Recording a church sponsored radio show in a studio in Radio Okinawa.
ラジオ沖縄のスタジオ収録に立ち会う安里吉隆兄弟© 2022 by Intellectual Reserve, Inc. All rights reserved.沖縄にて現在，教会コミュニケーション部が提供するラジオ番組を放送している。ラジオ沖縄，10月1日から年末までの毎週土曜日，夕方17：45～18：00の「あなたとニー（根）コネクト」と題するコーナーだ。末日聖徒イエス・キリスト教会の紹介を目的とするこの番組は，最近放送された全国のラジオ番組を検索できる「radiko」（ラジコ）というアプリで聴くことができる。
チャリティ番組への協賛から
昨年12月のクリスマスシーズン，ラジオ沖縄では，「目の不自由な方へ音の出る信号機を」をキャッチフレーズに「ラジオ・チャリティ・ミュージックソン」という番組を放送した。教会は協賛を申し出て，沖縄ワードの教会堂がチャリティ番組の中継現場・募金拠点として活用された。
その経緯を踏まえ，翌2022年1月，沖縄ステーク会長らがラジオ沖縄を表敬訪問した。その際，教会の神殿・家族歴史活動等について紹介したところ，社長直々に，「タイアップしてラジオで放送しましょう」との提案を受けた。こうして，教会提供のラジオ放送が実現したのである。
神殿に向けて─家族の歴史を紡ぐ
沖縄神殿の奉献を控え，10月の放送では，「家族歴史，先祖の探求」をテーマにファミリーサーチの紹介が行われた※1。 教会と同じく沖縄は，先祖や家族のきずなを重んじる土地柄だ。「家族」という言葉には亡くなった先祖たちも含まれる─出演した普天間ワードの安里吉隆（あさと・よしたか）兄弟 ※2 は番組でそう語る。
Interview with Bro. Yoshitaka Asato and personality of radio show.
ラジオ沖縄で家族歴史フェアの告知をする安里兄弟© 2022 by Intellectual Reserve, Inc. All rights reserved.太平洋戦争で多くの尊い血が流された沖縄。沖縄神殿は「特別な供養の儀式を執り行う建物」であり，「神殿・家族歴史活動を通じて，それらの人々の霊を供養する，あるいは真に慰めることができます」と話す安里兄弟。成功や喜びだけでなく苦難や試練，それらを乗り越え，命を紡いできた先祖たちへの愛と敬意，感謝を込めて取り組むのが神殿・家族歴史だと，親しみやすい語り口で説明していく。
教会ではまた，家系図作成に留まらず，家族の思い出，先祖たちの生き様を，写真や音声といった形でも記録していく。そのツールとして大きな力となるのがファミリーサーチであり，教会内外の誰もが無料で使える。安里兄弟がそう案内すると，音声のプロである女性アナウンサーは「いいですね」と共感する。番組内では，10月22日に那覇ワードで開催される家族歴史フェアの告知も行われた。
すべての肉なるものに知らせる
神殿のオープンハウスを前に，沖縄ステークコミュニケーション評議会では，「主なるわたしは，これらのことを進んですべての肉なるものに知らせよう」※3 の聖句を念頭に，沖縄中の人々がファミリーサーチを知り，活用してくれることを目標に掲げている。評議会のメンバーは，各々の賜物や知識を最大限に生かして奉仕してきた。ステークコミュニケーションディレクターの西銘 正（にしめ・ただし）兄弟はこう証する。「ラジオ番組の始まる初日……祈りをささげたとき，これまでにない力強い主の御霊がわたしの体を包み込みました。主が公共の電波を利用して，進んですべての肉なるものに知らせようとされていることが力強く分かりました。」
flyer of a church sponsored radio show in Okinawa Japan.
ラジオ番組『あなたとニーコネクト』を告知するチラシ© 2022 by Intellectual Reserve, Inc. All rights reserved.番組名に込めた思い
「あなたとニーコネクト」の「ニー」とは沖縄の方言で「根」を意味する。植物が大地に根を張るように，わたしたちも各々の暮らす土地に根を張り，多くの人と繋がっている。「根」は過去，「幹」は現在，「枝葉」はわたしたちが繋げる未来 ─ 番組名にはそんな思いが込められている。
世界有数の大高木，セコイア。ところが，その根はわずか1，2メートル程だという。地中で互いの根を絡ませ，支え合い，強め合うことで，高く，強く伸びていくことができる。「ファミリーサーチはセコイアの木のよう」だと安里兄弟は番組内で言う。「まさに家族，親族，先祖〔が〕お互いの根，『ニー』ですね。『ニー』をしっかり絡ませて，互いに支え合い，助け合う。……（それが）幸福な生活を送れるように助け〔てくれ〕る，すばらしい鍵の一つだと思います。」
世界のウチナーンチュ(沖縄人)を先祖がつなぐ
10月22日の第4回放送時にゲスト出演した，元ハワイ沖縄連合会会長の比嘉・ラバーン・とよさんは，ハワイへの移民三世として暮らしてきた。彼女はあるとき「沖縄に来るように」との強い御霊の促しを受ける。─ 歴史上，沖縄からは多くの人が世界中に移民として渡っている。比嘉さんは先祖の地を踏み，ここ沖縄に仕事を見つけ，様々な人との出会いがあった。系図探究を通して自らのルーツを知って初めて「自分のアイデンティティーが根を下ろした気がする」と涙ながらに語った。
通訳として参加した上地智子姉妹は「一人一人が御霊に圧倒され、涙を堪えながらの収録」であったと振り返る。「わたしたちの心を先祖に向ける時、ご先祖様もわたしたちを見守ってくださることを証します。」◆
※1─ 11月は「教育・人道支援活動」，12月は「キリストの愛を分かち合う」をテーマに放送予定
※2─ 教会では，すべての人が神様の子供である，との教えから，男性を「兄弟」，女性を「姉妹」宣教師を実年齢にかかわらず「長老」と呼称する
※3─ 教義と聖約1：34