記事:ジェーソン・スウェンセン
更新日
2021年4月14日
午前11:22MDT(山岳部夏時間)

2021年マスターズ大会を視聴していたゴルフファンは,マスターズ・トーナメント優勝者の松山英樹には通訳を行っている身なりのよい白髪の紳士であるボブ・ターナー兄弟を知ることになった。末日聖徒の多くの視聴者はターナー兄弟の日本語のスキルは教会の専任宣教師時代に身についたものであると恐らく想像したであろう。その想像は,リンク先でも述べているように,まさしく的を射たものであった。
多くの人にとってゴルフの大会の最高位に位置するマスターズで,松山英樹がスコアボードのトップで大会を終えたが,この日本のスーパースターとこの米国人の帰還宣教師であるターナー兄弟は以前から長い間ビジネスの仲間であり友人同士であった。ターナー兄弟にとって,マスターズの優勝者に授与される名高いグリーンジャケットを松山プロが着るのを見ることは忘れることのできない瞬間であった。「今ちょうど実感が湧いてきているところです」と,ジョージア州オーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブでの歴史的な1週間を終えユタ州サラトガスプリングスの自宅に帰宅したターナー兄弟はチャーチニュースに語った。松山プロはマスターズで優勝した最初の日本人プロゴルファーである。「わたしは英樹と彼の頑張りをほんとうに誇りに思います。彼は完璧なプロゴルファーのように自分を制御しました。彼は素晴らしい青年であり,紳士です。グリーンジャケットを着る資格が十分にあります。」松山プロにとって,全世界に向けたテレビインタビューやその他のマスターズのイベントでターナー兄弟がそばにいてくれたことはありがたかった。「ボブは信頼できる友人です」と松山プロは「ニューヨークポスト」のレポートの中で語った。
ユタ州サラトガスプリングスステークの若い男性会長会の顧問であるターナー兄弟は,自分はプロの通訳ではないというが,松山英樹のマネージャーを長い間行ってきたので,友人である松山プロのことを熟知しており,彼が話す日本語の行間の感情を読み取って通訳することができるのである。「英樹がインタビューを受けているとき,わたしは彼が話す言葉だけでなく,彼の気持ちも伝えるようにしました」とターナー兄弟は語った。
では,7人の孫がいる68歳の末日聖徒と29歳の日本人のスーパースターとの間の関係にはどんな裏話があるのだろうか。その話の始まりは松山プロが生まれるずっと前の1972年までさかのぼる。ターナー兄弟が青年であったとき,伝道の召しを受けて日本東部伝道部で奉仕した。現在,ターナー兄弟がごく普通に松山プロと会話をするのを見ると,その若い宣教師は日本語を簡単に習得したと思ってしまうが,そうではなかった。「わたしは他の宣教師たちとともにハワイにある教会の大学のLTM(言語訓練伝道部)での日本語の勉強に苦労しました。あれから40年あまり経ちますが,わたしは今も勉強しています。」ターナー兄弟は日本語で自然に会話ができるようになったと自分で感じるようになるまで2年かかったことをよく覚えている。今もなお,「日の出ずる国」において奉仕続けることが彼の人生を長い間形成してきた。個人として,ターナー兄弟の自身が伝道した国への思い入れは今なお強いままである。「わたしは日本の人々を愛しています。特に,会員たちを愛しています。彼らは召しを果たし,御業を推し進めるために大きな犠牲を払っています。教会は日本において強くなっていますので,未来は明るいです」とターナー兄弟は語った。

伝道から帰還した後,ターナー兄弟は日本人女性と結婚し,彼女がずっとターナー兄弟にとっての日本語の教師である。「ありがたいことに,わたしには妻のひろこというすばらしい日本語の先生がいます」とターナー兄弟は語った。ターナー家の成人した子供たち,アレンとミカもまた英語と日本語を話すことができる。
ターナー兄弟と妻のひろこ姉妹が引き続き教育を受けるために日本に引越すことを決めたとき,ターナー兄弟はカリフォルニア州北部のハンボルト州立大で研究をしていた。ゴルフの愛好家であったターナー兄弟は東京の早稲田大学のゴルフ部に入部した。その経験が日本のゴルフ界とつながりのあるビジネスに進化し,やがてターナー兄弟は日本でプレーをしていたセベ・バレステロスや末日聖徒のプロゴルファーのジョニー・ミラー,ビリー・キャスパー,およびマイク・リードといったゴルフ界のレジェンドたちと仕事を共にすることになった。1987年,ターナー兄弟は合衆国に戻り,そこで米国でプレーをする日本人のゴルフプレーヤーのサポートをするビジネスを築いた。
2010年,松山はアジアパシフィックアマチュアゴルフ選手権に優勝し,マスターズへの参加資格を手にした。二人のつながりができると,すぐに松山・ターナーアソシエーションを設立した。ターナー兄弟は年間30週,この日本のスター選手のツアーに同行している。「わたしたちは英樹がゴルフだけに集中できるようにすべてのことを行います」とターナー兄弟は語った。
ターナー家族の中で日本の有名なスポーツ選手とつながりがあるのは,ターナー兄弟だけではない。息子のアレン・ターナーも通訳として,また,マネージャーとして,鈴木イチロー選手やシアトルマリナーズでプレーするその他の日本人プロ野球選手のサポートを行ってきた。驚くことではないが,プロゴルフ界のみならず,人々は松山プロが日本語で自分のアメリカ人の友人に話しかけるのを初めて耳にすると,好奇心に駆られることがよくある。「ツアーの同行中に人々と福音を分かち合うことは簡単にできます。皆がわたしに最初に尋ねる質問は『日本語をどこで学びましたか』です。それからすぐにわたしの日本での伝道の話に会話が続いていきます。…わたしは自分のストーリーを彼らに伝えます。これまでそのような機会に恵まれたのはすばらしい経験です」とターナー兄弟は語った。
ターナー夫妻はサラトガスプリングスワードにおいて敬愛されている夫婦である。「ボブとひろこは交流するときに,わたしを含め,周りの人をいつも高めてくれるように思えます」と彼らのビショップであるテッド・マーデシックビショップは話した。「二人のお互いへの愛情が深くそれがはっきりと分かります。その愛情が,彼らが出会う人すべてに伝わるのではないかと思います。」もちろん,ターナー兄弟だけが2021年のマスターズで目立った末日聖徒ではなかった。同じ教会員であるトニー・フィナウはトーナメントを10位で終えている。「トニーはPGAツアーでもっとも好感を持たれ,尊敬されているプロゴルファーです。彼とコーチのボイド・サマーヘイズは教会を代表するうえですばらしい人々です」とターナー兄弟は語った。