タバナクル合唱団に加わり，世界中の聖歌隊が歌った総大会

2020年4月に開かれた末日聖徒イエス・キリスト教会の第190回年次総大会では，事前収録された演奏で，世界中の末日聖徒が画面上でテンプルスクウェア・タバナクル合唱団に加わった。

2019年10月の総大会の最後の部会において，教会の大管長であるラッセル・M・ネルソンは，2020年4月の大会が記憶に残るものとなると約束し，閉会の言葉としている。

「2020年の春は，ジョセフ・スミスが最初の示現として知られる神の訪れを体験してから200年目に当たります」とネルソン大管長は述べる。「来年4月の総大会は，これまでのどの大会とも異なるものになります。」

教会にとって最も基本的で重要な出来事の一つであるジョセフ・スミスの最初の示現から200周年を祝い，4月の総大会を歴史的に重要なものとして開催することに加え，コロナウイルスの感染拡大に伴うリスクは，教会の公式合唱団が通常通り生放送で歌えないことを意味していた。

これらの珍しい状況は，事前収録されたテンプルスクウェア・タバナクル合唱団の映像と世界中の末日聖徒からなる聖歌隊が画面上で編集された最近の放送に，より一層の価値を与えることとなった。

日曜午後の部会の閉会にあたり，6つの大陸に住む教会員が「感謝を神に捧げん」を教会の合唱団とともに歌う模様がビデオとして事前に制作され，衛星放送やインターネットのストリーム放送によって教会のチャンネルや公開されているチャンネルで総大会を視聴する世界中の何百万もの人々に届けられた。

ガーナ・アクラ，メキシコ・メキシコシティー，韓国・ソウル，ブラジル・サンパウロ，ドイツ・フランクフルト，ニュージーランド・オークランドに住む末日聖徒が参加し，およそ5分間にわたって皆から愛される教会の賛美歌を歌った。

「ともに歌うことで一致と親密な雰囲気がかもし出されます。孤立して自宅にいるわたしたちすべてに必要なものです」と語るのは，ニュージーランドの教会員であるナタリー・マルチネス・ペダーセンである。

参加した聖歌隊は，賛美歌を英語，ドイツ語，韓国語，ポルトガル語，スペイン語といったそれぞれの母国語で歌った。

もともとはユタ州ソルトレーク・シティー出身のマルチネス・ペダーセンはこのように続ける。「コロナウイルスが世界や総大会にどのような影響を与えるかだれにも分からないうちに，〔この賛美歌は〕深い憐れみをもたらし，まさに必要なときにわたしたちを高め癒す助けとなりました。」

各聖歌隊は，それぞれの国で収録を行った。ドイツ・フランクフルト近郊では，ニッデラウ市ヴィンデッケンにある絵のように美しい歴史的な市場広場を背景に歌い，ニュージーランドではオークランドの海岸で収録が行われた。

「わたしたちは世界中の聴衆が一目見てドイツだと分かる理想的なロケ地を探していました。」こう説明するのは，今年2月にビデオ撮影と音声収録を手掛けた教会のプロジェクトマネージャー，ジュディス・ゲンスターである。

ゲンスターはこう続ける。「歴史的な場所はわたしたちの大会の焦点と合致しました。」

「歴史的な総大会に参加するのに，人生に一度きりのなんという方法でしょうか！」ニュージーランド・オークランドにおいて妻アリサとともにボランティアで教会奉仕宣教師を務めているウォレン・ガブラーはこのように述べた。

ニュージーランドの聖歌隊に加わったガブラー夫妻は，仲間の聖歌隊員とともにバスに乗り，ウェンダーホルム・リージョナル・パークにあるオークランドのビーチの一つを目指した。到着すると，数十人から成る末日聖徒のグループは，事前収録されたタバナクル合唱団のオーディオトラックに合わせて歌う様子を収録した。この模様は後に歌の拍子に合わせて編集された。

「完成品を見るのは興奮しました。このような記憶に残る体験の一部となれたことはすばらしいことです」とアリサは語る。「〔ソーシャルメディア上で〕……人々が感動の涙を流したというコメントを数多く見ました。」

「このような多文化で様々な場所にいる聖歌隊が『感謝を神に捧げん』を歌う様子は，先週末の大会の特に感動的な見どころとなりました。」ソーシャルメディア上でそのように語ったのは，扶助協会中央管理会の一員であるトレーシー・ブラウニングである。「神の子供たちの美しさと多様性に深く感銘を受けました。」

「あなたの小さな声を何か力強いものとなる何かに加えることは非常に謙虚な経験でした」とマルチネス・ペダーセンは述べる。「聖歌隊の一致によって，すなわち世界中の会員と視聴していた皆の声や思いや心に宿る御霊によって大いなるものとなりました。」