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2021年3月20日(土)、ウクライナのキエフ・ステーク扶助協会*1と日本町田ステーク甲府ワード扶助協会による合同の創立記念祭がZoomにて開催された。17時(ウクライナ時間で10時)に266の画面に集まった両国の姉妹たちは、約1時間半、互いの証を分かち合い、交流を深めた。
この集会は、甲府ワードからウクライナにファミリーサービスの奉仕宣教師として赴任し、東ヨーロッパ地域で伝道活動を続けている奥村幸治長老と幸姉妹*2の仲立ちにより開催された。奥村長老は心理カウンセラーとして、幸姉妹は多文化共生の活動経験を活かした奉仕をしている。夫妻は両国の聖徒たちが互いの文化を理解し合い、より信仰と友情を深められるよう、オンラインによる様々な取り組みを続けている。
ウクライナは東ヨーロッパ、黒海沿岸に位置し、日本の1.6倍ほどの面積を有する。人口は約4600万人で、その多くがキリスト教徒だ。1990年に最初の末日聖徒の宣教師がウクライナに到着してからわずか30年間で教会員は1万人を超え、2010年には首都キエフに神殿が建設されるという、目覚ましい進歩を遂げている国だ。
昨年末には、ウクライナから美しい民族衣装や国旗の由来の他、クリスマスの伝統が紹介された。印象的だったのは、イブには子どもたちが伝統的な衣装を着て各家庭を回ってキャロリングを行い、十二使徒を象徴する12種類の料理でクリスマスを祝うという習慣だ。今年1月に、今度は日本から「お正月」を届けようと甲府ワードが、キエフ・ハリコフワードの会員たちへ向けて年末年始の過ごし方を紹介した。文化的な背景も理解してもらおうと制作したビデオやスライドには、年末年始にワードの会員たちが撮影した神社や寺、おせち料理、正月の遊び、年賀状、餅つきなどの写真や映像が使われた。こうした交流を通して、姉妹たちは胸の内に芽生えた相手国への尊敬や友情を膨らませてきたのだった。
今回の扶助協会創立記念祭は、キエフ・ステーク会長会第1顧問のイゴール・プドゥブニ会長が管理し、ステーク扶助協会会長のタティアナ・パドヴォドバ姉妹が司会をした。Zoomでは前もって準備された動画をもとに進められ、奥村長老夫妻やウクライナの姉妹による英語、ウクライナ語、日本語の同時通訳、手話通訳も用意された。
最初の話者であるプドゥブニ会長は女性の影響力の大きさについて語り、至高の創造物である女性は、「強い精神力を兼ね備え‥美しさ、優しさ、親切心を保ちながら、困難な仕事を確実にこなすことができます。」と称えた。甲府ワード扶助協会会長の齋藤志津香姉妹は着物姿で登場し、「ウクライナがとても身近に感じます」と語り、遠く離れていても互いに愛し合える喜びを語った。
甲府ワード等による「困難な時に励みになった聖句と証の紹介」では、日本語とウクライナ語の聖句が書かれたスライドに合わせて、16人の姉妹たちの力強い証*3が続いた。1分に満たない証に込められた、人知れず苦しんだ体験と聖句から力を受けて乗り越えた信仰の歩みが、ストレートに人々の心に迫った。
両国の姉妹たちによる「シオンの娘」の美しい合唱が披露された後は、キエフ・ステークから数人の姉妹たちが証をした。リュドミラ・バラキナ姉妹は、このパンデミックの中で姉妹たちが非常に迅速にテクノロジーの技術を習得し、主の娘としての召しを果たしてきたことを賞賛し、毎週オンラインで集会に出席し、扶助協会で定期的にレッスンを行っている86歳の姉妹を例に挙げた。COVID-19で亡くなった会員たちの家族を支援するために、姉妹たちが最善を尽くして奉仕を続け、断食と祈りをしてきたことにも触れ、「すべての人にとってこの困難な時期に、ワードの姉妹たちはますます近づき、より団結しました。」と証する。多くの犠牲者を出した深刻なパンデミックの最中にも、オンラインで集まって福音を教え合い、一層の熱意をもって家族歴史活動に取り組み、福音を分かち合い、家庭を整え、困っている人のために一致して働くなど、主の弟子として励むことで得た熱い証が続いた。
特に目を引いたのは、キエフ・ステークの姉妹たちが制作したというアート作品の数々だ。音楽と共に次々に映し出されたのは手の込んだ絵画や写真、陶芸、編み物や洋服、人形や小物など。その膨大な数と質の高さが、姉妹たちの愛の奉仕がステーク内に留まらないことを証している。
最後に姉妹たちが交換し合ったサプライズは、相手国の言語で証をするという最大のリスペクトだ。甲府ワードの姉妹たちはウクライナ語のリレーで賛美歌134番「われ主を愛して」の歌詞を読み、「どうぞあなたの愛を教えて下さい。私は歩みます。キリストと共に」と結んだ。キエフ・ステークからは通訳を担当したラーダ・コニック姉妹が日本語で証をした。
この集会の影響はZoomで参加した全国の姉妹たちにも及び、「すべてに愛を感じた」「たくさんの人の証を聞いて元気をもらった」などの声が寄せられた。
1842年にジョセフ・スミスにより回復された扶助協会は世界の隅々に広がり、今や膨大な会員を擁している。姉妹たちが自分は何者であり、女性の行う業や目的について思いを馳せた扶助協会創立179周年を記念するこの集いは、パンデミック下にあってより意味のあるものになったと言えよう。
*1─扶助協会:末日聖徒イエス・キリスト教会の会員で構成された、女性による世界最大の組織
*2─末日聖徒イエス・キリスト教会では、全ての人が神の子供たちであるとの教えから、男性の宣教師を、その実年齢にかかわらず長老(Elder)、女性の宣教師と会員を姉妹(Sister)、男性会員を兄弟(Brother)と呼称する
*3─証(あかし):イエス・キリストの教えについて個人の経験や思いを証言すること