ニュースリリース

手話を通じて交流と信仰を深める

2025 手話カンファレンス in 岡山

2025年3月22日(土)~23日(日)の2日間、岡山県の岡山ステーク*1・岡山ワード*2で「2025 手話カンファレンス in 岡山」が開催されました。
   
末日聖徒イエス・キリスト教会の会員であるろう者と手話を学んでいる会員が日本全国から岡山の地に集いました。ろう者の会員にとっては、日頃直接会う機会のないろう者どうしの親睦を深め、信仰を強める機会となりました。また、手話を学んでいる会員たちは、ろう者の会員たちとの交流を通して手話力を向上させる機会が得られました。
以下に、参加者から寄せられた2日間のレポートをご紹介します。
    
特質を生かして楽しむ時間
「手話カンファレンス1日目は22日午後から始まりました。最初に行われたプログラムは 井上正之・幸子夫妻(松戸ステークつくばワード)が企画した『モルモン*3書手話語り』です。10名のろう者がモルモン書の場面を手話で演じました。出演者が身体全体で聖文を表現する様子は、まるでモルモン書の示現を見ているようでした。ろう者の表現力は、聴者のそれを遥かに超えている、と感じさせられました。
    
手話語りの後は、CODAとして育った遠藤 孝姉妹*4(神奈川ステーク神奈川ワード)による基調講演が礼拝堂で行われました。CODA(コーダ)とは『Chidren of Deaf Adults』の略で、ろうの親から生まれた聴者を指します。
遠藤姉妹は『ろうの母親から厳しく躾られたが、今は両親から受け継いだ手話の才能に感謝している』と母を讃え、自身の半生における手話活動について語りました。
    
夕食後に行われた親睦会では、ジェスチャーゲームで盛り上がりました。『金太郎』というお題を与えられた人が、しばし考えた後『ひし形の腹巻』を手話で表現。それを見た会場の人々も一斉に『金太郎!』と手話で叫ぶ……熱気と一体感あふれる楽しい時間となりました。」
   
聖餐の讃美歌
聖餐の讃美歌
2日目、聖餐の讃美歌を手話で歌う様子 2025 by Intellectual Reserve, Inc. All rights reserved.
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日本で初めての手話聖餐式
「手話カンファレンスには、井上夫妻が連絡を取っていた米国のろうの家族4名と韓国のろう者1名も参加しました。彼らとの交流を通して出席者はアメリカ手話に接することができ、国際交流を楽しみました。言語が違ってもある程度まで通じ合える手話の便利さを感じる機会でした。
2日目の日曜日、米国から来日したろうのカトリーナ・トレベン(Katrina Treven)姉妹が、日本文化と福音の関連について語りました。彼女の息子で、札幌伝道部(後半は仙台伝道部)から帰還したケラン(Kelan)兄弟が、カトリーナ姉妹のアメリカ手話を、日本手話と日本語を話しながら通訳しました。参加者は興味深い話の数々に目と耳を傾けました。
     
カトリーナ姉妹の話の後、日本で初めて、ろうの神権者による手話の聖餐式と証会が行われました。管理者は岡山ステーク会長会・広兼孝一第二顧問、司会は岡山ワード・ビショップリック*5の河本直也第二顧問が務めました。43名が出席し、多くのろう者が証しました。
    
昼食と歓談の後、手話講習が行われます。上級クラス(指導・遠藤孝姉妹)、初級クラス(指導・島本麻衣子姉妹・広島光ワード)、国際交流クラス(司会・井上幸子姉妹)の3クラスが開講されました。聴者会員達の手話技能のレベルアップは今回のカンファレンスの主目的の一つで、それぞれのクラスに分かれた参加者たちは熱心に技能習得に励みました。」
    
  
2日間の日程を終えた参加者はこう述べて締めくくります。
   
「ホストを引き受けてくれた岡山ステーク及び役員の皆さんに心から感謝します。このカンファレンスを通じて『これからは、ろう者自身が、ろうのお友達をキリストのみもとに招くことで、イスラエルの集合*6の業を担うことになる』という気持ちを強く感じることができました。」
   
  
*1 ステーク 地元の会員の集まりである「ワード」が集まって構成されるより大きな地域的組織。
*2 ワード 地域の教会が管轄する一定の地理的範囲「教区」のこと。
*3 モルモン書 古代アメリカに住んでいた預言者が記録、編集した、古代アメリカの人々に対する神の導きの記録。イエス・キリストについて、聖書に書かれている真理を確認するもうひとつの証である。預言者ジョセフ・スミスが神の賜物と力によって金版に記された記録を翻訳した。詳しくはこちら
*4 兄弟、姉妹 末日聖徒イエス・キリスト教会では、すべての人が神の子供たちであるとの教えから、男性を兄弟(Brother)、女性を姉妹(Sister)と呼称する。
*5 ビショップリック ビショップ(「ワード」の代表者)と顧問で構成される。ワードを管理し、会員を導き世話をする組織。
*6 イスラエルの集合 古代から現代にいたる預言者は、散らされた主の聖約の民は再び集められると宣べている。現代においての集合は人々が福音を受け入れ,儀式を受け,聖約を結ぶという形で行われている。

書式ガイドの注釈:末日聖徒イエス・キリスト教会に関する記事で,教会の名称を最初に引用する際には,正式名称を使うようお願いいたします。教会の名称の引用に関する詳しい情報は,こちらへ: 書式ガイド書式ガイド.