ニュースリリース

「あなたがたは、わたしが空腹のときに食べさせ[てくれた]

2019年クリスマスのこの時期、東京第一ワードの会員たちはハーベストパントリーの活動を通して空腹な人たちに食料を提供しいる。

 

12月21日土曜日の朝10時、東京広尾にある末日聖徒イエス・キリスト教会アジア北地域オフィスのロビーでは、塚越和子姉妹が受付カウンターにもたれて、今か今かと待っていた。塚越姉妹たち6人は、すぐにもやって来る人々のために、1時間前から食べ物を黄色いプラスチックかごに詰めていた。ロビーにあるクリスマスツリーを見ながら、塚越姉妹はもうすぐ会える子供たちのことを思っていた。

突然ガラスのドアが開いたかと思うと、元気のいいお母さんが二人、オフィスに入ってきた。そのうちの一人は、冷たい朝の空気の中で巻いていたマフラーを外し始めた。

「いらっしゃい。よく来てくださいました」と、塚越姉妹は元気に声をかけた。塚越姉妹には二人に見覚えがあった。二人は友人同士で、以前にも一緒に来てくれたことがあったのだ。他のボランティアが二人をかごの置かれているところに案内し、二人のために用意されたかごを見つけた。

「食料を差し上げるハーベストパントリーはひと月に一度行っています」と塚越姉妹は説明する。「普段5家族くらいが食べ物を受け取りにいらっしゃいます。ほとんどが子供を持つ一人親です。このサービスを受けるためには、市役所で証明書を発行してもらう必要があります。食料を受け取る際に証明書を提示して、このサービスを受ける資格があることを示すためです。食料の受け取り場所は市役所が教えてくれます。東京では、松戸ワード、ひばりが丘ワードと、この第一ワードで毎月一度食料が提供されます。他にもこのサービスに参加しているキリスト教会はたくさんあって、50か所ほどあります。」

フードパントリーを組織し、食料を提供するのは、セカンドハーベストというNPOである。その目的は、食品廃棄物の量を減らし、法定貧困レベル以下の生活を送っている人々を支援することにある。驚くべきことに、失業率が2パーセント前後しかなく、求人数が求職者数を上回っている日本でさえ、人口の16パーセントを少し上回る2,000万人が貧困者とみられている。その一番の被害者が社会の弱者である。子供を持つ一人親世帯の50パーセントが貧困レベル以下の生活を送っている。また、高齢者と障がい者も貧困に陥りやすい。

セカンドハーベストは、賞味期限内の安全な食品を生産者、小売店、農家、個人から寄付してもらい、様々なルートを通して分配している。直接福祉団体、児童養護施設、教会などにおろして必要としている人たちに届くようにもしている。食品の分配にはボランティアの手が欠かせない。

末日聖徒イエス・キリスト教会はセカンドハーベストの取り組みを支援し、大型冷蔵庫、事務機器などの基本設備の購入資金を寄付している。

フードパントリーが提供する食品を受け取るのは教会員ではない。困っている会員に対して教会は、断食献金を使って食品を援助している。教会員は毎月第一日曜日に2食を食べずに過ごし、その分の金額を困っている人のために寄付するのが断食献金である。毎月、日本中で困っている多くの家族が食物を受けている。

二人のお母さんがいなくなると、今度は娘を連れたシングルマザーが入って来た。この4歳の女の子の笑顔で部屋も、そして6人のボランティアの心も明るくなった。、このお母さんはクリスマス前に食料を得ることができたことに感謝の気持ちを口にした。

塚越姉妹は言う。「皆さんの笑顔を見るのが好きです。皆さんいつも、食べ物を受け取ったことにとても感謝されるんです。特に青少年が手伝ってくれるときはそうです。東京第一ワードは英語のワードですが、彼らはいつも日本語で話そうとします。それが来た人たちの笑いを誘って、がんばって日本語を話そうとする彼らに心から感謝します。それから、そばの広尾駅には地上に通じるエスカレーターがないので、若い男性が食料品を駅の改札口まで運ぶと本当に助かると感謝されます。幼い子供連れのお母さんは特に喜んでいます。」

塚越姉妹が教会員となったのは2003年。ニューヨーク州ロチェスター郡で働いていたときだ。特別支援教育の教師として働いていた学校に数人の教会員がいたが、彼らから教会に誘われたときは驚いたと言う。そして、教会に出席してさらに驚いたのは、男性も女性も、教会員として経験したことを分かち合う彼らが喜びの涙を流しているのを見たときだ。自分も同じ幸福を感じたいと思ったそうだ。

「空腹の人を助けることはすばらしい経験です。お手伝いできてとてもうれしく思います。天のお父様が、食べ物に困っている人たちを見守っておられることを知るのはとてもうれしいことで、お父様のお役に立つことができて感謝しています。」

「そのとき、正しい者たちは答えて言うであろう、『主よ、いつ、わたしたちは、あなたが空腹であるのを見て食物をめぐみ、かわいているのを見て飲ませましたか。』

すると、王は答えて言うであろう、『あなたがたによく言っておく、わたしの兄弟であるこれらの最も小さい者のひとりにしたのは、すなわち、わたしにしたのである。』」(マタイ25:37、40)

書式ガイドの注釈:末日聖徒イエス・キリスト教会に関する記事で,教会の名称を最初に引用する際には,正式名称を使うようお願いいたします。教会の名称の引用に関する詳しい情報は,こちらへ: 書式ガイド書式ガイド.