ニュースリリース

日米で協力して進めた
1万を超える神殿の儀式

-末日聖徒イエス・キリスト教会の先祖供養とは- 岡山ステーク岡山ワード

Saint George Utah Temple
Saint George Utah Temple
ユタ州セントジョージ神殿に参入する家族© 2025 by Intellectual Reserve, Inc. All rights reserved.
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秋分の日の前後は「お彼岸」と呼ばれます。日本では先祖に思いを馳せ、お墓参りをする日です。

末日聖徒イエス・キリスト教会の教えにも、「先祖の救い」があります。この世を去った人々は霊の存在として生きており、キリストの教えを知らずに亡くなった先祖にも、救われるための教えを聞く機会があると信じています。

先祖のために、末日聖徒イエス・キリスト教会の神殿では救いに必要な儀式を執り行っています。これらの儀式は先祖への贈り物であり、儀式を受け入れるかどうかは先祖自身の選択に任されています。

亡くなった人を特定して儀式を行うためには、その人の名前と、この世で過ごした年代の情報が必要です。末日聖徒イエス・キリスト教会の会員は、先祖から命を受け継いだことに感謝と敬意を込めて、家族歴史と家系図の探究を行います。そのためのツールが、世界最大の無料オンライン系図サイトである「FamilySearch(ファミリーサーチ)」です。

ファミリーサーチは、検索可能な131億人の名前がアーカイブされた巨大な系図図書館です。現在、238か国で無料のサービスを提供しており、オンライン上で個人の家系図を作成することができます。

Elder and Sister Watanabe (Couple Missionary)
Elder and Sister Watanabe (Couple Missionary)
夫婦宣教師として岡山ワードに赴任した、ジョージ・イクオ・ワタナベ (George ikuo Watanabe) 長老とサンディ・ルイス・ワタナベ (Sundy Louise Watanabe) 姉妹© 2025 by Intellectual Reserve, Inc. All rights reserved.
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「彼らを助けなさい」

夫婦宣教師のジョージ・イクオ・ワタナベ長老とサンディ・ルイス・ワタナベ姉妹※1 が米国ユタ州から岡山へやって来たのは2024年3月のことでした。岡山ワード※2に赴任した初めての夫婦宣教師です。彼らはまず、宣教師としての活動の力点をどこに置くのか模索しました。

そうした中で、ワタナベ夫妻がある会員を訪問したとき、膨大な人数の家族歴史記録を所有していることを知りました。その会員は、家族で一人だけの教会員であるにもかかわらず、先祖の儀式を受けるために新幹線で毎月、福岡神殿へ通い続けていました。しかし、すべての儀式を終えるまでには気が遠くなるほどの時間と費用が掛かります。

そのほかにも毎月、車に相乗りし、片道5・6時間かけて福岡神殿へ参入する人たちがいました。神殿への距離と費用の問題もあって、それまでの岡山ワードでは年間400ほどの儀式を行うのが精一杯でした。一方、ユタ州では車で15分ほどで神殿へ行き儀式を受けて帰ることが可能です。「自分たちとの境遇の違いに、ある種の衝撃を受けました」とワタナベ長老は言います。

そんなある日、朝早く目覚めたワタナベ長老は、「助けなさい、彼らを助けなさい」という強い聖霊の促しを受けました。

プロジェクト発足

4月に入って、ワタナベ長老・姉妹から神殿儀式サポートについて提案がありました。願ってもない提案に、岡山ワードでは早速、プロジェクトチームを発足させて具体化を急ぐこととなります。岡山に奇跡を起こそうとの思いから、岡山ミラクルプロジェクトと命名しました。

詳細の検討に入り、具体化していく過程で、長老定員会※3会長の牧 愛慈郎(まき・あいじろう)兄弟※4がゴールデンウィークに米国へ飛びました。彼の専任宣教師時代の仲間や、かつて岡山ワードで働いた帰還宣教師らに声をかけ、ユタ州ジョーダンリバー神殿で一緒に儀式を受けます。これがプロジェクトのキックオフとなりました。

Save 10000 Okayama project Kick-off Meeting
Save 10000 Okayama project Kick-off Meeting
2024年5月4日、ユタ州ジョーダンリバー神殿に参入した帰還宣教師たち。前列左端が岡山ワード長老定員会会長の牧 愛慈郎兄弟© 2025 by Intellectual Reserve, Inc. All rights reserved.
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夫婦宣教師が日米の教会員の架け橋に

プロジェクトのキーマンはワタナベ長老・姉妹で、岡山の教会員と米国の教会員をはじめとする協力者との仲介役を担いました。ワタナベ長老は協力者への依頼、ワタナベ姉妹は、SNSのfacebookを通して儀式終了の報告を岡山の教会員に分かち合う役目を担いました。

協力者の人数は、当初は数十人でした。今では百人を超える人々が賛同し協力しています。岡山ワードの会員の先祖の儀式が行われている神殿の数は、実に70に迫る勢いです。協力者には、ワタナベ長老・姉妹の家族はもとより、子どもを宣教師として送り出している家族、かつて岡山ワードで働いた宣教師の家族、子どもがこれから宣教師として日本に派遣される家族、話を聞きステーク単位で協力してくださる方々もいます。facebookを通して協力者が逆に感謝してくれているのを目にし、岡山ワードの会員たちは鼓舞されました。いつ、どこの神殿で、どの儀式が、どなたによって行われたのかを知ることは、彼らにとって次のステップへのモチベーションとなりました。

ワタナベ夫妻の夫婦宣教師としての働きは、そのスキルとバックグラウンド、人脈などを駆使する、彼らならではのものとなりました。神殿での儀式終了数 10,742儀式(2025年7月末)という結果と、岡山の会員たちへの名残惜しさを背に、ワタナベ長老・姉妹は2025年8月4日に羽田空港からユタへ帰還の途につきました。

岡山ワードでは、戸籍の広域交付制度※5 が始まったことも相まって、今まで停滞していた家族歴史を新たに手掛ける人が確実に増えています。このプロジェクトによって、教会にあまり来られていない方の先祖の儀式が進んだり、青少年がファミリーサーチのアカウントを作って先祖の名前を打ち込んだりといった進展が見られました。

プロジェクトの中盤から、家族歴史相談員の発案で月2回の土曜日に「家系図クラブ」を開催しています。ここで会員は家族歴史の探求方法を学び、先祖の名前をファミリーサーチに入力する作業を継続しています。常連さんに加えて、初めて参加する人も増え、提出された先祖の名前の数も以前より増えています。

それでも岡山ワードの会員たちは満足していません。この家族歴史活動を、一過性の盛り上がりではなく継続的なものとすることが今後の課題です。米国に帰還したワタナベ長老・姉妹はユタ州にて現在もプロジェクトへの協力を続けています。◆

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1:キリストの教えを宣べ伝える者(宣教師)の尊称として、男性を「長老(Elder)」、女性を「姉妹(Sister)」と呼称する

2:教会員を管理する地理的区分として「ワード」(教区)がある。1つのワードの会員は1つの集会所に集う。幾つかのワードが集まって「ステーク」を構成する

3:「長老」は、神様に代わって業を行う「神権」の職名の一つでもある。ワードでは、その職に任命された男性が集まって「定員会」を組織し、ともに人々への奉仕を行う

4:教会では、すべての人が神様の子供であるという教えから、男性の会員を「兄弟」、女性の会員を「姉妹」と呼ぶ

5:かつては戸籍謄本を得るために、記録が存在する土地の役所へ行くか郵便で請求する必要があった。現在では、全国の記録のデジタル化と共有により、地元の役所で遠隔地の戸籍を取ることができる