ニュースリリース

末日聖徒イエス・キリスト教会によって行われた人道支援活動
アジア北地域 2019年

5ヶ国で行われた52のプロジェクトによって多数の人が恩恵を受けた。

 

福祉・自立部(Welfare and Self-Reliance Department)は最近、アジア北地域における末日聖徒イエス・キリスト教会による人道支援活動の結果を報告した。地域マネージャーのダーウィン・ハルボーソンによると、6人の福祉マネージャーと3組の夫婦宣教師からなるこの地域のスタッフは、政府、学校、病院、非営利人道支援団体、教会、その他の組織など45の団体とのコラボレーションによって、支援を必要とする個人や家族に手を差し伸べてきたという。多くのプロジェクトは末日聖徒チャリティーズまたはデゼレト・インターナショナル・チャリティーズ(Deseret International Charities)による資金援助と運営によって可能となった。ハルボーソンは、1人当たり約9.23ドル(約1,000円)の費用をかけ、146,000人以上の人々を支援することができたという。

教会は災害被災者支援や、育児ケア、教育、家庭内暴力、貧困、保健医療機関、そして障害者、高齢者、難民などの社会問題を解決すべく、資金とボランティアによる人手を提供した。その他にも、大気汚染、飲料水確保、雨水排水改善のための橋梁修理などを含めた環境問題に立ち向かうプロジェクトも行われた。

グアムでは、31人の障害を持った子供たちを支援する一つのプロジェクトが行われた。コスラエの特別支援を必要とする児童の保護者会ネットワークから教会の代表者に連絡が入った。人口5,000人の美しいコスラエ島の学校は、特別支援を必要とする子供たちを助けるための学用品が不足していた。学校には本が少なく、またあっても古いものしかなかった。人道支援資金を用いて、教会は本、運動遊具そして楽器を提供することができた。コスラエの指導者らは、副知事、上院議員、ミクロネシア連邦の副大統領などが全員、学用品の贈呈式に参加したことで感銘を受けた。少しの寄付によって、子供たちが各自の最高のレベルに到達するという保護者会が持つ目標の達成に貢献することができた。

チューク州女性評議会は、末日聖徒イエス・キリスト教会、カトリック支援サービスやその他のグループと共同で、糖尿病予防のためのチューク健康フェアを開催した。このフェアには300人以上が参加し、血糖値検査や口腔検査、そしてより健康的な食事料理法を紹介するブースが建てられた。ミクロネシアでは食習慣の変化や運動不足による糖尿病の発症が多くみられる。様々な段階の糖尿病を診断される人が多くおり、糖尿病による影響を抑えるためのガイダンスが提供され、時には糖尿病が治る人もいた。ワークショップの目標は、食習慣、ライフスタイル、ホームメイキングについて教育を提供することでチューク州の女性に力を与えることであった。

食料生産は数々の国において共通のテーマである。コスラエ島では、食料のほとんどが船で届けられるため、非常に高価である。レル農業組合は教会と手を組み、個人の農家に向けて10のグリーンハウスを作って提供した。一組の夫婦宣教師はグリーンハウス作成を支援した。食物を植える場所は高いところにあるスタンドに作られ、雨や野菜の根を食べてしまうヤシガニから作物を守るための覆いが掛けられた。グリーンハウスを提供された農家はトマト、ピーマン、キュウリ、キャベツなどの野菜を自分たちが食べる分だけでなく、余りを売りに出すこともできる量を生産できるようになり、近隣住民に恩恵をもたらすと共に、農家が健康的な食料と収入を得る助けとなった。このプロジェクトは大成功を収め、アジア北地域会長会は2020年にさらに20のグリーンハウスの追加作成を承認した。

モンゴルでは食料の貯蔵と保存が重大な問題である。つい最近まで、モンゴル人の食生活では肉が主食であった。気候の変化によって、モンゴルの遊牧民の多くがウランバートルへの移動を余儀なくされ、これによって食事に野菜を摂取することがなおさら必要となった。

残念ながら、食物が育つ期間は短く、モンゴルでは歴史的に農業はあまり行われていなかったため、毎年、野菜が入手できる期間はほんの短期間であった。国中では同時期に種まきが行われ、収穫の時期も同じであった。そのため収穫後は多くの作物が市場に出回ることになり、値崩れを招いていた。食物の貯蔵と保存に必要となる施設が不足していることから、せっかくの収穫物もすぐに傷み、冬の時期に野菜を入手することはできなかった。

デゼレト・インターナショナル・チャリティーズはブリガム・ヤング大学(BYU)のブラッド・テイラー博士と共にこの問題に取り組んだ。2019年9月、政界や業界の指導者らを含む12人のモンゴル人代表団が研修を受けるためにBYUを訪れた。一団はソルトレーク・シティーの福祉スクエアと、アイダホ州とユタ州の農家を視察し、農作物の収穫、保存、貯蔵についてさらに多くを学んだ。一団は視察先で目にしたことに感銘を受け、そこから学べたことに感謝した。今春、テイラー博士は再びモンゴルを訪問する予定である。モンゴルの一団は、毎年より多くの野菜をより長期間食べられる方法を熱心に学び、それをどのようにモンゴルに役立てていけばよいかを考えた。

サイパン、日本、韓国に対しては、災害被災者救援のための支援が提供された。末日聖徒チャリティーズは、サイパン島とテニアン島を襲った台風イートゥーによる被災者救援のために100万ドル(約1億円)以上の支援金を提供した。日本の本州では昨年、2つの台風(第15号と第19号)による被害があった。必需品購入のために資金援助が行われ、教会員によって2,800時間以上におよぶ奉仕が提供され、8万人の家を奪った台風通過後のがれき清掃などを行った。教会はアドベンティスト教会の人道支援部門であるADRAとの共同作業も行い、三原市における浸水被害者に対する支援活動も行った。

日本の非営利団体であるJVOAD(災害時のボランティア活動を運営)との協力のもと、北海道の震災被害者を支援するユニークなプロジェクトも開始された。地元北海道の教会指導者らは、多くのボランティアらとコンタクトを取り被災者支援に当たった。必需品の提供に加え、仮設避難所に長期滞在する被災者に対して、足マッサージも行われた。マッサージを受けることで被災者らが口を開き、自分の気持ちを話す機会が与えられ、被災という辛い経験に対処する助けとなった。

韓国の江原道で発生した山火事は、多くの人々の自宅を奪った。教会員は寄付された食料品や寝具、衣服などをトラックに積み込み、束草市にある救援センターに届けた。光州ステーク、京畿道ステーク、ソウルステーク、ソウル東ステークからボランティアが集まり、支援を必要とする人々にキムチとおかずを配った。全州ステークは高齢者やその他の助けを必要とする被災者に豆石炭を配布した。

以上は、アジア北地域において教会員が助けを必要とする人々に手を差し伸べた奉仕活動のほんの数例である。ほとんどの寄付金は、人道支援ファンドに少しずつ贈られた善意の寄付金から成り立っている。

2019年10月の総大会において、ラッセル・M・ネルソン大管長は世界中で行われている教会の人道支援活動について話した。その中で、ニュージーランド、アルゼンチン、中国で行われている3つの奉仕活動例が紹介された。大管長はボランティアらの言葉と行いに非常に感銘を受けたと話した。「末日聖徒は、イエス・キリストに従うほかの人々と協力して、人を助け、高め、愛する方法をいつも探し求めています。主の民と呼ばれたいと心から願っており「互いに重荷を負い合うことを望み……悲しむ者とともに悲しみ、慰めの要る者を慰めることを……望んでいる」のです。いちばん大切な第1と第2の戒めに従って生活することを心から求めています。わたしたちが心を尽くして神を愛すると、神はわたしたちの心をほかの人の幸せに向けてくださいます。それは美しく高潔なサイクルの中で起こります。」

(大管長のお話は以下のURLをクリック:https://www.churchofjesuschrist.org/study/liahona/2019/11/46nelson?lang=jpn)

1984年以来、末日聖徒イエス・キリスト教会は宗教、国籍、民族、性的指向、性別、政治的信条に関係なく、支援を必要とする人々を助けるために、世界中で20億米ドル(約2,000億円)を超える寄付金を提供してきた。

ネルソン大管長が総大会の説教の終わりに述べたように、「ほかの人に手を差し伸べ、自分のことを気にかける以上に人の世話をするためにひたむきに努力することが、わたしたちの喜びです。そして、付け加えるなら、特にそれは自分にとって都合の悪いときや、居心地の良い状態から出る必要があるときなのです。大切な第2の戒めに従うことは、イエス・キリストのまことの弟子になるための鍵です。」

書式ガイドの注釈:末日聖徒イエス・キリスト教会に関する記事で,教会の名称を最初に引用する際には,正式名称を使うようお願いいたします。教会の名称の引用に関する詳しい情報は,こちらへ: 書式ガイド書式ガイド.