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オークス管長とアイリング管長:評議会における啓示について8つの質問に答える

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By シドニー・ウォーカー、チャーチニュース

昨年、チャーチニュースは「教会本部の内部(Inside Church Headquarters)」と題した連載記事を出した。この連載では、大管長会評議会、十二使徒定員会評議会、そして神殿、家族歴史、伝道、神権、家族に関する事柄を監督する管理評議会を含め、末日聖徒イエス・キリスト教会の評議会制度を記事、ポッドキャスト、ビデオを用いて取り上げた。連載記事では、評議会での啓示の受け方をどのようにステーク、ワード、家族に応用できるかについても、言及した。

以下は、大管長会のダリン・H・オークス管長とヘンリー・B・アイリング管長に、評議会で受ける啓示について学んだことをインタビューした時の内容を書き出したもの。

1. キリスト教会はなぜ評議会によって運営されるのですか?

オークス管長:まずお話したいのは、預言者ジョセフ・スミスが召されたとき、彼は世界とわたしたち全員に対して、天父は天上の大会議において救いの計画についての第一の原則を示されたということを初めて教えたということです。したがって、末日聖徒としてわたしたちは、救いの計画は評議会によって始まります。

2. 評議会の強みは何ですか?

アイリング管長:評議会の強みは、主に評議会を構成する人々の信仰から生まれます。主が何かを行うように求めておられると評議会のメンバーが感じたとすれば、彼らの信仰をもって主の御心が何であるかを知ることができる可能性があります。しかし、それは彼らが決めるのではありません。評議会が主のお考えの通りに行われているとすれば、彼らは啓示を受けるグループとなります。

ここにいらっしゃるオークス管長は、その素晴らしい見本です。大管長会に問題が提起されるといつも、オークス管長はわたしとは少し異なる受け止め方をされます。そして、しばらく話し合っていると、わたしたちはいつも同じところに到達するのです。

オークス管長:その通りです。今のお話が、正に評議会がどのように働くかをうまく説明しています。もし、わたしたちが自分の思いを自由に話すことができればですが…

アイリング管長:そして耳を傾ける他の人が、「わたしにはまだないが、あの人は実際に主から与えられた何かを持っているかもしれない」、または「2つの事柄をうまく合わせる方法があるかもしれない」と思うときにうまく行きます。

オークス管長:そうなると話し合いは、主からもたらされる一致に到達して終わります。これが、主がわたしたちを祝福される方法です。結婚、そして若い女性会長会、長老定員会会長会、これらすべてが、わたしたちが有している評議会の例です。

アイリング管長:そうです。わたしたちは異なる経歴を持っていますが、いつも団結してよい方向に向かうことができています。オークス管長は裁判官であり有能な法律家でしたので、一つの問題を検討するとき、わたしに見えないものを見ていることがあります。興味深いのは、オークス管長が集会後に「最初は異なる見方をしていましたが、最後には意見が一致しましたね」とよくおっしゃることです。

オークス管長:その通りです。今の話は、評議会がどのように運営されるかをうまく表しています。アイリング管長には、わたしが気付いていなかった問題点と関連する事実が見えています。わたしは自分の判断と経歴を生かして物事に見ます。話し合いが終わると、評議会の管理者を通して主の御心を聞きます。これは評議会になくてはならない部分です。

すべての評議会が物事を決定する評議会ではありません。大管長会は物事を決める評議会です。しかし、討論する評議会もあります。アイリング管長が話されたプロセスを踏めば、必ずしもその評議会中に多数決で決める必要はありません。時には、評議会の目的は、例えばワード評議会でビショップリックに情報を提供するように、情報を伝える場であることもあります。ビショップリックが心と思いを一致させ決定した事柄をみんなに発表する評議会もあります。しかし、「この件については、検討します」とビショップリックが評議会で言うこともあるでしょうし、それは適切で当然のことです。

3. 教会の評議会と世俗の評議会の違いは何でしょうか?意見の一致と妥協の違いは何でしょうか?

アイリング管長:教会の評議会では啓示があります。意見の一致は他の人と同意しなければならないという意味ではありません。わたしは人の意見を十分に聞いた後に、「なるほど」と思うことがあります。最初はそのように思っていなかったとしてもです。わたしたちはともに検討し、ともに決定するということもあるでしょう。

オークス管長:評議会への啓示、評議会参加者または管理役員への啓示など、啓示を受けることが評議会の究極の目的だというのは事実です。そして、わたしたちの評議会は妥協よりも意見の一致を得ることで、より良く機能します。

妥協と言うと、わたしには意見があり、彼にも意見があり、わたしたちはお互いに交渉して、お互いに何かをあきらめているというように捉えられます。しかし、それよりも良いのは、意見の一致です。全員から同意を得る道を模索するのです。わたしたちは何かをあきらめるのではなく、最初に各自が評議会に持ち寄った解決策よりも良い解決策に同意するのです。

わたしたちの意見が一致しても、主はご自分の僕を通して何か別のことを伝えようと考えられていることがあります。まだ決定する時ではないということかもしれませんし、さらに考慮または何か違うことを考える必要があるということかもしれません。ですから、そこには3つのレベルがあると考えることができます。

アイリング管長:どのレベルにおいても、通常、そこには決定する人がいるということをおっしゃっているのですね。わたしは指導者が、「この部屋にまだ納得していない人がいると感じます。また別の機会に話し合いましょう」と言うのを聞いたことがあります。それは1度や2度ではありません。

オークス管長:それは、管理者が受けた啓示によって、評議会の意見の一致が覆されたケースですね。

アイリング管長:そうです。意見の一致が得られたように見えるものの、実際にはそうではないという状況です。わたしは、十二使徒定員の集会に出席したときに初めてそれを経験しました。わたしはオブザーバーでした。多くの異なる意見が述べられた後に、意見の一致が得られたとわたしは思っていました。すると、会の議長を務めていた大管長が、「この部屋にまだ納得できていない人がいるように感じます。後日、また話し合いましょう」とおっしゃいました。みんなが部屋を出た後で、1人の十二使徒定員会のメンバーが「ありがとうございます」と言ったのです。大管長はその長老の気持ちを感じ取っていたのです。

それはとても高い標準です。理想は、十分な意見の一致が得られ、グループで決定できることですね。預言者は、参加者が単に周りに合わせて得られる意見の一致ではなく、みんなが本当に意見を一致させていることが必要だと考え、実際にそうなっているかを感じることができるのですね。

オークス管長:この原則について、もう1つの例があります。それは、まだわたしが評議会にどのように参加すればよいかを学んでいる20代後半の頃に経験したことです。当時、シカゴ南ステークのステーク会長会第二顧問に召されていました。最初の頃の集会で、ステーク会長が「ステークセンターを建てる必要があります」とおっしゃいました。当時、そのステークには12か13のユニットがありましたが、集会所を持っているのはそのうちのわずか2ユニットでした。ステーク会長は「複数のワードが集会を行えるステークセンターを建てる必要がある」と話しました。それはステークのビジネスの一部でした。わたしたちのステークは縦横にそれぞれ100マイル(約160km)と80マイル(約130km)広がる大きなステークでした。ですから、まずに「どこに建てるのか?」というのが問題でした。会長は「ネーパービルに建てるべきだと思う。どうでしょうか?」と尋ねると、第一顧問は賛成しました。わたしは「それは良くないと思います」と言いました。

翌週の集会で、わたしはステークセンターの意見に賛成することを表明しました。評議会には目的がありました。それは、話し合う内容を提議し、わたしにそれについて祈るようにと促すことです。啓示により、わたしはみんなと歩調を合わせることができました。わたしたちは主が望まれている一致を得ることができたのです。そして、ステークセンターが建てられました。それはシカゴ西部の郊外にあります。ステークセンターがどこにあるべきかをわたしが考えるのではなく、主が何を望まれているのかということが問題なのです。

アイリング管長:オークス管長に求められたのは、「あなたは間違っていますよ」という主の答えを聞くことで、会長会に貢献することだったのですね。

オークス管長:そうです。それはとてもはっきりとわかりました。それが評議会の話し合いの結果だったのです。評議会では、常にすぐに意見の一致が得られたり、啓示を受けたりできるわけではありませんが、評議会によって御業が進められるのです。

アイリング管長:実際、評議会の偉大な指導者は、力ずくで全会一致を得るようなことはなく、1人ひとりの気持ちをとても敏感に感じ取ってくれます。意見の一致が得られるまで待ってくれます。

オークス管長:そうですね。わたしは、あのステーク会長が 「主はわたしにステークセンターをネーパービルに建てるべきだとおっしゃいました。それを支持していただけますか?」と言わなかったことに、ずっと感謝しています。もしそう言われていたら「はい」と答え、彼を支持したでしょうが、それでは正しいプロセスを踏んだことにはなりませんでしたから。

4. なぜ評議会のメンバー全員の意見を聞くことが重要なのでしょうか?

オークス管長:「助言がたくさんあるところに知恵がある」という原則をどこかで聞いたことがあります。助言から結果を生み出すことのできる人々を集めることができることがあります。問題を提起するだけでいいときもあります。多くの人の意見と洞察力を集めることが、評議する理由となります。

アイリング管長:もちろん、人が多いほど増す利点としては、同じ啓示を受けた場合に、最終的な決断をより多く支持してもらえるところにあります。評議会の偉大な指導者が決断を待つ理由の1つは、本当に霊感を受けた意見の一致が得られた場合、事を成し遂げるのにより多くの支持が得られるからです。しかし、「数が多ければ多いほどいい」と言うのは極端です。これでは意見の一致が得られるまでに時間がかかり過ぎ、よくありません。人が多くなれば、時間がかかることが多いですから。

天上の会議を例にすることがよくあります。どんな結果になったか覚えていますか?天父はご自分の計画を示されました。そこにいた人々は、意見の一致が得られなかったばかりか、3分の1がその場を去ってしまいました。わたしは、天上の会議が意見の一致を得るために行われたとは思いません。決める機会が与えられたことを人々に知らせるために行われたのです。しかし、天上の会議はわたしたちの評議会とは異なります。天父は意見を聞くために会議を開いたのではなく、人々に「わたしは受け入れます」、「わたしは受け入れません」と言う機会を与えることを望まれていたのです。

オークス管長:この質問に関連して、わたしがずっと驚嘆しながら見つめ、さらに理解を増したいと願っていることがあります。それは、主はご自分の教会を特別な方法で組織され、それによってご自分で構成員を示した評議会を作られたのです。これが主の方法であり、主の方法にわたしたちが従うのです。わたしたちは、主に従う理由が常に理解できているわけではないのです。教会の組織の階層のトップには常に、3人から成る評議会があります。その次に12人からなる評議会があります。さらに、教会のその他の組織についても、例えば、ビショップリックは3名から成ります。わたしにはそこに知恵があるとわかります。理由が説明されているわけではありませんが、わたしたちにはこのパターンがずっと与えられてきたのです。

アイリング管長:「主が物事を行われるとき、なぜその方法で行われるかについては、まだ理由がすべてわかっているわけではない」と言えるのはいいことですね。

5. 十二使徒定員として、また現在は大管長会として、ラッセル・M・ネルソン大管長とともに奉仕されてきましたが、今までに大管長の指導から何を学びましたか?

オークス管長:私は、ネルソン大管長が教会の大管長に召されるまでの約34年間、彼の近くで過ごし、その後、大管長会に召されました。十二使徒定員会では、ネルソン大管長は十二使徒評議会のメンバーでした。彼は物事を決める人ではありませんでした。ネルソン大管長とともに奉仕しながら学んだことは、大管長は主から大管長に召されたときに別人になるということです。彼は主の預言者、回復された教会の大管長、教会において究極の決定を下す人になったのです。わたしが十二使徒定員会で34年間見てきたのとは大きく異なる方法で、今、大管長は決定を下し、助言を与えられています。

アイリング管長:わたしは3つの異なる大管長会で奉仕してきました。大管長はそれぞれ異なった働き方をされます。しかし、大管長に共通しているのは、顧問を重要視され、彼らの意見を求められるということです。3人の大管長すべてがそうでした。その3人は大きく異なる人々で、異なるスタイルを持っていらっしゃいました。細かい指示を出す大管長もいらっしゃいましたし、そうでない方もいらっしゃいました。けれども、全ての大管長が顧問に助言を求められていました。助言が必要だったということではないと思います。わたしたち顧問が言ったことが、それほど大きな違いを生じさせたとは思いませんが、大管長たちはしっかりとわたしたちの意見に耳を傾けてくださいました。ネルソン大管長もその点については同様です。わたしが何も言わないと、大管長たちは「ハル、何か考えていますね。何ですか?遠慮なく話してください」とおっしゃったものです。

6. 評議会がうまく機能するために、指導者が持つべき資質は何でしょうか?評議会をスムーズに進行させるためには、会を管理する人に何ができるでしょうか?

オークス管長:そうですね、評議会の会員に敬意を払うというのがまず1つめです。アイリング管長がこれについて、とてもいいお話をされました。もう1つは、評議会の原則の中に、全員が意見を述べるというのがありますので、それを理解することです。特に、評議会に大勢のメンバーがいる場合には、参加者は常にそれを念頭に置かなければなりません。すべての細かいことに意見を述べることを控え、わたしたちが求める結果と啓示を導けるものに、真に貢献できるような時間の使い方をするというのは、より賢いやり方です。評議会のメンバーの間で、時間を大切にし、管理者と参加者に敬意を払うことも重要です。

アイリング管長:そして、すでに何度も言ってきましたが、学ぶことがあるという思いでお互いの発言に耳を傾けてはじめて、評議会はうまく行くということです。これは、評議会の指導者そしてすべての参加者について言えることです。耳を傾けてください。そして、誰かの経験と視点を通して、主は御業をより明確に自分に示してくださる可能性を受け入れてください。言っておきますが、時間がかかりますので、全員の同意を得るのは簡単ではありません。

もう1つ挙げるとすれば、評議会には実行可能なだけのアジェンダのみを持ってくるようにすべきということです。アジェンダに30の複雑な項目を挙げても、結論に到達するのはほんのわずかでしょう。アジェンダは、評議会参加者すべてが意見を述べ、啓示を得る機会があるように、焦点を当てた項目のみにするとよいでしょう。アジェンダによって評議会が大きく変わってきます。

オークス管長:アイリング管長はとても大切なことをおっしゃっています。わたしは、評議会が効果的に行われるかどうかは、議長が理にかなったアジェンダを作り、それに沿って会を進めるかどうかに、大きくかかっていると常々考えています。

アイリング管長:わたしは人生で4つの高等評議会で奉仕をしました。夜11時頃に「こんなにたくさんことを話し合わなければならないのでしょうか?」と言ったこともあります。

オークス管長:わたしも評議会で同じことを言ったことがあります。ステーク会長会や高等評議会でのことです。「もう夜11時です。わたしの経験では、主の御霊は10時頃に去ります。次回に持ち越してもよい時間ではないでしょうか?」と言いました。

アイリング管長:考えて準備されたアジェンダ、参加者に発言を許す指導者の能力、そして本当の意見の一致を得る、つまり共有の啓示を受けるために話し合いを続ける。これらが大切です。

7. 教会本部のすべてを司るこのような評議のパターンは、家族を祝福し強めるものです。家族の中で評議することの利点についてお話しいただけますか?

オークス管長:評議の原則は、夫婦関係そして親の立場での親子関係、または同居する家族などの中で最も重要なものとなります。啓示を求める、理にかなったアジェンダを管理する、全員から意見を聞く、誰が管理し、何について話し合うのかを明確にすることは、すでに話したように教会の組織内での評議会において重要ですが、家族会議においても非常に重要です。

アイリング管長:この質問は良い質問だとおもいます。なぜなら、正直なところ、家族会議は子どもの年齢に左右されるからです。わたしたちが話してきたような評議を家族内でどのくらいできるかと言えば、限界があります。しかし、人の意見を聞き、参加者に敬意を払うというのは、夫婦でもできますし、信仰を持って互いの意見に耳を傾けることもできます。決定が必要なこともあるでしょうが、子どもたちはその決定に参加できないかもしれません。家族会議では、わたしたちが話した全てを達成するのは非常に困難で、特に「うちには3人のティーンエージャーと2人の幼い子どもがいます。共同で啓示を受けられるように話し合います」というような場合は、少し難しいでしょう。

オークス管長:父母を敬えという戒めに従うことは、家族会議においては重要な戒めです。また、夫または妻を亡くした、あるいは離婚により片親になった人が家族会議を開かなければならない場合も少なくありません。そういった場合には、家族に合わせた変更が必要でしょうが、親を敬うという部分は重要な部分です。

アイリング管長:評議の理想的な形は家族にも応用が可能だと思います。困難でしょうが試すべきです。可能な限り評議の御霊を感じるようにしてください。十代の子どもと一緒に座って、「今から家族会議をします」と言うよりも、何も言わずに話し始める方がいいでしょう。

オークス管長:わたしの子どもが十代だった頃は、夕食のために食卓についた時が家族会議に最良のタイミングでした。わたしたちには、両親の許可がない限り、夕食は必ず一緒に食べるという決まりがありました。夕食時は、テレビもラジオも一切付けませんでした。今の時代だと、携帯電話使用禁止ということになります。夕食時は、家族みんなが楽しいことのために集まる時間でした。他の評議会のような形式ばったことは何もしませんでしたが、かしこまった家族会議よりも夕食時の話し合いの方が、より多くを決めることができました。

アイリング管長:わたしの家族の夕食は非常に興味深いものだと思います。夕食時には、家族と自由に意見を交換していました。あまりにもたくさん話したので、(ロバート・D・)ヘイルズビショップと管理ビショップリックにいた頃、わたしはヘイルズ長老の顧問でしたが、彼に「そんなに激しく討論することをどこで学んだのですか?」と尋ねられました。わたしは「家庭の夕食の席でです」と答えました。実際、家族と囲む食卓は、家族がどのように協力し、またともに評議できるかを知る場所でした。

8. 評議会における救い主の役割は何でしょうか?

アイリング管長:主がすべての評議会を管理されるのが理想です。評議会に主がいらっしゃったらと考えられたらいいですね。みんなは、指導者がそのように感じることを願っているでしょうし、評議会メンバーすべてが「もしこれが重要な事柄だとすると、これは主の評議会なので、主はどのようにお考えになるかを考えましょう」と言うことができればいいですね。これは理想的過ぎますが、今の質問への本当の答えとしては、そういうことになるでしょう。

オークス管長:それは素晴らしい原則です。ともに評議するということについて直接応用できる聖典の教えは思い付きませんが、救い主についてわたしたちが一番よく知っていることは、彼は教えを授けられたということです。例えば、モルモン書では第三ニーファイに、主は十二弟子に召した人々を教えたとあります。そして、主は群衆に向かっても教えられました。これは評議することについての原則のように思います。主は、特定の地位に召された人々に向かって教えたことを、すべての人に話すことはしませんでした。

アイリング管長:もう1つあります。わたしは主がすべてのことに対して意見をお持ちだと思っています。救い主がサムエルに「書き記しなさい」とおっしゃったことを思い出してください。サムエルが記録した内容から、主は考えをお持ちだったことが詳しくわかります。わたしは、主がおそらくすべてのことについてこのようであったと思っています。

オークス管長:モルモン書にも同様に書かれているところがあると思います。何度も出てくる下りですが、主は、わたしたちにすでに教えられたことをわたしたちが受け入れたときに、さらに与えるとおっしゃっています。わたしたちには、まだ知らないこともたくさんあります。ですから主は、ご自分がわたしたちに与えることを望まれているさらなる知識を、わたしたちにいつ授けるか、わたしたちの準備ができていると言えるのはいつなのかについても、ご自分なりの意見をお持ちです。

アイリング管長:わたしが考える理想の評議会とは、「主が望まれていることが何であるかがわかるまで、できることは何でもやりましょう」と言うことだと思います。主はすべてのことに意見をお持ちだと思います。ですから、わたしたちがやろうとしているのは、主が何を求められているかを見つけることだと思います。

オークス管長:また、主はすべてのことと将来についてご存じですから、わたしたちは主の計画に合うように道を探し求めているのです。ネルソン大管長はよく聖約の道について話されます。そしてわたしたちは、神の子どもたちはその聖約の道にいながらも、異なる場所にいることを知っています。雑草の生えたところにいる人もいますし、きちんと道に沿って歩いている人もいます。道を歩み始めたばかりの人もいます。聖約の道の上でも異なる場所にいる人々を助けることが、評議会の機能の一部です。

アイリング管長:わたしもそのような見方をしています。そうしない人もいますが、わたしはそうしています。そのため、わたしはとても注意深くなりました。わたしが十二使徒定員会の中でもまだ新人使徒だった頃、今の時代の使徒よりおそらく比較的長い年月を新人使徒として過ごしたと思いますが、決断を下す時が来ると、新しく召された使徒から順に、「あなたの意見は?」と尋ねられました。ですからわたしは何年も「わたしは正しい答えが言えることを願っています」と言ったものです。なぜなら、当時は話し合いの中で、先任の使徒たちがどのような考えを持っているか、わからなかったからです。ですからわたしは、「どうか、主の御心を理解できるように助けてください」と思ったものです。

主の御心を知るのは簡単なことではなく難しいことです。ですから、それを知るために評議会として取り組むのが、わたしたちの知りうる限り最良の方法なのです。

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