2021年4月14日、大阪ステーク*1関目ワード*2の会員にして「おおさかチルドレンズクワイア・カラフル」代表を務める宮崎佐弥香姉妹*3が、東京オリンピック聖火ランナーとして大阪府万博記念公園を走った。オリンピックのともしびをつないだこの日は、宮崎姉妹の人生において大切にしてきた「つながる」ことの尊さを思い起こさせる経験となった。
現在、宮崎姉妹が代表を務める児童合唱団「おおさかチルドレンズクワイア・カラフル」(以下カラフル)。立ち上げのきっかけは、夫である宮崎大輔兄弟が、2016年に関目ワードのビショップ*4に召されたことであった。「教会にもっとたくさんの方に集ってもらいたい」と熱心に励む兄弟のために、何かできることはないかと宮崎姉妹は考えた。
「まず、関目ワードのエリアの人々はみな神様の子どもだ、ということを考えて。そうすると、教会員であるなしに関わらず、ボーダーレスに地域が『つながる』ことのできる場所を作りたい、という気持ちが湧きあがってきました」。
つながることを通して、神様の子どもたちに仕えたい。そんな思いで、宮崎姉妹は育児を通して知り合った友人たちと協力し「カラフル」を立ち上げた。
「カラフル」は地域の一団体として、関目ワードを練習場として使用している。「地域の方々が足を運んでくださって、教会で地域活動をする機会があることが嬉しいです」と宮崎姉妹。また、合唱団のオリジナルソングのほとんどを手掛けたのは鎌ヶ谷ワードの葉山沙織姉妹である。このほかにも、歌唱指導やコスチューム作成等、これまで宮崎姉妹が出会い、つながってきた教会の兄弟姉妹がかかわってくれている。
教会とゆるやかにつながる「カラフル」は、大阪府警本部や近隣の大学、子どもの医療サポート施設等、合唱の力を通じて多くの地域の団体ともつながり、奉仕してきた。活動の中で子どもたちが成長し、自分からつながっていく力を身に付けていることを宮崎姉妹は実感している。
「カラフルでは、企画力や交渉術も身に付けてほしいと思っていて、合唱以外の事務的なことも子どもたちにまかせます。後援を依頼するために教育委員会に電話をしたり、駅や市役所にチラシを置いてもらうための話し合いに高校生くらいのメンバーを行かせたり。いろんなことをまかされるたびに、難しくて泣いたりぶつかったりしながら子どもたちは成長しています。そんなふうにしてカラフルで学んだことが、社会に出たときにダイレクトに役立ってくれたらいいなと思っています」。
聖火リレーで万博記念公園を走った宮崎姉妹だったが、本来、割り当てられていたのは別の場所だった。しかし、コロナ禍によるこの変更にも宮崎姉妹は縁とつながりを感じている。
「大阪府万博記念公園は、1970年に大阪万博が開かれた場所です。教会はモルモンパビリオンとして出展しました。私の母は、そのモルモンパビリオンを訪れて福音を知り、改宗しました。そんな特別な場所を走ることができて嬉しかったですし、本当に多くの方がオリンピック成功のため尽力されている姿を見て、ただ感謝の思いでいっぱいになりました」。
今年、宮崎姉妹は、子どもたちの学校のPTAの副会長を務めている。その責任の中でも姉妹は「つながる」ことの可能性を模索している。
「小学校の子どもたちと、地域の人たち、それから他の団体のみなさんとどうやってつながりを作っていこうかと考えてワクワクしています。私たちが心に持っている、誰かの役に立ちたいとか、成長したいという気持ち、そういうひとつひとつの小さな炎がちょっとずつつながっていって、大きな光になっていったらすごくいいと思いますし、そのために働きたいと思っています」。
※本来の宮崎姉妹の「崎」の漢字は立を部首に含む「たつさき」です。
*1ステーク 地元の会員の集まりである「ワード」が集まって構成される, より大きな地域的組織
*2ワード ワードとは,地域の教会が管轄する一定の地理的範囲「教区」を意味する
*3兄弟、姉妹 教会では,すべての人が神の子供たちであるとの教えから,男性を兄弟(Brother),女性を姉妹(Sister)と呼称する
*4 ビショップ ビショップとは,地域の教会「ワード」の代表者。専任の聖職者ではなく無給のボランティアとして,教会に来る人々や宣教師を助ける