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『聖徒たち』シリーズ第2巻公開

第1巻の印刷版は50万部の売上を記録

         

『聖徒たち—末日におけるイエス・キリスト教会の物語』第2巻が教会のオンラインストアや店舗で購入可能となった。デジタル版も「福音ライブラリー」アプリの教会歴史の項から無料で閲覧可能である。

読者は,本巻に記された犠牲にまつわる数えきれない物語によって心動かされるであろう。教会歴史部の部長を務める十二使徒定員会のクック長老は,長時間のフライトの間に第2巻を読み,そのような経験をしたと語った。

        

「100ページにもなる『聖徒たち』を読みながら,4度涙しました」とクック長老は言う。「[普段]読書をしながら涙することはありませんが,信仰と教会の歴史を非常に深く感じ取り,涙がこぼれました。教会員や……教会の指導者が成し遂げたことは,まさに驚くべきことです。」

2018年の公開以降,印刷版は50万部を売り上げ,デジタル版に至っては100万以上の閲覧回数を記録した第1巻は,1815年のジョセフ・スミスの幼少期に始まり,イエス・キリストの福音の回復の物語が綴られている。第1巻は,1846年にノーブー神殿で聖徒たちが礼拝する場面で締めくくられている。

第2巻「いかなる汚れた者の手も」(1846-1893年)は,第1巻の続編である。第2巻は,7年間生活を営んできたノーブーにおいて,何千もの末日聖徒が暴徒たちから逃れるところから始まる。信者たちはブリガム・ヤングや十二使徒定員会に従い,草原や平原を越えて西へ進んだ。その旅路において,彼らは神がロッキー山脈のそびえ立つ頂の先に住まいを設けてくださっているという信仰を実際に目の当たりにする。

彼らの新たな住まいの探求は物語の始まりに過ぎない。神に仕え,新たな集合の地を西の山間に確立しながら逃れてきた聖徒たちは新たな問題にぶつかる。忠誠心の厚い男女が協力し,神を崇め生者と死者を贖うために建てられた神殿の近くに,忠実な者たちが集まって礼拝が行えるよう地域社会を築いた。同じころ,何百もの宣教師たちがイギリスやデンマーク,南アフリカ,太平洋諸島といった遠方の地に赴き,イエス・キリストに従い,シオンを確立するのを助けるよう人々を招いたのである。

全4巻からなる『聖徒たち』は,教会が出版した複数巻にわたる公式の歴史書としては3度目となる。ジョセフ・スミスは,1830年代,最初となる教会の歴史書を記すよう依頼し監督,歴史書は1842年に出版された。2度目の歴史書は,教会歴史家補助を務めていたB・H・ロバーツによって1930年に出版された。それは教会の会員数が100万人に到達する前だった。

       

新たな視点から歴史を見る

教会歴史家であり記録者である七十人のリグランド・R・カーティス・ジュニア長老は,第2巻の重要性に関し,一般の聖徒が新しい視点から信仰ある開拓者を見る助けとなることを理由に挙げている。

「わたしには我々の歴史をよく知っているという自負がありますが,さらなる要素,さらなる観点を加えた[『聖徒たち』]を読むときに常に発見があります」とカーティス長老は語る。「読者も同じような発見をすると思います。これらの男女の勇気や強さを表している,細かく記録された出来事を読むことができるのです。その結末をだれにもばらしたくはありませんが,ここユタ州における度重なる困難なときを経て,本巻はソルトレーク神殿の奉献というすばらしい結末を迎えます。世界中の教会員にとって,建設に数十年の歳月を要した壮麗な建物は,教会の会員であることのすばらしいシンボルです。」

第2巻は,この時期におけるそのほかの重要な事実や出来事を詳しく探るものである。それらの中には,開拓者の旅路における試練や奇跡,ソルトレーク・シティーやその周辺地域への定住,太平洋における最初の末日聖徒,アメリカ先住民の部族や合衆国政府との複雑な関係,多妻結婚の実施,マウンテンメドーの虐殺,若い女性と初等協会の組織の創設,投票権を勝ち取ったユタ準州の女性たち,ユタ州セントジョージ神殿の完成,教会大管長のウィルフォード・ウッドラフが1890年に受けた多妻結婚の終わりを告げる啓示など,ほかにも多く記されている。

多重構造の教会歴史

『聖徒たち』は,過去に出版された教会の公式の歴史書とは異なる。各巻は,綿密な調査と独自の資料を,歴史家と著者が一般的な物語の技法を用いて織り合わせたものである。

「人々が物語と結びついている」と語るのは,『聖徒たち』の筆頭著者であり文芸編集者であるスコット・A・ヘイルズである。「物語は人々に伝えるだけでなく,同時に人々を楽しませるものです。『聖徒たち』の目的の一つは,聖徒たちに歴史を伝えることです。読者,特に必ずしも歴史が好きではない人や,学術的な著述から遠ざかっている人を引き込みたいならば,物語調がベストな選択肢です。だれでも物語は好きだからです。」

良い物語を書くことも一つだが,資料に忠実であるため,『聖徒たち』におけるチームワークも留意した点である。

「読者を引き込むことができるよう,すべての詳細を盛り込んだ方法で書くようにしました」と語るのは第2巻の著作を助けたアンジェラ・ホールストロムである。「しかし『聖徒たち』の著者として資料に忠実であることは大変重要です。歴史上の記録にない事柄や資料の足りない事柄については,その詳細を用いることはできません。まさに挑戦でした。事実に基づいた歴史的な記録を用いて強く人の心を動かす物語を作ろうと試みる中で多くを学びました。」

物語調に加え,『聖徒たち』の読者は物語の背後にある実際の資料を読むために脚注をたどることができる。脚注に散見するのは,本書に載っている何百ものテーマに関する記事を集めた「教会歴史のテーマ」の参照先である。それらのテーマは便利なことにデジタル版にリンクされているほか,教会ウェブサイトからもアクセスすることができる。

魂を揺さぶるような物語を含む総体的な教会歴史

カーティス長老は,2019年4月に教会歴史家となって以来,教会員から受けた『聖徒たち』に対するフィードバックはこの上なく好意的なものだという。

「[末日聖徒が]心から称賛しているのは,物語が語られた方法であり,人々の持っている欠点と同時に非常に前向きな点を見ることができるというところです」とカーティス長老は語る。「人々が口にするのは、末日聖徒であることはどういうことかを一つの大きな物語にまとめたこの物語シリーズを手にすることができどれほど感謝しているかでした。」

末日聖徒ではない外部の教育機関が,全巻の見直しやその品質の高さを語る手助けをした。ピューリッツァー賞を受賞したハーバード大学の歴史家ローレル・タッチャー・ウルリッヒは,シンプルでありながら訴えるような散文である『聖徒たち』を称賛した。

「『聖徒たち』の査読者であることを楽しみました」とウルリッヒは語る。「[この書籍が]大変すばらしい点は,非常に真摯な研究方法を通して作り上げられた,大変複雑でとてもしっかりとした物語を取り上げているところです。非常に洗練された研究を,魅力ある分かりやすい物語へと置き換えています。」

今後の予定

『聖徒たち』の最終巻はここ数年のうちに出版される予定である。第3巻は,教会の世界的な成長に焦点が当てられ,1955年のスイス・ベルンの神殿の奉献で締めくくられている。第4巻は,教会員の成長に伴う継続中の問題から,世界中に点在する神殿に至るまでをたどり,読者を近年の歴史へといざなう。

「[『聖徒たち』を読むことによる]最終的な成果として,先祖や彼らの犠牲,そして彼らが乗り越えた困難に対する深い感謝が生じることを望んでいます。」クック長老はそのように語った。そのような感謝の念が,「今日わたしたちが直面する問題を克服する強さや力」で聖徒たちを力づけることを望んでいると言い添えた。

書籍のデジタル版は以下の14の言語で閲覧が可能である:セブアノ語,中国語,英語,フランス語,ドイツ語,イタリア語,日本語,韓国語,ポルトガル語,ロシア語,サモア語,スペイン語,タガログ語,トンガ語。英語を除くすべての言語の印刷版は,数か月以内に入手可能となる。

書式ガイドの注釈:末日聖徒イエス・キリスト教会に関する記事で,教会の名称を最初に引用する際には,正式名称を使うようお願いいたします。教会の名称の引用に関する詳しい情報は,こちらへ: 書式ガイド書式ガイド.