2024年2月13日、末日聖徒イエス・キリスト教会は、令和6年能登半島地震で家族が被災した石川県立看護大学の学生が学業を継続できるよう、同大学で海外や国内での学びを支援するために設置されている「はまなす基金」を通して義援金を寄贈した。被災地から最も近い大学であることから、同大学小児看護学講座教授の戸部浩美姉妹を通してどのような支援が必要かを確認し、寄贈が実現した。
石川県立看護大学は、教会の七尾支部がある七尾市と金沢市の中間地点で能登半島の西側の付け根、日本海に面する かほく市に位置する。4年制の看護学部看護学科と大学院看護学研究科(修士・博士課程)を合わせて370名の学生を擁する。
地震が発生した元旦、大学は全学生にSNSを使って安否確認をした。その日のうちに約80%の学生から返事があった。残りの20%の学生が奥能登(輪島市、珠洲市、穴水町など)にいないかの確認がなかなか取れず、友だち等を通じて連絡があった場合には大学に知らせてもらうなどにより、全員の安全が確認できるまで4日かかった。その後、自身や親しい人が被災したことによりメンタルヘルスのリスクが高い学生に対しては、十分なサポートがいきわたるよう配慮してきた。特に、看護師、保健師の国家試験を控えた4年生にとっては大きな試練だったが、無事全員が受験を果たした。
学長の真田弘美教授はこう語られた。「私たちは、能登半島地震発生後直ちに支援対策本部を立ち上げ、様々な支援と行ってきました。能登の看護学校を支援するため、本学の施設をお貸しすることもその一つであり、その他、金沢市内の避難所支援、また能登の褥瘡(じょくそう)対策支援も関連機関と協力して取り組んできました。教育機関として最も大切なのは学生が教育を継続できるようにすることですので、このような状況で学生への支援をいただけるというのは、学生やそのご家族にとって、大変ありがたい話です。昨夏、戸部先生のおかげで、私もBYUに視察に行きいろいろと学ばせていただきました。今年の9月には20名近くの学生がBYUに研修に行くことを大変楽しみにしています。その中にもやはり被災した学生がいますので、彼らのグローバルな学びの機会を実現させることができます。教育というのは、未来を作る仕事、未来の人を作る仕事なので、今やめてはならない、やめれば、能登を支える人がいなくなってしまう。続けなければならないと強い気持ちで頑張っています。」
発災から間もなく2か月、復興支援段階に移行した現在、教会は様々な形で支援を継続している。