2025年6月7日〜8日、京都の同志社大学にて、「対話的な人間の尊厳:法と宗教の視点」と題された国際会議が開催され、学術界および宗教界の指導者たちが集まりました。この会議は、同志社大学の「一神教研究センター」とブリガム・ヤング大学の「国際法と宗教研究センター」の共催で行われ、人間の尊厳を支える共通の価値観について、さまざまな伝統を持つ参加者たちが意見を交わしました。

末日聖徒イエス・キリスト教会を代表して、アジア北地域会長会のクリストファー・H・キム長老が、仏教、ユダヤ教、カトリックの宗教指導者たちとともに、プロテスタント系大学である同志社大学にて「人間の尊厳に関する宗教的視点」について語りました。
キム長老は、人間の尊厳は信仰、国籍、背景に関係なく、すべての人に備わる固有の価値に根ざしていると強調しました。人間の尊厳の核心には、「信じること、礼拝すること、そして自らの良心に従って生きる権利」があると述べました。彼は末日聖徒イエス・キリスト教会の「信仰箇条第11条」を引用し、人々が自ら選んだ方法で礼拝する権利を認めていることを紹介しました。そして、宗教的表現に対する制限が増す現代において、この自由を守ることがかつてないほど重要であると明言しました。
またキム長老は、2024年にモンゴルで開催された画期的な宗教間会議についても振り返りました。この会議は、ブリガム・ヤング大学の国際法・宗教研究センターと、現地の宗教・学術機関の共催で行われました。「私たちは教えるために行ったのではなく、学ぶために行ったのです」と述べ、多様な信仰の間で相互尊重と理解が深まったことを語りました。彼はこの会議から得た3つの重要な教訓として、「相互尊重の力」「共通の声の力」「宗教の自由を推進する上での地域リーダーシップの重要性」を挙げました。
対話にとどまらず、キム長老は人道支援を「人間の尊厳を表す神聖な行為」として強調しました。彼は、2024年だけで教会が世界192の国と地域において、災害救援、教育、清潔な水、医療支援などに14億5千万ドルを拠出したことを紹介しました。人道支援における宗教間協力の重要性を強調し、カトリック救援サービス、カリタス・インターナショナル、世界仏教徒連盟、日本仏教連盟、慈済基金会、ワールド・ユダヤ・リリーフなどとの連携を紹介しました。特に日本では、2024年の能登半島地震の復興支援において、宗教間の協力が希望を取り戻し、地域社会の再建に貢献した例を挙げました。「宗教機関は、最も良い形であれば、人々の命綱となる存在です」と述べました。
キム長老は最後に、今後ますます宗教間の協力を続けていきたいと呼びかけました。「私たちが力を合わせれば、困っている人々をもっと助けることができます」と締めくくりました。