2020年7月8日に発生した記録的豪雨により岐阜県は大規模な被害を被り、20万人を超える人々が避難を余儀なくされた。下呂市を流れる飛騨川が各所で氾濫。国道41号線も複数個所で崩落した。保井戸地区では46世帯が道路の崩落と洪水により孤立状態となった。近くの高山市と、そこからさらに北に位置する飛騨地域でも重大な被害を受けた。
7月8日、飛騨地区に大雨警報が発令されたことを知った金沢ステークの佐々佳彦会長は、まず最初に鴨宮 孝明高山支部会長を通して被災地区に住む会員の方々の安否を確認し、そして高山支部の長老定員会会長である新田 元一兄弟に教会としてできることはないかを市当局に確認するよう依頼した。
新田会長が下呂市役所に連絡を取ったところ、支援体制は十分だということだったが、高山市社会福祉協議会の小峠賢次事務局長は教会の申し出を喜んで受けたいと答えた。
佐々会長はその時のことを次のように語った。「小峠氏は新田会長に、エタノールジェルとハンドタオルが必要であると伝えました。わたしたちはすぐさま行動を開始して、エタノールジェル100本を新田会長に送り、7月18日に新田会長はそれをボランティア支援センターに届けました。」
佐々会長はさらに、「タオルを入手するのは少し困難でしたので、金沢ステーク扶助協会会長の吉田純子姉妹に協力をお願いしました」と語った。
「7月16日、佐々会長から飛騨の災害について相談したいと連絡がありました」と、吉田姉妹は言う。「そこで、救援物資としてのタオルが不足していることを知り、すぐに各ユニットの扶助協会会長に連絡を取り、手伝って欲しいとお願いしました。日頃から会員の心の中に、困っている人を助けたい、という気持ちがありました。今回もその気持ちが働いて、すぐに動いてくださったのだと思います。短い時間で必要なタオルを集められるだろうかと心配しましたが、新型コロナウィルスの影響で、会員は通信機器を使い、ラインやメールなどで、上手に、そして素早く連絡することに慣れてきていましたから、約4日間という短い期間におよそ1,000枚ものタオルや雑巾が集まったのだと思います。」
さらに吉田姉妹の報告は続く。「この取り組みは扶助協会が中心となって行いましたが、手伝ってくれたのは姉妹たちだけではありませんでした。夫も家族も、兄弟たちも助けてくれました。このことから、教会員もまた他の人たちも、困っている人を助けたいという強い思いを日頃から持っていることを知りました。またこの災害で、将来待ち構えている災害に備えて、わたしたちは物質的にも霊的にも準備をしておかなければならないと改めて思いました。佐々会長もわたしも、すばらしい働きをしてくれた金沢ステークの会員に心からの感謝をお伝えします。」
7月22日、高山ボランティア支援センターで、数人の教会員を伴い、佐々会長は1.000枚のタオルを手渡した。
小峠賢次氏は協議会を代表して寄付品を快く受け取った。
小峠氏は次にように言った。「末日聖徒イエス・キリスト教会の皆様に感謝の気持ちをお伝えしたいと思います。人の役に立ちたいという思いから、皆さんは被災者のために力を合わせて1.000枚以上のタオルを集めてくださいました。これは、市民が日常生活に戻るために役立つことでしょう。高山市社会福祉協議会より、皆様のご協力に感謝いたします。」