ニュースリリース

勇敢なトンガの宣教師が火山噴火と津波の後に人命救助

素早い思考に基づく行動、信仰そして愛が、若いボランティアらを災害時の支援活動に駆り立てる

2022年1月15日に発生した海底火山噴火により発生した火山灰や噴石、そして津波による大災害によって、トンガの国全体が影響を受けた。

住宅は被害を受け、家族や地域住民は火山灰除去と住宅の再建を続けているが、近隣住民や親戚、教会員への援助に手を貸すことも多い。

今回の災害により、4人が死亡、18人がけがをした。通信網はまだ完全に復旧しておらず、生活維持とコミュニティの再建には支援が必要である。

1月15日に起きた悲劇的なできごとの真っただ中、勇気ある行動や英雄的な働きが行われていた。その中の2つが、末日聖徒イエス・キリスト教会の宣教師にまつわるものである。

トンガタプ島は65km離れたところ発生した火山噴火により、津波と火山灰による被害を受けた。島の西岸沿いは特に被害が大きかった。火山の北側にある他の島々も、津波の直撃を受けて、大きな被害が出た。

トンガには末日聖徒イエス・キリスト教会の伝道部が2つある。1つは本島をカバーする伝道部、もう1つは数々の離島をカバーする伝道部(アウター・アイランズ伝道部)である。後者の伝道部には、約135名の宣教師を率いるシティヴェニ・フェホコ伝道会長がいる。

火山噴火を耳にしたとき、フェホコ伝道会長には津波が発生することがわかっていた。彼はすぐに携帯電話を手にし、火山に近い島々に住む宣教師らに電話をかけ、できるだけ早く高台に避難するように伝えた。

火山から約90km離れたところにあるコツ島には宣教師アパートがあり、そこにはマラカイ・イカ長老とリチャード・ツロネトア長老が住んでいた。フェホコ会長からの電話を受けた長老らは、すぐにアパートから出て、高台に避難するようにと指示された。

長老らはすぐにその言葉に従い高台を目指す途中で、周りの人々にも避難するようにと声をかけた。しかし、長老たちの警告に従わず、海で何が起こっているのかを見たいという好奇心に負ける人もいた。イカ長老は、幼い子ども2人を連れた父親が坂を急いで上るのを目にした。

イカ長老はその2人の子どもを抱き上げ、丘の上に連れて行った。ツロネトア長老は助けを求める声を聞いたため来た道を戻ると、そこには泣きながら歩行器を押しながら坂を上ろうと苦しんでいる老女がいた。長老は彼女を抱き上げ、再び坂を上った。

ツロネトア長老は、坂の上に近づいたときに振り返ると、大きな波が迫っているのが見え、津波に流されると思ったという。すると突然波は引き、彼らのいるところまでは来なかった。

丘の上にたどり着いたとき、ツロネトア長老はその老女がまるで赤ん坊のように軽く感じていた。2人の長老たちは島にとどまり、島民を高台に避難させようとしている人々を助けた。トンガ海軍は後に、コツ島に到達した津波の高さは15m以上であったと報告している。

コツ島から南に20km離れたノムカ島には、モーセ・フォリアキ長老とセフィタ・ポラタ長老がいた。彼らは浜辺におり、湾内の水位が下がるという不思議な現象を目にしていた。

Nomuka-Island-in-the-Ha'apai-group-in-Tonga-was-heavily-damaged-by-the-tsunami-and-ash-caused-by-the-volcanic-eruption-on-15-January-2022.
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トンガのハアパイ諸島にあるノムカ島は、2022年1月15日の海底火山噴火による津波と火山灰により大被害を受けた。 Malau Media. Used by permission.
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海を見ているときにフェホコ会長から電話があり、海岸からすぐに離れ内陸に移動するようにと指示を受けた。彼らはすぐに聖典を手に取り、高台を目指した。走りながら右側を見ると、津波が近くのノムケイキ島を襲い、さらに自分たちのいるところに向かっているのが見えた。

走り続けているとき、2人の幼い子ども連れの母親に出会った。長老たちは子どもたちを抱え、丘の上まで連れて行った。

頂上に着いたときに振り向くと、津波が島に近づいていたが、教会のノムエカの集会所に達したときに波は引き、教会は難を逃れた。見晴らしのよい丘の上からは、火山灰が降り始め、島民は避難場所に向かって走っているのが見えた。

みんなは喉が渇いているだろうと考えた若い宣教師たちは、過日、伝道部長の指示でボトル入りの水を多量に教会の集会所に貯蔵したことを思い出した。彼らは集会所に行き、周りの避難者らに水を配り始めた。

避難者の1人が、教会員の1人が内陸部にある深い湖にはまっていることを長老たちに伝えた。大急ぎで駆け付けた長老たちは、瓦礫や動物の死骸などでいっぱいになった湖を目にしたが、危険なため誰も立ち入ることができずにいた。1人の男性が湖の中で溺れないように頭を水面に出そうともがいていたので、宣教師たちは飛び込み、この男性を救助した。長老たちは、瓦礫の中で身動きできないでいる別の2人も救助したが、1人はケガを負っており、もう1人はすでに溺死していた。

長老たちはそこに立ち尽くし、その日に目にした惨状に思いを馳せた。周りを見渡すと、人々はこの災害について不平を言っているのが聞こえた。宣教師たちはひざまづいて祈り、自分たちが生き延びることができたことを神に感謝した。長老たちは祈っているとき、感謝と愛で満たされ、祈りが答えられたことを知ったと当時を振り返って話した。

書式ガイドの注釈:末日聖徒イエス・キリスト教会に関する記事で,教会の名称を最初に引用する際には,正式名称を使うようお願いいたします。教会の名称の引用に関する詳しい情報は,こちらへ: 書式ガイド書式ガイド.