ニュースリリース

歴史的文書、フリードメン・ビューロのデータベースを国立アフリカン・アメリカン歴史文化博物館に寄贈

クリストファーソン長老がスミソニアン博物館のイベントに出席

世界最大の系図団体、ファミリーサーチ・インターナショナルは、歴史的価値のあるフリードメン・ビューロ文書から索引化したデータベースの最新版をワシントンD.C.にある国立アフリカン・アメリカン歴史文化博物館に寄贈した。このデータベースは、南北戦争後に解放されたアフリカ系アメリカ人の系図情報を含んでいる。

 

末日聖徒イエス・キリスト教会の十二使徒D・トッド・クリストーファソン長老は、会場に集まった指導者、系図の専門家、そして、このプロジェクトの成功のカギを握ったボランティアの人々が見守る中、フラッシュドライブに保存されたデータベースを国立アフリカン・アメリカン歴史文化博物館創設以来の館長であるロニー・バンチ氏に手渡した。2016年12月6日、火曜日の朝であった。

「これまでに例を見ないほど熱心にこのプロジェクトに携わってくださったボランティアの方々の献身と、現在、この記録によって発掘された勇気ある人々の名前とその復元を祝うために、今、このデータベースを国立アフリカン・アメリカン歴史文化博物館に寄贈する以外の最良の方法を思いつきません」とクリストファーソン長老は語った。

博物館は今年9月24日に3日間の祝賀会を経て開館した。

クリストファーソン長老は続けて、「アフリカ系アメリカ人が自由と奴隷の溝に橋をかけ、かつて、奴隷制度によって引き裂かれた家族関係を書面を通じて正式な家族として再編するという、歴史上初めての機会を得ました」と述べた。

バンチ氏は次のように語った。「フリードメン・ビューロプロジェクトとの協同は、家族歴史に対するわれわれの思いを物語っています。南北戦争の終戦間近、かつて奴隷であった人々は家族との再会を望んで相当な距離を旅しました。フリードメン・ビューロ文書には、彼らが築いた家族とその歴史を再びよみがえらせたいという彼らの思いが詰まっており、それを理解するためになくてはならないものです。」

 

「近代文明であるデジタル化、そして、ウェブベースのテクノロジーとボランティアの方々の力の結集により、フリードメン・ビューロプロジェクトはアフリカ系アメリカ人家族の歴史と、アメリカ国家史上改革の時代にあった当時の情報を開示してくれました」と語ったのは、博物館の系図専門員、ホリス・ジェントリー氏。「ウェブを通してこの情報が世界中で利用可能になることで、過去の出来事に対するわたしたちの理解力も広がることでしょう。」

ここ数年、2万5千人のボランティアがカナダと合衆国の両国でこのプロジェクトに携わった。そのおかげで、奴隷であった4百万人の記録の中から、180万人近くの名前が明らかにされた。

このプロジェクトの成功のカギとなったのは、全国にあるアフリカ系アメリカ人歴史・家系協会の支部が、地元のモルモン会員、黒人教会、そのほか100以上の索引作成イベントと結んだパートナーシップである。

1つの記録に対して二人のボランティアが索引作成を行い、経験あるボランティアである確認者によって三度目の確認と最終決定がなされた。

ファミリーサーチが提供した索引・記録スキャンを使用し、国立アフリカン・アメリカン歴史文化博物館はスミソニアン・トランスクリプションセンターとの共同作業によって、オンラインプラットフォームの構築を始めた。このオンラインプラットフォームにアクセスしたボランティアは、記録をデジタル化したり、スミソニアンコレクションの中にある転写記録と照らし合わせて再調査できるようになる。フリードメン・ビューロ・トランスクリプションプロジェクトでは、所持している記録のすべてを一語一句転写する。この作業は、ファミリーサーチのボランティアによって作成されたフリードメン・ビューロの索引記録を補完するものとなる。この過程の完了後、記録はオンライン上で閲覧できるようになる。2つの機関の共同作業が、フリードメン・ビューロ文書へのアクセスを増加させ、「レコンストラクション」(注)時代のアメリカの歴史について学ぶ機会を多くの人に提供するのである。

注):アメリカ南北戦争によりアメリカ連合国と奴隷制システムが崩壊した後の問題を解決しようとする、1863年(または1865年) から1877年までの過程を意味するアメリカ合衆国史(ウィキペディアより)

フリードメン・ビューロは、南北戦争終結時にくだされた1865年の議会令により組織され、奴隷解放のためのさまざまな方法を提供した。この時代、手書きで残された記録には、結婚証明書、医療機関での患者登録・入院証明書、教育関連の証明書、国勢調査、労働契約書、証書、奉公証明書やその他の書類がある。文書は、全米15州とコロンビア特別区で編纂されている。

個々の記録は統一形式で記録されていたわけではなく、それが索引作成を困難にしたとクリストファーソン長老は述べた。「これらの記録の中には、登記簿、手書きのもの、単なる文字の羅列もあります。この時代の手書き記録の解読は、経験のある方はご存知かと思いますが、非常に困難を極めます。」

アフリカ系アメリカ人はdiscoverfreedmen.orgからフリードメン・ビューロー文書に無料でアクセスできる。

ファミリーサーチのマーケティング部長、トム・リード氏は、「今後は、このデジタル化された新しい記録の検索方法を周知し、家族と失われた世代とを結びつける助けをすることにフォーカスしていきます」と語った。

クリストファーソン長老は、次のように付け加えた。「わたしたちの教会の極めて重要な信条の一つに、家族はこの世でもまた来る世でも永遠に結びついているというものがあります。先祖の歩んだ道、彼らの感じた喜び、払った犠牲を知ることは、わたしたちが何者であり、どんな才能を受け継いでいるかを理解する助けとなります。非常に貴重な財産です。」

ファミリーサーチは、末日聖徒イエス・キリスト教会後援の非営利団体である。世界最大の系図団体として、先祖探求のための膨大な記録を公に提供している。

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