ニュースリリース

金沢ステークの新型コロナウイルス救済プロジェクト

エタノールジェル1250本を北陸・飛騨地方の56施設に寄贈

 
Kanazawa-4.jpg
 

6月下旬から7月初旬にかけ石川・富山・福井・岐阜県下の福祉施設など56か所に手指消毒用のエタノールジェル1250本が30人ほどの社会人、学生、主婦らによって無料で届けられた。この30人の人々は、末日聖徒イエスキリスト教会 金沢ステークの会員である。

「新型コロナウイルス救済プロジェクト」と称されたこの活動は、ステーク自立支援委員会が中心となり、教会の集会が中止されている中、ステークの全てのワード・支部で会員たちが自宅近くの福祉施設などに需要を聴いて回り、56か所にエタノールジェルを寄贈するもの。教会が全世界で展開している感染症拡散における人道的支援の一環として金沢ステークが行ったプロジェクトであり、複数の新聞社の取材も受け、富山県議会の議員に教会の人道支援活動について紹介する機会も得た。

ステークの人道的支援プロジェクトというと、これまではステークなどの役員が施設・団体に一括して行うもので、個々の会員が自ら行動することはあまりなかった。しかし2020年4月14日付けで教会の大管長会は「わたしたちは困っている人々の苦難を和らげ、世話をすることに熱心に携わるようにと教えられています。。。教会の資源を最も有効に活用してもらえる場所に提供することができます。。。わたしたちは教会員にそれらのプロジェクトに参加するようお願いします。」(抜粋)と会員に向けて手紙を出している。この勧めを金沢ステークステーク会長会は注視し、奉仕の大切さ、一人一人が草の根レベルで活動することに重きをおいて、世の中で無くてこまっているものを供給しようというプログラムを発案した。自立支援委員会にオブザーバーとして参加していた教会福祉自立支援サービスの菅原兄弟から人道支援プロジェクト立ち上げのプロセスや実施におけるガイドライン、薬剤などの流通に詳しいステーク会長会の高瀬顧問の助言もあり、福祉施設などで不足している手指消毒用のエタノールジェルを教会が購入して寄贈するプロジェクトを計画することとなった。医療物資市場はまだまだ品薄だったが、高岡ワードの藤重佳代子姉妹の会社でエタノールジェルを輸入するという話があり、調達もすぐに解決した。

金沢ステーク自立支援委員会は、2019年5月末に佐々佳彦金沢ステーク会長が「自立支援こそ今進める必要がある」との方針を明確に提示し発足、その後第2日曜日に定例の自立支援委員会を開催している。エタノールジェルの寄贈プログラムを展開することを決定したのは、2020年5月10日の定例自立支援委員会でのことだった。ここで予算規模、配布数量、6月上旬を目途に寄贈先を会員が見出しユニット毎に集約すること、寄贈先は個人ではなく介護、障がい者介助、保育園などの福祉施設とすることも盛り込んだ。

ただ、物資はすぐにでも必要という緊急性を帯びたこのプロジェクトは立案から実施に至るまでの期間が一か月強と極めて短く、また専門的知識を要するエタノールジェルを含む衛生用品の需要が刻一刻と変化をしていく中、本当に収拾がつくのだろうかという懸念がステークの中で存在した。

教会の聖餐会などが中止され、SNS、電話、メールでしか連絡が出来ない状況下で、5月15日以降、各ワード・支部の会員にこのプロジェクトの趣旨を周知し、会員たちは身近の施設に説明に回って必要数を訊ねる、という行程を2週間弱ほどで行った。会員は「孫がお世話になった保育園」(福井ワードの山本ゆき子姉妹)、「勤務先の福祉施設」(福井ワードの定徳京子姉妹)、「親族がお世話になっていた養護老人ホーム」(高岡ワードの柴田昇兄弟)などを中心に、「口を開」いた。

山本ゆき子福井ワード扶助協会会長は、以前孫がお世話になった保育園にジェルを提供した。当該施設の園長は、「今の時期、業者に注文してもその数だけ入ってこないので、とても助かる。」と述べた。高岡ワードの柴田昇兄弟は、親族がお世話になった養護老人ホームに教会のこの取り組み紹介したところ、深くその事業に感謝を述べた。会員が聞き取った希望数をステーク全体で集計したところ、結果的に約30名の会員が56の施設に提供することとなった。寄贈本数が特に多い富山県内の4か所には6月29日、30日、7月1日、2日にステークは贈呈式を行った。その他の施設は紹介した会員が贈呈した。

贈呈式の日程が決まったのは約1週間前と非常に短期だったが、ステーク広報ディレクターの熊谷譲兄弟は、富山県内3か所の贈呈式についての記者発表資料を作成し、富山県・石川県の可能な限り全ての新聞社・ケーブルテレビ局に紹介した。また、富山県で福祉施設と幅広く交流を持つ県議会議員の紹介を受け、実際に富山県議会議事堂に訪問し、複数の県会議員に紹介する機会を得た。

実行委員長の山内久悟兄弟は「自分が教会員であると伝えると同時に、社会の中で奉仕をする実践できた。一人一人が福音を知るものとして社会のために働くことを通して喜びを得たことが収穫」であると述べ、「自立支援スペシャリストの責任を通してこの実りをみることができたことがうれしい。」と話している。

ステーク広報ディレクターの熊谷譲兄弟は振り返る。「プロジェクトのお話を最初お伺いした際には、時間的にもかなり無理があるように感じたものの、最終的には、ステーク、各ユニット、教会員が1つとなって、大変困難なプロジェクトを見事に遂行し、多くの美しい事象を見ることができた。結果、広報においても多くの人脈を形成することもでき、今後の教会広報において大変大きな前進となった。会員1人1人の奉仕の精神や信仰心に心より感銘を受けた。」

ステーク会長会第一顧問の高瀬満会長も回顧する。「プロジェクト会議で毎回問題にぶち当たった。でも、各ユニットから選ばれた推進委員とステーク自立支援委員会が、毎週リモート会議で力を合わせてそれらの問題は解決できた。表には出ない、このプログラムに参画した多くの方々の心の中に今回の奉仕活動の成果が深く刻まれていると思う」。

「クリスチャンの私たちは社会の課題に対して働きかけることができる」。金沢ステークの会員の笑顔が自信に変わろうとしている。

書式ガイドの注釈:末日聖徒イエス・キリスト教会に関する記事で,教会の名称を最初に引用する際には,正式名称を使うようお願いいたします。教会の名称の引用に関する詳しい情報は,こちらへ: 書式ガイド書式ガイド.