ニュースリリース

瀬戸内の島で英語教師として働く元宣教師

日米で変わらない主の御霊を感じて―マシュー・アルテンバーグ兄弟

「初めて任地を聞かされた時は、ショウドシマ?島?どこ?という感じで、全く見当がつきませんでした」と笑うマシュー・アルテンバーグ兄弟*1(四国地方部高松支部)は、米国・カリフォルニア州出身です。2024年7月に来日し、瀬戸内海に浮かぶ小豆島で英語教師として働いています。
   
アルテンバーグ兄弟と日本との関わりは2018年に末日聖徒イエス・キリスト教会のティーチング宣教師*2として、東京北伝道部に赴任したことから始まります。アルテンバーグ兄弟にとって、日本は初めて訪れた外国でした。日本語を使って人々に福音を宣べ伝える「大きな冒険」を経験したアルテンバーグ兄弟。帰還する際「また日本に戻ってきたい」と思ったそうです。「日本で宣教師として働いたので、次はもう一度日本に住んで、宣教師ではできない経験をしてみたいと思いました。」通っていた大学のジョブカンファレンスで日本での英語教師の仕事を見つけ、卒業後、再び日本にやってきました。
  
  
日本とアメリカ、学校の違い
現在、島の小中学校で英語を教えているアルテンバーグ兄弟。日本の学校で驚いたのは「先生たちがみんなスーツを着ていることです。アメリカの学校でいつもスーツを着ているのは校長先生だけ。教師はみんなTシャツなどラフな格好ですね。」それでも教える子供たちは米国も日本も変わりません。「ときどきちょっとにぎやかすぎる(笑)でも大丈夫です!」
  
3月、小豆島から転勤する先生たちはフェリーに乗り、港に集まった教え子たちに見送られながら島を後にします。たくさんのテープが舞う別れの場面をアルテンバーグ兄弟は携帯のカメラに収めました。「すべての生徒がバイバイ!と叫んでいて、あたりに優しい空気が満ちていました。(お別れのテープは)小豆島で最も好きな文化の一つですね。」
  
休日には小豆島の観光地を巡り、特産のそうめんや醤油アイスクリームを賞味するアルテンバーグ兄弟。伝道中には行けなかった、ある場所にも行くことができました。「温泉と、ゲームセンターです(笑)温泉は気持ちがよかったけど、他の人々と一緒に裸でお風呂に入るのは初めての経験で、少し恥ずかしかったです。」
  
  
小豆島での教会員生活
瀬戸内海で二番目に大きな小豆島には25000人を超える人々が住んでいますが、活発な教会員はアルテンバーグ兄弟だけです。最寄りの教会は、自宅から2時間半ほどかかる場所にある高松支部で「7時に起きて船に乗って、9時50分に高松支部に着きます。帰るときも2時間半かかるので、少し大変ですね。」
教会に出席することはアルテンバーグ兄弟の信仰生活にとって大切な要素です。「初めて訪れた日本は、アメリカとは全く違う場所でした。私は少し神経質になっていましたが、日本の教会に行ったときとても安心したんです。アメリカの教会と同じ聖霊*3がそこにはあったから。」
往復5時間の距離を毎週教会に通うことは難しく、教会に行けないときは自宅からズームで聖餐会*4に出席しています。家にいても高松の会員たちの話を聞けることは素晴らしいけれど、教会に出席するのとは少し違うとアルテンバーグ兄弟は言います。「私にとって、オンラインで聖霊を感じることは難しいことです。」
  
四国YSA集合写真
四国YSA集合写真
2025年3月1日に行われたYSA活動。小豆島の景勝地、寒霞渓のロープウェイ乗り場前にて。最後列右から2人目がアルテンバーグ兄弟 2025 by Intellectual Reserve, Inc. All rights reserved.
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四国地方部YSAの活動計画――小豆島に行こう
2025年1月、四国地方部のヤングシングルアダルト(YSA)*5は小豆島での活動を企画しました。きっかけは、普段なかなか教会に来られないアルテンバーグ兄弟を案じる同じ高松支部のYSAからの提案でした。観光地として知られる小豆島を散策しながら、アルテンバーグ兄弟と四国地方部YSAの交流の機会を持てたら……企画はすぐに立ち上がり、四国地方部YSA代表の兄弟姉妹は各支部を訪問し、アルテンバーグ兄弟との交流を中心とした小豆島での活動を紹介します。
こうした呼びかけが実を結び、参加申し込みは四国全県から30人以上に上りました。参加者の中には四国の大学に留学しているフィリピン人会員や米国人の親を持ち英語が堪能なYSAなど、多くの英語話者の会員もいました。
   
3月1日、四国地方部のYSAはチャーターしたバスで霧に包まれた港を出発し、小豆島へ渡りました。小豆島の観光地のひとつであるオリーブ公園でアルテンバーグ兄弟と合流し、お昼の活動を行ってからバスで島の観光地を巡ります。「小豆島はどう?」「趣味は何ですか?」YSAのメンバーは口々にアルテンバーグ兄弟に話しかけます。英語と日本語が飛び交うにぎやかな車内。愛媛県・東予支部から参加した岡田真生兄弟はアルテンバーグ兄弟が参加した後の天候の変化が心に残っているといいます。「朝から深い霧が出ていたのが、マシュー兄弟と公園で合流してからどんどん晴れていって……一番活動で焦点が当たっている人が参加したとたんに晴れた、というのがすごく印象的で思い出深いですね。」
   
YSAの活動を振り返って、実は、とアルテンバーグ兄弟はほほえみます。「その日巡った観光地は、すべて行ったことがある場所でした。でもそれは問題ではないです。彼らと一緒に過ごしたとき、教会に行ったのと同じ御霊を感じました。私にとってはそれが大切なことでした。」
  
  
異国の地で信仰を守る
母国を離れて日本で暮らすアルテンバーグ兄弟は今、自分の信仰を守る方法について学んでいます。
「伝道中は同僚がいて、大学の時も教会員の友達がたくさんいました。そこで信仰を守ることは難しくなかった。今、人生で初めて毎週教会に行けない生活を経験して、祈ること、聖典を読むことの大切さを実感しています。」
そして御霊を感じるために、もっと教会に出席しようと考えています。
「毎月1回は高松支部に出席することが私の目標です。高松支部の会員たちも助けてくれます。アパートに泊まっていいよ、と言ってくれたり、フェリー乗り場まで車で送ってくれたり。彼らからミニスタリング*6の精神を感じます。」
日本の地で主とともに歩む、アルテンバーグ兄弟の二度目の冒険は、もうしばらく続きます。
  
  
*1 兄弟、姉妹…末日聖徒イエス・キリスト教会では、すべての人が神の子供たちであるとの教えから、男性を兄弟(Brother)、女性を姉妹(Sister)と呼称する。
*2 ティーチング宣教師…「見つけ、教え、バプテスマを施す」ことを目的として伝道活動を行う宣教師。通常、志願者のうち18歳~25歳までの独身男性は24カ月、19歳から29歳までの独身女性は18カ月の間、十二使徒により割り当てられた任地で奉仕する。
*3 聖霊…天父、イエス・キリスト、聖霊で構成される神会の第三の御方。霊の御方であり骨肉の体は持っておられない。天父とイエス・キリストの使者であり証人。神はその子供たちに聖霊の影響力と力を通して語られる。詳しくはこちら
*4 聖餐会…末日聖徒イエス・キリスト教会で安息日(日曜日)に行われる礼拝行事。イエス・キリストの贖いの犠牲を記念してパンと水を取る「聖餐」の儀式が行われる。
*5 YSA(ヤングシングルアダルト)…末日聖徒イエス・キリスト教会において18歳~35歳の独身成人会員を指す呼称。
*6 ミニスタリング(Ministering)イエス・キリストが行ったように,人々の必要をよく見極めて一人一人に仕えること。キリストの弟子であるクリスチャンの奉仕の理念である。

書式ガイドの注釈:末日聖徒イエス・キリスト教会に関する記事で,教会の名称を最初に引用する際には,正式名称を使うようお願いいたします。教会の名称の引用に関する詳しい情報は,こちらへ: 書式ガイド書式ガイド.