青葉太一兄弟と睦美姉妹は,四国の静かな町で,信仰,芸術,そして奉仕に満ちた人生を築いてきた。二人の物語は,愛と創造性だけでなく,その家族,地域社会,そして信仰への献身で彩られている。
高校の美術クラブ部員から永遠のパートナーへ
青葉兄弟と姉妹が初めて会ったのは,高校の美術クラブであった。創造性に対する共通の愛が,永遠の結びつきのきっかけとなったのである。
末日聖徒イエス・キリスト教会の宣教師とは,JR予讃線の今治駅で出会った。「実を言うと,ジョセフ・スミスの話を信じられるかどうかわかりませんでした。尊敬していた宣教師が真実だと言うならば,真実なのだろうと思いました」と青葉兄弟は話した。レッスンを受け始めてから2か月半後,さまざまな事柄を学んだ青葉兄弟はバプテスマを受ける決心をした。
青葉姉妹の揺るぎない信仰は,青葉兄弟の霊的な旅で重要な役割を果たしてきた。バプテスマから5年後,友情と愛が実を結んで結婚することになった二人は,何十年も続くパートナーシップの第一歩を踏み出した。
青葉兄弟は,自分の成功は妻の地道なサポートのおかげだと話している。「収入が落ち着かなかったころでさえも,文句を言ったことはありませんでした。家庭に入って家族の世話をし,私の作品を売る手伝いをして,教会の指導者として奉仕するときもサポートしてくれました。私が主に仕えていると理解してくれていたので,口論になることもなければ,文句を言われることもまったくありませんでした。」
青葉夫妻は,30年以上住み続けてきた家で5人の子どもを育て,今では19人の孫に恵まれている。
芸術を通して信仰を見出す
青葉兄弟の芸術家としての道のりは,兄弟の霊的な旅と深く結びついている。東京で油絵を学んでいたころ,ルネサンス美術に惹かれていた兄弟は,研究の一環として聖書を読み始めた。絵に描いていた白人の顔の構造をより良く理解したいと考えたことが,宣教師との出会いにつながった。
青葉兄弟は当時を振り返り,「とても立派で礼儀正しく,大人びた人たちだと思いました」と語った。「そのとき福音のメッセージに興味はありませんでしたが,彼らの顔を描きたかったし,尊敬してもいました。」
祖父の世話をするために実家に戻ってきた青葉兄弟は,父親の陶芸工房で働きはじめ,数年後に独自の工房を開いた。作品にユニークな質感と色を生み出す自然の力を好む青葉兄弟は,まきを燃料とする伝統的な登り窯を使用している。
1994 年,青葉兄弟の作品は世界的な脚光を浴びることになった。それは,兄弟の陶芸作品である「Become Familiar with the Scriptures」(聖典に親しむ)が教会歴史美術博物館の「カテゴリー最優秀賞」を受賞したときである。制作に2~3ヵ月が費やされたこの作品は,モルモン書の場面を描写したもので,神の永遠の愛を示す円形のデザインが用いられている。
- Aoba28280.jpg
- Aoba128.jpg
- Aoba1528.jpg
- Aoba228.jpg
- Aoba428.jpg
- Aoba628.jpg
- Aoba728.jpg
- Aoba828.jpg
- Aoba1028.jpg
- Aoba1128.jpg
- Aoba1228.jpg
- Aoba1328.jpg
1 / 2 |
青葉兄弟は,「各部分が物語を語っています。天の御父の愛を映し出す作品にしたかったのです」と説明した。
宗教的な陶芸作品には,他にもキリストの降誕場面や「命の木」などがある。「命の木」を模した作品は,日本国内のすべての神殿に展示されており,霊的な献身と芸術的な表現を組み合わせる青葉兄弟の能力を浮き彫りにしている。
リーダーシップ,そしてコミュニティとのつながり
青葉兄弟の貢献は芸術だけにとどまらない。何年もの間,兄弟は地域七十人,支部会長,地方部会長を務め,最近では福岡神殿会長として奉仕した。神戸伝道部会長の顧問としても7~8年間奉仕し,複数の伝道部会長のもので働いた。
これらの教会での奉仕に加えて,青葉夫妻は毎年行われるコミュニティアートクラスでも知られている。このクラスでは,陶器でできた干支の動物を作るために約20人の生徒を教えている。2025年は巳年なので,今年の参加者は粘土を使ってそれぞれ独自のヘビを作った。青葉姉妹はクラスの最初にクイズを出して場をなごませ,クイズの優勝者は兄弟が制作した陶器のお椀を賞品として選ぶことができた。
ArtFUL番組出演
青葉兄弟は最近,さまざまな信仰を持つアーティストを取り上げるBYUtv(ブリガムヤング大学が運営するテレビ網)のドキュメンタリーシリーズ,ArtFUL(アートフル)の取材を受けた。現在シーズン6を撮影中の当シリーズは,芸術が人を神に結びつける方法を探求する番組である。青葉兄弟が登場するエピソードは来年まで放送されないが,兄弟はこの撮影経験をあたたかな気持ちで振り返った。
「連絡を受けたときはとても驚きましたし,ありがたく思いました」と兄弟は語っている。「日本の教会員アーティストとして認められるのは素晴らしい気持ちです。」
- Aoba1428.jpg
- Aoba328.jpg
- Aoba1628.jpg
- Aoba1928.jpg
- Aoba1828.jpg
- Aoba2028.jpg
- Aoba2128.jpg
- Aoba2228.jpg
- Aoba2328.jpg
- Aoba2428.jpg
- Aoba2528.jpg
- Aoba928.jpg
1 / 2 |
撮影では,粘土を掘り起こすところから複雑なデザインを彫るところまで,陶芸のプロセス全体を紹介した。青葉兄弟は,「カメラがすぐ目の前にある状態で作業するのは大変でした」と笑い,「それでも撮影はとても楽しく,チームもとてもプロフェッショナルでした」と話した。
青葉兄弟はこのエピソードが視聴者の心に響くことを願っており,「私たちがイエス・キリストを信じていることを知っていただき,私の作品を通じて天の御父の愛を感じていただけばと思っています」と語った。
愛と創造性の軌跡
青葉夫妻の物語は,物静かな献身と深い影響の物語である。芸術,信仰,または周りの人への奉仕であるかを問わず,青葉夫妻は,地域社会,そして世界中に大きな影響を残してきた。青葉夫妻の夫婦としての人生は,信仰,創造性,そして奉仕に対する意欲の組み合わせからもたらされる美しさの証しである。