ニュースリリース

名古屋ステークのシングルアダルト,名古屋養育院の子供たちを訪問

 

2019年12月15日,愛知県名古屋市南区にある児童養護施設,名古屋養育院にて名古屋ステーク*1のシングルアダルト*26人によるクリスマス会が開かれた。

15日の午後,施設の少し大きめの部屋で兄弟姉妹が計画するクリスマス会はスタートした。はじめにエマ・ゴダード姉妹のリードでジングルベルが歌われた。続いてプロジェクターで壁に映された歌詞を見ながら,子供たちも一緒に元気な声で歌った。

 

続いて,山口貴大兄弟*3の指導で「人間知恵の輪」というグループに分かれて手をつなぐゲームを行った。3歳から15歳まで、35人ほどの子供たちが,年齢も背の高さも関係なく6人の兄弟姉妹と一緒に遊んだ。ゲームは単純でも子供たちと兄弟姉妹との距離はぐっと縮まり,広い部屋の中に参加者の笑い声が満ちた。

 

名古屋養育院は昭和21年,戦後間もない時期に別の団体の児童養護事業を引き継ぐ形で創設された。いわゆる戦争孤児,両親だけでなく親類をも亡くした身寄りのない子供たちをこのような施設で預かっていたのがはじまりである。職員の方によれば,最近では親に虐待された子供を預かることが増えてきているという。

一口に虐待といっても様々な状況がある。食事を与えなかったり,入浴をさせなかったりする育児放棄の状態にあたるネグレクトや,言葉でダメージを与える精神的な虐待,暴力を与える身体的な虐待,性的な虐待がある。実際に親から「死ね」と言われたり,包丁をつきつけられたりした子どももいる。

虐待以外でも,親が精神疾患や病気をかかえている場合や,金銭的な問題,ごくまれに親が刑務所に入っていて育てられないケースもある。 

 

トナカイとサンタクロースに扮した兄弟たちが現れると,子供たちの目がいっせいにそちらに注がれた。サンタクロースが肩に担いでいた大きな白い袋からささやかなプレゼントが子供たちに手渡される。前日の14日に当日参加できない兄弟姉妹が10名ほど集まって作ったもので,サンタクロース型に折ったクリスマスカードが入ったお菓子の詰め合わせだ。小さい子から順番に笑顔で受け取った。最後にトナカイとサンタクロースの周りに子供たちが集まって皆で記念写真を撮った。

 

サンタクロース役を担当した坂本欣也兄弟はクリスマス会を終えて「今年は子供たちがフレンドリーに接してくれました。去年は私たちが劇をして、それを子供たちに座って観てもらっただけだったけど、今年はゲームが優先だったので子供たちも参加してくれて良かったです。サンタクロースの姿になった時に『抱っこして!』『握手して!』とか,子供たちが愛情を求めてきて、あれはもう,もっと何かしてあげたい,と思いました」と慈愛が増していくような笑みで喜びをあらわした。

入所している子供たちを支援するためにできることについて,職員の方からは「…児童養護施設を知ってもらうことかなと思います。世の中では虐待されたまでしかニュースにはならないです。その先に児童養護施設で,親元を離れて悲しいとか,辛い気持ちを抱えながらも一生懸命に生活している子供達がいる。ここで高校生くらいまでいる子供は,その後社会に出たら一人暮らしをしていかないといけないので,少しでも児童養護施設の存在を,一人でも多くの人に知ってもらうことが一番かなとは思います」という声が聞かれた。

名古屋養育院ウェブサイト

*1 シングルアダルト 31歳以上の独身の成人会員。30歳まではヤングシングルアダルトと呼称する。

*2 ステーク 地元の会員の集まりである「ワード」が集まって構成される, より大きな地域的組織

*3 兄弟 教会では,すべての人が神の子供たちであるとの教えから,男性を兄弟(Brother),女性を姉妹(Sister)と呼称する

書式ガイドの注釈:末日聖徒イエス・キリスト教会に関する記事で,教会の名称を最初に引用する際には,正式名称を使うようお願いいたします。教会の名称の引用に関する詳しい情報は,こちらへ: 書式ガイド書式ガイド.