「あの時、一番に寄付して下さったハーベスターですけどね、今でもメンテしてしっかり稼働しています。あれからですね、飛躍的に復興が進んだのは。」5月10日、教会福祉部は福島県南三陸森林組合の代表理事組合長 佐藤久一郎氏、副組合長 高橋長春氏からの表敬訪問を受け、両氏は東日本大震災で被災した南三陸町において末日聖徒イエス・キリスト教会が7年前、災害発生後数か月後に寄付をした森林樹木を運ぶハーベスターが現在も稼働する写真を見せながら当時を振り返った。
高橋氏は続ける「あの時はどん底だった。もう元には戻れないが、少しづつ私たちは新しい人生を歩んできた。あれから子供たち夫婦も新しい命を授かり、前を向いて生きていけるようになった。教会がハーベスターや製氷機を下さって、前を向いて歩けるようになった。本当にあの時助けて下さったことに感謝している。」
当時、17,000人の人口だった南三陸町は災害により600人が亡くなり、200名が行方不明となっている。現在も雇用を求めて働き手が流出、人口は14,000人にまで減少した。しかし、復興から手を抜くことはない。漁業組合の尽力により港にアワビ、ホタテ等の養殖業が戻ってきた。津波に襲われた街の家屋の土壌はすべて10メートルかさ上げされた。被災した町役場は解体し、移転場所にて倒木した樹木を使って立て直した。湾岸には千年に一度来るとされる高さ5メートルの津波にも耐えうる防波堤を築いた。南三陸町では、今後も漁業による観光資源の開発を進める。
末日聖徒イエス・キリスト教会はヘルピングハンズを通し2018年12月に全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD)の正会員となり、有事の際のボランティア活動による災害支援の体制を強固にした。支援の基盤もLDSチャリティ―ズを通し今後も行っていく予定としている。