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シドニー・ウォーカー,チャーチニュース
2020年1月1日付の手紙において,ゴードン・B・ヒンクレー大管長,トーマス・S・モンソン管長,ジェームス・E・ファウスト管長からなる当時の大管長会は,「生けるキリスト―使徒たちの証」を発表し,以下のように記した。
「預言者ジョセフ・スミスは次のように宣言しました。『わたしたちの宗教の基本原則は,使徒と預言者たちがイエス・キリストのついて立てた証です。すなわち主が亡くなり,葬られ,3日目に再びよみがえって,天に昇られたことです。わたしたちの宗教に関するほかのすべての事柄は,それに付随するものにすぎません。』
「その精神を尊重し,歴代の預言者の証にわたしたちの証を加えます。この書面による証を天の御父の子供たちの信仰を築くために用いるようお勧めします。」末日聖徒イエス・キリスト教会の大管長会および十二使徒定員会によって署名された宣言は20年前,救い主の降誕2000年を記念した節目に発表され,主のたぐいまれな生涯と「この御方の偉大な贖いの犠牲が無限の力を有すること」を証している。
末日聖徒イエス・キリスト教会の大管長会および十二使徒定員会によって署名された宣言は20年前,救い主の降誕2000年を記念した節目に発表され,主のたぐいまれな生涯と「この御方の偉大な贖いの犠牲が無限の力を有すること」を証している。
この宣言に署名した5名の生ける使徒の1人が,第17代教会大管長のラッセル・M・ネルソン大管長であり,今日も救い主に重きを置いている。2017年4月の総大会において,ネルソン大管長はこのように述べている。「イエス・キリストについてより深く学びたければ,『生けるキリスト』を研究するよう強くお勧めします。」(「イエス・キリストの力を生活に取り入れる」)
救い主とその贖いの犠牲について学ぶ時間を割くことにより,わたしたちは「主を信じ,主に従う選択を」する。それは主の力を受けるうえで鍵となる。
『生けるキリスト』が20年目を迎えるにあたり,大管長会と十二使徒定員会がこの20年間にわたり強調し続けてきたのは,教会の重要な教義,すなわちイエス・キリストの贖いである。
救い主についての証
「生けるキリスト」の発表に伴い,大管長会と十二使徒定員会はビデオ「キリストの特別な証人」を準備し,2000年4月の総大会の部会の合間に流した。
(現在の使徒によるビデオ「キリストの特別な証人」を視聴する)
1時間にわたるこのビデオプログラムは,世界の様々な場所に15人の教会指導者が赴いて撮影に臨み,救い主の前世,現世,来世における教導の業についての証を述べている。
ビデオの最後には,テンプルスクウェアにあるクリスタス像の前に兄弟たちが揃って立ち,ヒンクレー大管長がこのように宣言する。「主より承認を得,任命を受けた主の使徒として,わたしたちは一致して証します。主は生きておられ,主は再び来られて御自身の王国を宣言され,王の王,主の主として統治されます。このことをわたしたちは確信しています。」
以降,新たに使徒が召されるたび,救い主を証するビデオクリップ「キリストの特別な証人」が録画されている。
2000年4月に行われたチャーチニュースとのインタビューにおいて,当時十二使徒であったネルソン長老は,「生けるキリスト」と「キリストの特別な証人」ビデオは「わたしたちに貢献できる最も神聖なこと,すなわち生けるキリストが神の文字通りの御子であるというわたしたちの証をおもに」強調していると述べている。
このビデオと文書は,「人種や肌の色,信条にかかわらずこの世のすべての人々のための」リソースである。
ペテロ,ヤコブ,ヨハネ,パウロといったいにしえの使徒の言葉が今日にあってもキリストについて証しているように,ネルソン長老は自分の死後も自分の言葉が長く生き続けるよう願っているという。「わたしたちは,その証人たちがこの世を去った後でさえも,証を読む人々の心に浸透して消えることのない何かを残したかったのです。」
大管長会および十二使徒定員会は2019年3月に別のビデオを準備した。今回のビデオは,イタリア・ローマ神殿の奉献式のためローマに一同が集まった。1人ずつ,「生けるキリスト」から抜粋しつつ,自身の証を分かち合った。ネルソン大管長はこのビデオの締めくくりにあたり,この宣言に記された最後の文章を引用している。「イエス・キリストの道は,この世においては幸福に,後の世においては永遠の命に至る道です。わたしたちは御子という比類ない贈り物を授けてくださった神に感謝しています。」(See also “Testifying of Christ in Rome ”)
「家族—世界への宣言」と対をなすもの
十二使徒定員会会長代理を務め,「生けるキリスト」に署名したもう一人の生ける使徒であるM・ラッセル・バラード会長は,2017年4月の総大会においてこのように述べた。「わたしたちはいつもイエス・キリストの教義と福音をわたしたちの目標と計画の中心に置かなければなりません。イエス・キリストなくして,永遠の目標はあり得ませんし,その目標を達成するための計画も必ず失敗に終わるでしょう。」(「戻って受ける」)
バラード会長は末日聖徒に「生けるキリスト」を研究し,その一部を目に見えるところに置くよう勧めた。「これに署名した特別な証人の,霊感に基づくキリストについての証を一文一文時間を取って読み直してください。」
そしてこのように続けている。「これを『家族—世界への宣言』と併せて研究するよう,皆さんに強くお勧めします。わたしたちはしばしば家族の宣言を話題にしますが,生けるキリストの救いの力という光の下でこの宣言を読むことを忘れないでください。生けるキリストなくして,(永遠の家族という)わたしたちが心から望む期待は現実のものとなりません。」
1995年に発表され,結婚と家族が持つ神聖な目的を概説した文書「家族—世界への宣言」は,今年25周年を迎える。
ネルソン大管長およびバラード会長に加えて,「生けるキリスト」に署名し,家族の宣言を承認したほかの3人の生ける使徒は,大管長会のダリン・H・オークス管長とヘンリー・B・アイリング管長,そして十二使徒定員会のジェフリー・R・ホランド長老である。
教会が発表したほかの二つの宣言も今年重要な節目を越える。一つは,教会組織設立150周年を祝い,1980年に発表された回復の宣言から40年目,もう一つは神の性質に関する文書が1865年に発行されてから155年目を迎える。
ロバート・J・マシューズは,1992年に発行された「モルモニズム百科事典(”Encyclopedia of Mormonism”)の宣言の項で,教会が発表するこのような宣言や「生けるキリスト」のような宣言は,「地上における神の王国である教会の諸事を明らかにし,築き上げ,整えることを目的として」発表されると記している。「生けるキリスト」に署名した亡き使徒であるロバート・D・ヘイルズ長老は,2013年10月の総大会において,ここ数十年,教会はおおむね,初期の聖徒たちが経験したような誤解や迫害を受けずに済んでいるものの,「これからも常にそうだとは限〔らない〕」と警告している。(「信仰と証を強める」)
「わたしたちは前もって警告を受けて守られるために,預言者の言葉をよく見て,聞き,読み,研究し,共有します」とヘイルズ長老は言う。「例えば,『家族—世界への宣言』は,現在,家族が直面している課題をわたしたちが経験するずっと前に与えられました。」
「『生けるキリスト—使徒たちの証』は,わたしたちにそれが最も必要になるときよりも前に用意されたのです。」
救い主の教会に重きを置く
ネルソン大管長が教会の大管長として在任して8か月となった2018年8月,ネルソン大管長は教会の名称に関する声明を発表した。
「主はわたしの心に,主が御自身の教会のために啓示された名称,すなわち『末日聖徒イエス・キリスト教会』という名称の重要性について,強い印象を与えられました」とネルソン大管長は記している。「わたしたちの前には,主の御心にわたしたち自身を調和させるという務めがあります。」
2018年10月の総大会においても同じテーマに焦点をあてたネルソン大管長はこのように述べている。「わたしたちが主の教会の正しい名称を回復するために全力を尽くすならば,この教会の頭(かしら)である主は末日聖徒の頭(こうべ)に,わたしたちが今まで見たことのないような力と祝福を注いでくださるということを,皆さんに約束します。」
それ以降,教会の指導者や各部門,関連団体や何百もの末日聖徒たちは,教会の正しい名称の使用を導入している。表記に関する教会の公式ガイドラインに調整が加えられ,主要なウェブサイトもChurchofJesusChrist.orgに変更されたほか,メールアドレス,ドメイン名,ソーシャルメディアも更新され,教会の合唱団も今やテンプルスクウェア・タバナクル合唱団と呼ばれている。救い主を教会の中心に据えるという教会の継続的な取り組みとして,ネルソン大管長は2020年4月の総大会において教会の新たなシンボルを発表した。
新たなシンボルには,隅石の中に教会の名称が含まれ,トルバルセンの「クリスタス像」がアーチの下に立っておられる。「(このシンボルは)これが救い主の教会であることを皆に連想させるものであり,また主の教会の会員として,わたしたちのあらゆる行いがイエス・キリストとその福音を中心としていることを思い起こさせてくれるものです」とネルソン大管長は述べる。
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