アジア北地域会長会より地域社会への奉仕に励むようにとの促しを受け、今年、大阪堺ステークでは堺ワードを主軸とする活動を計画した。行政、地域NPOへの協力という形でのヘルピングハンズ(助けの手)活動である。
政令指定都市,堺市では昨年度より,「子ども食堂」を支援する取り組みをしている。
GDP世界3位の豊かな日本でありながら、現在、子供の7人に1人が貧困層という深刻な実態が浮き彫りになっている。そのため,ボランティアの手で食事を提供する「子ども食堂」の活動が全国で広がりをみせている。堺市においても,「子ども食堂」の運営に必要な食品の提供を行政と社会福祉協議会が市民に呼びかけ,この5月に集められた。
地元の教会(大阪堺ステーク)は3月にこのプロジェクトに賛同し、ヘルピングハンズ活動として食品を集めた。ポスターと,チラシ300枚を市から預って配布し,5月12日までに食品を集めるよう教会員に協力を呼びかけた。
ヘルピングハンズ活動は,体力を必要とするなど,その内容によっては参加できる人を選ぶこともある。「今回の奉仕活動は,全ての教会員が参加できるようにとの目的で計画しました。同時にミニスタリングとして、すべての会員や福音を学んでいる人を誘って一緒に参加できます。そして何より,行政とのコラボレーション(協働)は堺ステークにとって必要なことだと感じたからです」と,自立支援サービス奉仕宣教師の杉本美智子姉妹*は語る。
*教会では,すべての人が神の子供たちである,との教えから,男性を兄弟(Brother),女性を姉妹(Sister)と呼称する。
末日聖徒イエス・キリスト教会では100年以上前から,もしもの場合に備えて食料,飲料水を家庭に貯蔵し,また貯蓄をするよう推奨されている。保存食を集めることに慣れている教会員にとって、缶詰などの食品提供は負担ではなく,皆,快く参加した。収集や食品の仕分け等は青少年が担当した。特に今回,お米が必要との連絡が入ったため、多くの白米、玄米が集まり、行政職員の方々から大いに感謝されたという。
「この奉仕には150人程度が参加したと堺市に報告し、行政の方々は本当にびっくりされていました。今後も協力してほしいとの要望もあり、次につながるボランティア活動となりました」と杉本姉妹は活動の成果を振り返る。