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「自由を求めてトロントへ」のイベントで黒人の歴史に注目

2017年10月18~19日、オンタリオ州黒人歴史協会は「自由を求めてトロントへ(A Freedom Seeker’s Toronto)」と題するイベントを開催した。このプログラムは自由を得るために命を懸けて地下鉄でトロントに逃れた勇気ある人々に焦点を当てたものである。末日聖徒イエス・キリスト教会は、自由人事務局(Freedmen’s Bureau)プロジェクトについて最新情報を伝える演者として、また自分の先祖をオンラインで調べる参加者を支援するために招待された。

基調講演は、自由を求めて奴隷生活から逃亡した女性について記した書籍「Steal Away Home: One Woman’s Epic Flight to Freedom — And Her Long Road Back to the South」の著者キャロリン・スマードス・フロストによって行われた。この書籍は、15歳の少女セシリア・レイノルズが奴隷の身分から自由を求めて1846年にカナダ・トロントに逃亡するという驚くべき話について記されたもの。スマードス・フロストは講演の中で、自身にわたるレイノルズ家についての情報探求と執筆活動についての感動的な話を披露した。

 

自由人事務局プロジェクトの代表者は教会の広報ディレクター兼、今回のプロジェクトの詳細決定担当者であるサンドラ・ペイリンで、彼女は記録にアクセスする方法を説明した。ペイリンは「わたしたちは、家族は永遠であると信じていますので、家族歴史や世代をつなぐ仕事をとても大切に考えています。わたしたちとパートナー団体にとって、このプロジェクトは家族をつなぎ、強めるためのものです」と述べた。

オンタリオ州黒人歴史協会の会長ニッキー・クラークは歓迎の挨拶で、「わたしたちが前進するには、過去について学び、自分たちが誰であるのかを知ることが大切だと考えています」と語った。

教会の専任宣教師であるラッキーとタミー・モールスは、自由人事務局プロジェクトの展示場でスタッフとして働き、訪問者がホームページdiscoverfreedmen.orgにアクセスし自分の先祖を調べることができるようサポートした。このホームページは自由人事務局の記録のデータベースに新しく索引付けしたもので、南北戦争後に奴隷の身分から解放された約180万人の男女・子供の名前が含まれている。

自由人事務局は1865年、南北戦争後に開放された約400万人のアフリカ系アメリカ人の自由人への移行を支援するために設立された。黒人記録の画像が索引付けされ、数百万人の人々が自分の先祖の名前にアクセスし、家系図を作り、家族とのつながりを記録することが可能となった。

今回のイベントのもう一人の著名な講演者は、アフリカ系カナダ人女性で初めてカナダの庶民院議員に当選したジーン・オーガスティンであった。自由人事務局のデータベースについて語りながら、彼女は「先祖の情報がアクセスできるようになったのは驚くべきことで、ここには重要な情報が含まれており、わたしたちはそれを調べ、さらに付け加え、ともに家族歴史探求を前進させることが可能になりました」と語った。

今回のイベントの展示では、1800年代中期にセシリア・レイノルズの家があったトロントの中心部で最近行われた考古学的発掘作業から見つかった数々の遺物が紹介された。その発掘作業に携わったチームのリーダーである考古学者ホーリー・マーテル博士は、見つかった多くの思い出深い遺物について話し、「発見された考古学的記録は、既に存在する物語に洞察を与えると同時に、まったく新しい物語をも作り出すことができるでしょう」と述べた。

十二使徒定員会D・トッド・クリストファーソン長老は、新しく索引付けされた自由人事務局のデータベースを国立アフリカ系アメリカ人歴史文化博物館へ譲渡した際、「史上初めて、アフリカ系アメリカ人は、自分たちの先祖の自由人としての生活と奴隷制の間のギャップを埋め、奴隷制によって引き裂かれた家族を(書類上で)再び結びつけることが可能となりました」(2016年12月6日付け、「歴史的文書、フリードメン・ビューロのデータベースを国立アフリカン・アメリカン歴史文化博物館に寄贈」)と述べた。

書式ガイドの注釈:末日聖徒イエス・キリスト教会に関する記事で,教会の名称を最初に引用する際には,正式名称を使うようお願いいたします。教会の名称の引用に関する詳しい情報は,こちらへ: 書式ガイド書式ガイド.