2024年7月27日、シングルマザーと子どもたちが名護湾の市立公園にあるビーチに集まり、ゴミ拾いを行った。この奉仕活動は名護市母子寡婦福祉会にとって、今年で3回目となった恒例集会イベントである。1969年4月に結成された同福祉会は当初、戦争未亡人たちが集まり、同じくひとり親となった母親たちを救済するための集まりであった。このビーチクリーン活動は、新型コロナウイルスの蔓延による休校、学校行事のキャンセルなどで、子どもの活動の場がなくなり、落ち込む子どもたちとその母親たちを元気づけるために、コロナの流行が落ち着いた頃にスタートした名護市母子寡婦福祉会の活動の1つである。
前会長の岸本能子は夫を亡くした後、寂しさ、そしてひとり親や未亡人に特有のその他の困難を経験した。そして岸本自身も、シングルマザーや未亡人であるその他の会役員と同様に、シングルマザーに特別な思いを寄せる。
歴史的に、死別や離婚などで母親が夫を失うと、母親の両親や兄弟が支援の手を差し伸べてきた。近年では、シングルペアレントを受け入れない家族が多くなっており、多くの母親が自分を卑下し、うつ状態になることがある。結婚が破綻し、子どもが大変な状況に置かれることになると、母親は自分を責めてしまう。母子寡婦福祉会は、自分に非があるのではないと母親たちが理解できるように助けることを目標の1つに掲げている。シングルマザーには、助けが必要にもかかわらず、それを素直に受け入れることが難しいと考える人がいる。最も懸念されるのは子どもの健康状態である。母親たちにアプローチしながら、母子寡婦福祉会は「お子さんを助けるために、わたしたちに何ができますか?」と問いかける。
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名護市母子寡婦福祉会は沖縄県にある数々のひとり親団体の一つである。団体は地元企業からの寄付金と名護市の年間予算によって運営されている。末日聖徒イエス・キリスト教会も食料、資金、奉仕を提供している。夏休みや休日などは学校給食がなく、子どもたちが食事を取れなくなる。教会は年に2回、沖縄県内にあるひとり親団体に対し、300家族以上分のさまざまな食料品を提供するためのイベントを開催している。名護ビーチクリーンアップ活動は教会が毎年開催する活動で、名護支部の会員と宣教師がおいしいバーベキューを準備し活動参加者に提供する。
名護市母子寡婦福祉会の会員たちはお互いを家族のように思っている。年1回のビーチクリーンアップ活動以外にも、運動やピクニック、そして母の日ミニチュアゴルフ、夏休み後に学校に戻る子どもたちのためにバックパックを学用品などでいっぱいにしてプレゼントするなどの活動を一緒に行っている。ある日の母親たちの集会では、ある母親が「大変な思いをしている時に、自分には友人がいると思えることが最も大切なことです」と話した。名護市母子寡婦福祉会の開館時間は月曜から金曜の午前9時~午後4時であるが、仲原リカなどの役員は精神面のサポートを24時間行っている。母親が悲しみに暮れ、子どもの世話をすることができなくなった場合、子どものために食事を用意し配達してくれる人もいる。
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さまざまな情報源を通して名護市母子寡婦福祉会の存在がひとり親に届くように配慮されている。友人を通して知る人もおり、社会福祉プログラムを通してひとり親団体に紹介される親もいる。学校やその他の教育センターではチラシが配布されている。また名護市母子寡婦福祉会は、就職口として地元企業を母親に紹介し、その他の必要なサービスが利用できるようにも母親たちを助けている。子どもが大きくなると、自分が福祉会の役員やその他のサポートスタッフになる母親もいる。彼女たちは本当の「家族」として、お互いに助け合っている。
名護市母子寡婦福祉会の7代目会長として12年間務めた後、岸本能子は沖縄県全体に同様の団体を設立できるように支援を行っている。最近、仲尾ちあきが名護市母子寡婦福祉会会長に就任した。沖縄県内にある市の母子寡婦福祉会会長たちは、情報共有とお互いを励まし合うために、年に何度か集会を開いている。彼女たちは「家族」に幸福感をもたらすことに喜びを感じている。母子寡婦福祉会は、子どもたちが責任感のある大人に成長し、コミュニティに恩返しできるようになったとき、自分たちの働きが報われたと感じるという。