ニュースリリース

遊びと学びから広がる、世代を超えた交流の場―宇部の「寺子屋」

山口県宇部市にある末日聖徒イエス・キリスト教会宇部支部で、この夏も「学びと遊びのコミュニティ」が開催されています。利用者から「寺子屋」と呼ばれ親しまれているこの活動は、今年で2年ぶり2回目の開催となりました。

寺子屋には、幼児から中学生までの子どもたちとその保護者、そして子どもたちを見守り支えるシニア世代が集まります。宿題や工作、食事づくりなど、それぞれができることを持ち寄りながら一緒に時間を過ごしており、普段は10人ほど、多い日には20人ほどが参加します。

主催者の山野英智さんは、活動を始めたきっかけについて次のように話します。

「妻が仕事を始め、夏休み期間中も仕事に出るようになりました。私は小学校の教員のため、割と休むことができ、子どもと過ごすことが多くなりました。勉強(宿題)を見る、お昼ご飯を準備する。というのはすごく大変だと感じました。今日、働くお母さんは多く、夏休みにみんなで集まって一緒に過ごせたら助けになるのではないかと考えました。」

午前中の「学びの時間」には、ワークブックや新聞づくり、工作など、子どもたちがそれぞれの「今日やりたいこと」を持ち寄ります。この日は「ペットボトルジャイロ」と「キラキラ宝箱」の工作が行われました。

大人が作り方を教える一方で、一つ完成すると今度は子どもたち同士で教え合う姿も見られます。大人たちは口を出しすぎることなく、子どもたちの挑戦や学び合いを見守っています。
山野さんは、活動を準備する上で大切にしていることについてこう語ります。

「準備するときに、一番気をつけていることは安全ですね。その上で、楽しめるように配慮します。初めてのことが苦手な子が何人かいるので、実際に手本を見せたり、見本を作ってきたりすることで、興味をもってもらえるようにしています。基本的に、『無理矢理これするよ』ということはしないようにしています。自分がやりたいから、周りの人がやっているから、ちょっとやってみたい。そんな気持ちになれるよう配慮しています。」

寺子屋では教会の施設だけでなく、地域の資源も積極的に活用しています。近くの公園や図書館を訪れることもあり、8月6日には市立図書館で上映された戦争に関するアニメを鑑賞し、平和について学びました。

子どもたちに特に人気なのがプール遊びです。この日も朝からプールに水が張られ、「プールの水を見てきて」と声をかけられると、子どもたちは進んで様子を見に行きました。遊びの中でも自然と役割を見つけ、自ら行動する姿が見られます。

活動の様子(写真の掲載にあたり、本人と保護者のご了承をいただいております)。© 2026 by Intellectual Reserve, Inc. All rights reserved.
Download Photo

昼食のそうめん流しの準備が始まると、「きゅうり切りたい!」「ハム好き!」と子どもたちが台所へ集まります。見ていた女の子が思わず「みんな、やりたがり!」と笑う場面もありました。

山野さんは、子どもたちの成長を感じる出来事として次のように話します。

「料理の時に、子どもたちが包丁を使うことがありますが、シニアの方から『上手だね、すごいね』と声をかけられ、うれしそうにしているのはすごく印象に残っています。」

活動を支えているのは、シニア世代の参加者たちです。工作や食事づくりを手伝う村田和子さんは、参加への思いをこう語ります。

「夏はサロンも休みだったり、冷房がないところもあって家から出る機会が減ってしまいます。自分で何かを準備してやるのは難しいけど、お手伝いならできると2年前も参加しました。何かお役に立てるなら嬉しい。」

山野さんは、シニア世代の存在についても感謝を寄せます。

「大人の目がたくさんあるからこそ、子どもたちができることも増えます。『やりたい!』という気持ちにも応えてあげられるんです。」

寺子屋では、子どもたちを単なる参加者にはしません。会場準備や食事の支度、後片付けなども一緒に行います。

「技術を身につけるだけでなく、奉仕することの大切さを感じて欲しい。家の中ではただの手伝いですが、こういった場で行うことで、誰かのために働く喜びを感じて欲しい。」
寺子屋は保護者にとっても大切な交流の場となっています。子どもたちが遊んでいる間、母親同士がゆっくり話をして交流する姿も見られます。

「この活動では、割と自由な時間があるのですが、子どもだけで遊べている時に、お子さんのいる母親同士がゆっくり話をしている姿も印象的です。一日中、子どもとべったりだと、ゆっくりできない時間も多いと思うので、この活動の中で母親がゆっくりできると、私はすごくうれしいと感じています。」

参加した保護者からは、次のような声も聞かれました。

「ウチの子はこの間体調を崩してお休みしたのですが、『幼稚園は休んでも、寺子屋は休みたくない!』って言うくらい、ここに来るのが好きなんです。」

また別の母親は、寺子屋とのつながりについてこう話します。

「我が家は転勤族なのですが、出産で外に出られなかったとき、心配した職場の同僚が、年も近いし良い話し相手になるのではと松本さんを紹介してくれました。松本さんは、動けない私を気遣ってお食事を届けてくれたり、話を聞いてくれたりしました。今日はそんな松本さんに誘われて寺子屋にやってきました。娘は『知らない子ばかりで緊張する』と言っていたのですが、プールの時間にはすっかり打ち解けていて。楽しませてもらって嬉しいです。」

参加した保護者のみなさま© 2026 by Intellectual Reserve, Inc. All rights reserved.
Download Photo

参加者の江口智裕さんは、寺子屋の意義について次のように話します。

「教会が大好きな子どもたちは、日曜日以外に教会に行けることに大喜びしています。助けを受ける場にも、奉仕をする場にもなっています。教会に集まって、愛ある中で過ごせるっていいなと、この環境に感謝しています。」

最後に山野さんは、この活動に込める願いをこう語りました。

「自分たちで遊びを考え、行っているときの子どもたちの笑顔はとても素敵で心に残っています。よくケンカもしますが、日曜日に教会で遊ぶのは難しいですよね。教会で遊ぶことで、教会自体を好きになる。一緒にいる友達を好きになる。一緒に活動してくれる親、大人を好きになる。これが、神様から愛されていると感じてもらうきっかけにもなって欲しいと考えています。」

学び、遊び、作り、食べ、そして誰かのために行動する。寺子屋には、子どもたちを中心に保護者やシニア世代が自然につながり、それぞれのできることを生かしながら支え合う時間があります。世代を超えた交流が生まれるこの場所は、地域に開かれた学びと遊びのコミュニティとして、多くの人に親しまれています。