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神権の祝福によって起こった神殿の奇跡

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中野ワード(東京ステーク)の相馬篤子姉妹は、17歳であった1971年にバプテスマを受け、末日聖徒イエス・キリスト教会の会員になった。その後、約10年間活発に教会に集ったものの、彼女の芸能界での仕事は忙しく、結局40年間はお休みの状態であった。しかし、その間もイエス・キリストの福音に対する信仰は持ち続け、福音の原則に関する知識のおかげで、彼女と夫との結婚生活は愛に溢れ幸せなものであった。

2021年に起きた2つのとても辛い経験により、相馬姉妹は主により強く頼ることになる。1つ目は彼女の母親の死。2つ目は夫である幸司がグレード4の膠芽腫(脳腫瘍)の診断を受けたことであった。脳腫瘍は新聞記者として働いていた幸司の言語能力に支障をきたした。相馬姉妹は夫が「自分が自分でなくなる前に死にたい」と語るのを聞き、打ちのめされたという。

毎日、聖典を読み祈りながら、相馬姉妹は夫にもう少し時間を与えて欲しいと主に嘆願した。旧知の教会員である相川豊、智香子夫妻に連絡を取るべきだと感じた相馬姉妹は、彼らに連絡を取り、自分と教会員ではない幸司に神権の祝福を頼んだ。自分への祝福の中で相馬姉妹は「夫の先祖の霊を救うように」との言葉を受けた。

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夫とその先祖の救いが自分にかかっていることを感じた相馬姉妹は、教会に戻り家族が必要としていることを行った。彼女は悔い改めて自分の生活を変えたことで、神が赦してくださったことと神の愛を感じたのである。

大手術と長期にわたる入院を終えて帰宅した夫に、相馬姉妹は神の幸福の計画である「救いの計画」について話した。彼女は毎日、夫に聖典を朗読して聞かせた。ある日、夫の方から「俺バプテスマを受けるよ。俺も永遠の結婚がしたい」と言い、相馬姉妹を驚かせた。相馬夫妻はリモートで宣教師からレッスンを受けた。当時、幸司は家の中で歩くのがやっとという状態であったにもかかわらず、バプテスマに向けて準備を始めたのである。

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バプテスマの後、相馬兄弟は車椅子で教会に通い聖餐を受けた。2022年の夏、相馬兄弟は東京神殿のオープンハウスと再奉献式に参加するという祝福も受けた。しかし、その後すぐ早朝痙攣が起き、1カ月の再入院となった。その後退院し、自宅療養を始めた。

相馬姉妹は、御心なら生きているうちに2人で神殿に参入し、エンダウメントを受け、夫婦の結び固めを受けられるようにと祈った。しかし一方では、さすがにそれはもう難しいかもしれないとも思っていた。そんな時、相馬夫妻のミニスタリングブラザー・シスターである相川夫妻は、聖書の物語にある中風をわずらっている人の話を分かち合いながら励ました。これは、「病人の友人たちが彼を癒してもらうためにイエスのおられるところに連れて来た。ところが、群衆のためにどうしても運び入れる方法がなかったので、彼らは屋根にのぼり、瓦をはいで、病人をつりおろして、イエスの前においた」という話である。

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やがて相馬兄弟は寝ている時間の方が長くなっていたものの、相馬姉妹が聖典の朗読をしてもよいかと尋ねると必ず「うん」と答えていた。しかし、相馬姉妹は夫の本心がわからず、自分勝手な思いで朗読を進めているのではないかと案じていた。相馬姉妹が神権の祝福を受けたとき、彼女は「あなたが思っているより、ずっと深く彼は信仰を求めている」という言葉を聞いた。夫婦で神殿に入る可能性について、相馬姉妹は貫井斉治ビショップに相談した。幕のこちらとあちらに分かれてからでも儀式が行えることを知っていたものの、相馬姉妹は御心ならば夫の生きているうちに神殿に参入させてあげたかったという。

その後、相馬兄弟は自宅において貫井ビショップと土門淳平ステーク会長の訪問を受け、そこで面接を受ける。メルキゼデク神権を受けた後、彼が神殿に参入できるように計画が立てられた。相馬姉妹には夫に残された時間は少ないことが分かっていた。また神殿会長会も心配はしていたものの、相馬兄弟の参入に向けて手はずを整えた。奇跡が起こり、神殿内で相馬兄弟は自分を取り戻していた。夫婦の結び固めを受けた時、しばらく表情を失っていた相馬兄弟が喜びの表情を表していた。

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数日後、相馬兄弟に再び痙攣が起き、彼は幕の向こうに旅立った。相馬姉妹は、まるで「僕も永遠の結婚がしたい」と言っていた夫の望みが叶うのを待っていたかのようなタイミングで死が訪れたと話す。相馬兄弟の主治医は、自宅で過ごしたのがよかったのかもしれないと語った。入院生活を選んでいれば、十分な介護が受けられたとしても、教会に行き、バプテスマを受け、神殿に行くこともなかったであろう。地上での最後の日々を送る中、相馬兄弟は命を懸けて相馬姉妹に昇栄への道を開き、人生最大のプレゼントを贈ったのである。

相馬姉妹は、大変な時期に経験したすべての奇跡に、そして自分と夫にミニスタリングをしてくれたすべての人々に感謝している。また困難にぶつかるたびに、必ず手を差し伸べて助けてくださった主に、特に感謝している。

書式ガイドの注釈:末日聖徒イエス・キリスト教会に関する記事で,教会の名称を最初に引用する際には,正式名称を使うようお願いいたします。教会の名称の引用に関する詳しい情報は,こちらへ: 書式ガイド書式ガイド.