参加がぎりぎりまで見通せなかったことです。教会のハロウィンとも重なり、来てもらえるかどうか気をもみました。何度も神殿*2に参入して、導きを祈り求めました。すると、『後は主に任せよう!無理しない』という思いが湧いてきました。」

10月になると状況が動き出します。まずは宣教師2人の出演が決まり、さらに教会員からは女性2人と若い夫婦2人の出演の了承が得られました。それぞれのグループが3曲、その後に皆で讃美歌をうたう構成ができ、一つの壁をクリアしました。

しかし地域の人たちの参加は見込めないまま時間が過ぎていきました。そんな時に神殿での答えが蘇り、『無理をしない』準備を行うことにしました。具体的には、①地区の人へ呼びかけて参加を求めること。②友人でもある同地区の茶道教室の主催者に観客の前でのお点前を行ってもらうこと、です。その結果、コンサート参加者は11組29名まで増え、タイトル通り「みんなで奏でる」こととなりました。

バイオリンやクラリネットなどの市民オーケストラの演奏家たち、地域で音楽活動をしている人、ウクレレに似たボディに三線の弦を張ったサンレレを奏でながら沖縄の歌を歌う人、自治会メンバーのJichikaiders(ジチカイダーズ)の歌、デュエットやトリオによる歌や演奏など、様々なジャンルの音楽と楽器が集まりました。またみんなで歌えるように歌詞カードの入ったプログラムも作りました。

コンサート当日

2025年10月25日(土曜日)、舞の里1区集会所には4時から始まるコンサートに約50人の人が集まり、副区長の開会の言葉でコンサートが始まります。

教会からは3組、最初にウクレレを弾きながら、教会の音楽を歌う宣教師のバムガードナー姉妹とピドロ姉妹が登場し演奏を披露します。続くオリオン&さおり・フィッシャーご夫妻は「Come Thou Fount of Every Blessing/If you could hie to Kolob」をデュエットしました。彼らは、この曲を選んだ理由をこう話します。「お互いの言語、英語と日本語で歌える曲です。この曲は熟考的で、揺るがぬ決意を持ち、希望に満ちていて、静かで力強い曲で、もっともよい方法で光を分かち合いながら隣人を愛しなさい、というメッセージがあると感じました。」

3組目の角谷顕子(かくたに・あきこ)さんと中園英理子(なかぞの・えりこ)さんの歌は「ジュピター」。伴奏は女性教会員のAさんが努めます。「Cさんが地域と教会の懸け橋になろうとしているのを見て、応援したくて参加を決めました。全く知らない人の中で自分を表現するのは想像以上に緊張しました。地域の方々から『どこの教会ですか。』と聞かれたときに『末日聖徒イエス・キリスト教会です』とゆっくり意識してお伝えする時、とても御霊を感じました。」(角谷さん)「各自で練習するとき、初めてその難しさにぶつかり、ひたすら練習しました。合わせる回数が少なく、前日でも音程が合わなかったりしましたが、グループ名ハウオリ(ハワイ語で楽しい、嬉しい)のように楽しむことにしました。」(中園さん)「私たちの歌を通して主の愛がはじめてお目にかかる人たちの心に触れてくださるように祈りながら発表しました」(Aさん)。それぞれの思いが一つになった歌声が会場に広がりました。

出演者の最高齢は86歳の井口初三(いのぐち・はつぞう)さん。地元の音楽仲間では有名なヴァイオリン奏者。今でもボランティアで月に何度も演奏を楽しんでいます。谷口区長はクラリネット奏者。市民オーケストラのメンバーとトリオで演奏したサウンドオブミュージックメドレーやモルダウが柔らかい音となって会場を包みます。

コンサートの合間にはテーブル茶道のお点前が披露されました。会場の皆さんにお茶とお菓子が振る舞われ、和やかで心落ち着く時間となりました。大トリは地元で音楽活動をしている、舞の里おやじバンドの田上良二(たのうえ・りょうじ)さんのギター弾き語り。「森のくまさん」「ふるさと」などのメドレーの後、「上を向いて歩こう」を会場全体で合唱してコンサートを締めくくりました。

音楽がつなぐ絆

終了後は笑顔が広がり、初対面でも話が弾みます。教会員の歌声には「レベルが高いね」との声がありました。ある男性は「このイベントがあると知って、今日は1時間も前にここに来ました。とても楽しかったです。またこのようなイベントがあればぜひ来たいです」の言葉を残して会場を後にしました。

この活動を通して、地域の方々から教会と音楽について質問され、関心が寄せられました。Cさんは今後の抱負を語ります。「様々な音楽を届けたい、地域の絆を強くしたいという谷口区長の思いが地域の人たちと教会員の協力につながって今日の音楽をお届けできました。音楽は人との距離を縮めます。このような関わりが信頼と温かい繋がりを生み出していくのだと感じます。今後のこのようなイベントを継続して、人と人とのつながりを強め、地域活性化に協力できればと願っています。」

教会の福岡ステーク*3会長会顧問の矢野会長もコメントします。「教会に理解のある地域の方の主催されるコンサートに教会員や宣教師が招かれるのはありがたいことです。今後も何かの折に交流ができればいいと思います。

*1- 末日聖徒イエス・キリスト教会では、キリストの教えを宣べ伝えるために宣教師を派遣している。世界150か国以上で約60,000人の若い専任宣教師が奉仕している。宣教師の尊称として、男性を「長老(Elder)」、女性を「姉妹(Sister)」と呼称する

*2= 末日聖徒イエス・キリスト教会には、通常の礼拝を行う教会とは別に、「神殿」と呼ばれる、神聖な儀式を行う建物がある。2024年現在、世界中で194の神殿が稼働しており、日本には札幌神殿、東京神殿、福岡神殿、沖縄神殿の4つがある。

*3ー 近隣の複数の教会堂が集まって構成される, より大きな地域的組織。