日本全国のユニットで実施された「全国奉仕の日」の一環として,広島ステーク徳山ワード*1では,山口県光市に位置する虹ケ浜海水浴場にて清掃活動を行った。
*1─ワードとは,地域の教会が管轄する一定の地理的範囲「教区」を意味する
虹ケ浜海水浴場は波の穏やかな瀬戸内海に面した海岸で,白砂青松の景観と遠浅の海は「快水浴場百選」(環境省・2006年)及び「白砂青松百選」(日本の松の緑を守る会)にも選ばれている。
2019年5月25日,初夏の強い日差しが照り付ける中,会員たちは浜辺に散乱したごみを拾い集めた。熱中症を防ぐため,適宜水分補給を行いながらの清掃活動は10時から12時まで行われた。
ヘルピングハンズの黄色いベスト身に着け,黙々と作業を続ける会員たちの中には,教会の英会話に通っているふたりの男性の姿もあった。長年徳山ワードの英会話に参加してきた堀田知邦(ほりた ともくに)さんは「教会にはいつもお世話になっていますからね。これからも何か活動があればぜひ声をかけてください」と笑う。また,もうひとりの周南市から参加した50代の男性は,教会のボランティアの理念に共感し,参加を決めた,と語った。
2時間の作業で集められたのは,大きなものは流木から,小さなものは流れ着いたプラスチックごみの破片までさまざまである。「だいぶ劣化が進んでいますね」とごみを見て生田一夫(いくた かずお)ビショップ*2がいう。「こういったものが,マイクロプラスチック*3化 されて海に漂い,海洋生物に取り込まれて最終的に人間の体に入る。ごみの捨て方も含めて真剣に取り組んでいかなければならない問題だと思いました」。また,徳山ワードで若い女性*4会長会第一顧問を務める藤井容子(ふじい ようこ)姉妹*5は「これから夏になってたくさんの海水浴客が来られると思うので,ガラス片などの危ないごみを集めて,安全な海水浴を楽しめるお手伝いが出来てよかったです」と汗をぬぐった。
このたびの清掃活動は海岸を管理する光市との連携のもとに行われた。ゴミ袋は市から提供されたものを利用し,集めたごみは後日,光市環境部環境事業課によって回収された。徳山ワードでは,これからも地域との関係を築きながら奉仕活動を持続していきたいと考えている。
また,この度参加した堀田さんは活動に感銘を受け,後日徳山ワードの英会話クラスでは,英語学習の一環として堀田さんによる英語の活動レポートが配付された。
*2ービショップとは,地域の教会「ワード」の代表者。専任の聖職者ではなく無給のボランティアとして,教会に来る人々や宣教師を助ける
*3-自然環境に存在する微小なプラスチック粒子。現在海洋環境において極めて大きな問題になっている。海洋生物がマイクロプラスチック自体とそれに付着した有害物質を摂取し、生物濃縮によって海鳥や人間の健康にも影響を与えることが懸念されている(ウィキペディアより)
*4ー末日聖徒イエス・キリスト教会の12歳から17歳までの少女が所属する組織。イエス・キリストに対する証を築き, 将来, 教会の女性として, また社会に貢献する一員としての役割を果たすための技能を学ぶのを助けることを目的としている。
*5ー教会では,すべての人が神の子供たちであるとの教えから,男性を兄弟(Brother),女性を姉妹(Sister)と呼称する