YSA コネクトがスタートしてから非常に短い期間に、それは単なるスケジューリングやイベント情報を提供するツールではなく、人々を互いに、そしてキリストに結びつけるリソースとなりつつある。
YSA コネクトが日本国内のさまざまな地域にいる多数のYSAを受け入れて2年余りが過ぎた。YSA コネクトのプラットホームでは、ユーザーが「サークル」と呼ばれる多くの活動グループを作ることができる。特定の興味や趣味を持つ人を集めるためにYSA コネクトではサークルを即座に作ることができ、他のユーザーが自由にサークルに参加することができる。活動を中心に行うサークルもあれば、信仰を育むためのサークルもある。サークルの内容は多岐にわたり、必ず自分に合ったサークルが見つけられる。
YSAコネクトがYSAにとって使いやすく便利であるだけでなく、それを利用して他の収穫を得ている人もいる。例えば、プロポーズして結婚に至ったというカップルの例もある。独身時代、安奈と久保嘉則はそれぞれ別にYSAコネクトに参加することを決めた。彼らは互いに面識はなく、住んでいる場所も遠く離れていたが、YSA コネクトに参加することで知り合った。最初はサークル活動に参加しているだけであったが、徐々に互いに惹かれるようになった。
嘉則は自身の経験をこう語る。「わたしたちが出逢ったのは丁度コロナ感染症が広がっている頃でした。ですから、活動などもYSAコネクトに関連するオンラインのもののみが行われていました。通常であればそのような環境で結婚相手を探すのは難しいと思われるかもしれませんが、わたしたちにとってはそれがプラスに働きました。もしもコロナ下におけるオンライン活動がなければ、距離の離れたところに住んでいた妻と出逢うことはなかったと思います。どのような状況においても、主の御心であれば事がなされるという証にもなりました。霊感を受けてYSA コネクトや時宜にかなった集会や出会いの場を設けてくださった指導者の皆さんに感謝しています。」
安奈は当時のことをこう語る。「YSAコネクトが始まったとき、オンラインで様々な活動をして各地のYSAと関わる機会に大きな可能性を感じました。誰でも、グループを立ち上げることのできるサークルでは、二つサークルを立ち上げ、その一つで今の夫と出会いました。初めてオンラインで知り合った際は、それぞれの住む場所が離れていたこともあり、サークル以外で関わることになるなどとは想像もしませんでした。交流を重ねる中で共通の関心事を持っていたことで次第と距離が縮まりました。実際に会う機会は限られていましたが、面識が全くなく、共通の知り合いもいなかったことでお互いへの先入観を全く持たずに知り合うことができました。当初お互い何の共通点もないように思えたのですが、結婚してみると価値観がとても合っていることに驚きました。まずは前に踏み出すことが大切だと改めて感じる機会ともなりました。」
このような経験は、安奈と嘉則に限ったことではなかった。異なる祝福を受け自分の願いが叶えられたYSAがいる。守谷望里姉妹は特別な経験をこう語る。2年前、守谷姉妹の両親はバプテスマを受けた。その頃、何年も前に家族で最初に改宗した妹は、専任宣教師として奉仕していた。妹、両親の改宗を目にするが、彼女自身は神様がいるという確信を持つことができず、すぐに教会に加わることはなかった。しかし彼女は家族や宣教師から福音を学び、モルモン書を読んで祈ることを続けていた。「この記録を受けるとき、これが真実かどうかキリストの名によって永遠の父なる神に問うように、あ なたがたに勧めたい。もしキリストを信じながら、誠心誠意問うならば、神はこれが真実であること を、聖霊の力によってあなたがたに明らかにしてくださる。(モロナイ書10章4節)」妹に教えてもらっ た聖霊とはどんなものなのだろうか、そんなことを考えていた。
そんなある日、当時専任宣教師だっ た妹が、YSAのためのオンライン活動(YSAコネクトの前身)について守谷姉妹に紹介した。同年代の人と交わる良い機会で楽しそう、というのが最初の印象だった。そのオンライン活動 を通して多くのYSAの友だちができた。共に聖典を読み、学びを分かち合う機会はその後の福音学 習のモチベーションになった。彼らの影響を受けてより自発的に聖典を読むようになり、福音に対す る関心はさらに増していった。朝6時に起きて会社に行く前に聖典を読むことが日課になり、守谷姉妹の毎日の楽しみとなっていった。YSAの活動に参加しはじめてからモルモン書を学んでいる人は自分だけではないことを知った。話し合いの機会があることで深く考える時間を持つことができ、モルモ ン書に対する理解が深まった。その頃から守谷姉妹の心に変化が生じた。毎日聖典を読み、深く考 え、祈ることで心が穏やかになり、人に優しく接することができるようになっているのを感じた。また、聖典を読み、ともに祈りの時間を取ることで確実に家族の絆が強くなっていた。このような変化を経験し、守谷姉妹はモロナイ書10章4節で約束されているように聖霊の力によって神様がいるという確信を得た。
2020年12月13日、守谷姉妹はバプテスマを受け、末日聖徒イエス・キリスト教会の会員として確認を受けた。彼女は「バプテスマを受けた時、心に温かいものを感じました。それは聖霊だったと知っています」と話した。第二ニーファイ32章のニーファイが人々に聖霊について教えている場面の聖文を分かち合った。守谷姉妹の経験は、神はわたしたち1人ひとりをご存じで、わたしたちすべてを愛してくださっているという証をわたしたちは聖霊を通して得ることができることを思い起こさせてくれる。