末日聖徒イエス・キリスト教会の故十二使徒定員会会長M・ラッセル・バラードは,11歳のときに初めて自分の祖父が多くの人々にとって「非常に特別な人」であったことに気づいた。
1939年,ソルトレーク・シティーにて祖父の葬列で車に乗っていた若きラッセルは,タバナクル近くの通りが,生涯の最後20年間使徒として奉仕した祖父のメルビン・J・バラード長老の人生を称えるためにやって来た人々であふれているのを見た。
「人々が,祖父に対して抱いている敬愛の念を感じました」と,2024年3月2日(土曜日)に開催された2024年ルーツテック:家族発見の日で上映されたビデオの中でバラード会長は述べている。「父方の祖父も母方の祖父も使徒を務めましたが,当時は両親が教会に活発でなかったため,その重要性を認識していませんでした。」
母方の祖父はハイラム・M・スミス長老(1872-1918年)であった。
そのときからバラード会長は,「〔バラードおじいちゃん〕について学び,それがきっかけで,母方の祖父母についても知りたいと思うようになりました」と述べている。
2023年11月に亡くなる前に撮影されたこのビデオは,バラード会長が幾つかの重要な教会史跡にいる姿を映している。カートランド神殿とカーセージの監獄は,高祖父(ハイラム・スミス)とその弟(ジョセフ・スミス)が礼拝し,命を失った場所だったからである。
バラード会長は,自分のルーツを知ることは,自分の本質をよりよく理解し,恩義に報いる助けになると語っている。
「人生で得ている祝福を享受できるように土台を築いてくれた人々を見いだし,知ることは非常に大切です」とバラード会長は述べている。「先人達について知るのはすばらしいことです。その多くはわたしたちが生を受けるため代価を払ってきました。わたしがこの世を去るときに,これまでのささやかな善行に対し感謝を抱く人がいてくれたらと願います。ですから,できる限りのことをするのです。」
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バラード会長の25分間のビデオ(2023年に撮影)は,その業界では世界最大級である,3日間にわたるルーツテック家族歴史カンファレンスの最大の見どころだった。世界中から何千人もの人々がソルトレーク・シティーのソルト・パレス・コンベンションセンターに集まり,さらに推定400万人がオンラインで参加した。
ユタにやって来た一人は,ナイジェリアの国立記録保管者であるエブリン・ディグボだった。彼女は,ナイジェリアの人々が自分たちのルーツを見つけるのを助けるため,系図記録を残す方法についてさらに発見するために来た。
「やるべきことはたくさんあります。それはもう逃げられないことです」とディグボは言う。「家族が一人も切り離されることなく,すべての人が自分のルーツとつながることができるように,わたしたちは熱心に取り組むべきです。〔ルーツテック〕は実にすばらしいです。目を見張るような経験です。このプログラムに参加した数日間は,国として,我々がしていることをさらに改善し,異なる分野への機会を理解し視野を広げてくれました。」
大会の基調講演者は,コメディアンのヘンリー・チョウ,ドレッド・スコットの子孫であるリン・M・ジャクソン,受賞歴のある女優兼歌手のクリスティン・チェノウェス,写真家のナンシー・ボロウィック,歌手のケイティー・ジェームズ,ファミリーサーチ会長兼CEOのスティーブ・ロックウッドであった。
公民権の英雄であるドレッド・スコットとハリエット・スコットの玄孫ジャクソンは,「リメンバー」という大会のテーマを指し示し,旅における霊感の重要性についてコメントを加えた。彼女は,1800年代半ばに奴隷制度からの解放を求めて戦ったスコット夫妻の話を紹介し,「この話は人々の心に響きます」と述べた。
「わたしたちは聞くにはつらいことを覚えます」とジャクソンは言う。「しかし,涙をもたらし,未来に希望があることを知らせてくれる,多くの事柄に鼓舞されます。わたしの先祖,ドレッド・スコットとその妻ハリエットの話を分かち合うことは,比類なき特権です。」
ルーツテックで採り上げられたそのほかの重要なテーマの中には,生成AIがどのように系図作業を促進するかが含まれた。ロックウッドによると,ルーツテックは,「生成AIを良いことに,責任をもって使う方法」を見る機会である。
「ここルーツテックでは,この業界が過去数十年間行ってきたことを目にするでしょう」とロックウッドは述べた。「インターネットが初めて登場したとき,この情熱と光を世界中に広めるためにインターネットを活用する方法を紹介しました。モバイル技術が登場したとき,どのようにして家族のストーリーを24時間365日持ち歩くことができるかをお見せしました。DNAが登場したとき,関心は爆発的に高まりました。そして,わたしたちは人々がどこから来たのかをお見せし,彼らの知らない家族とつなげることができました。そして今は系図探求者やそのほかの人々とともに,〔系図の〕レン
ガの壁を打ち破ることができるのです。ですから,これらの新しい画期的なテクノロジーを責任を持って使う方法を紹介してきました。」
ルーツテックディレクターのジェン・アレンは,生成AIが人類の家系図の拡大を助けると述べた。
「わたしたちは,人工知能が登場して,難しい質問に〔答え〕,破壊された記録や読むのが難しい記録を〔発見する〕のを助けてくれるのを目の当たりにすることになります」とアレンは言う。「そのコンピューターはわたしたちのためにそこに入り込んで解決してくれます。わたしたちが今まで貫くのが大変だった領域であるレンガの壁から始めてくれるのです。もっと多くの人を見つけることができるので,人類の木がさらに大きくなっていくのを見ることでしょう。」 2024年ルーツテックの詳細については,RootsTech.orgを御覧ください。