graduation2-edited.JPG
2025年3月に日本女子大学を卒業したときの水口美和子さん2025 by Intellectual Reserve, Inc. All rights reserved.1943年、第二次世界大戦中に富山市で生まれた水口美和子さんの人生は、逆境に耐える力、信仰、そして成長への揺るぎない献身によって形づくられてきました。その歩みは、末日聖徒イエス・キリスト教会の教えに深く根差し、生涯学習の価値を力強く証明しています。
家族は大阪に住んでいましたが、戦時中に富山へ疎開し、そこで水口さんは誕生しました。1945年8月、空襲により市内は壊滅。その廃墟の中で、近所の子供たちと遊び、音楽への愛を育みました。特にハーモニカが大好きでした。
赤ちゃんの頃の水口(旧姓 千石)美和子さん 2025 by Intellectual Reserve, Inc. All rights reserved. | 1 / 4 |
高校卒業後、彼女は国家公務員として勤務し、その後は民間企業でも働きました。また、日本の伝統音楽への情熱を育み、長唄の演奏者として高い技術を身につけ、長年にわたりその芸を教えてきました。
Nagauta2.JPG
長唄を演奏している水口美和子さん (右から2番目)2025 by Intellectual Reserve, Inc. All rights reserved.1971年、彼女は末日聖徒イエス・キリスト教会の宣教師*1から福音を学び、バプテスマを受けました。翌1972年には水口久直さんと結婚し、二人の子どもを育てました。ご主人は教会の会員ではありませんでしたが、彼女と子どもたちの信仰と教会活動を支え続け、2002年に急逝されるまでその支援は変わりませんでした。現在は金沢の教会堂の会員です。
1972年、金沢での結婚式の日に家族と一緒の千石美和子さんと水口久直さん 2025 by Intellectual Reserve, Inc. All rights reserved. | 1 / 3 |
彼女はこれまでの初等協会(11歳以下の子供の組織)や扶助協会(成人女性の組織)での奉仕を通じて、教えることは神聖な責任であり、祈りと信仰を通して御霊がもたらされることを学びました。また、神殿に参入することに大きな喜びを感じています。
Tokyo-Temple-edited.JPG
末日聖徒イエス・キリスト教会の東京神殿の前にいる水口美和子さん2025 by Intellectual Reserve, Inc. All rights reserved.高等教育への勇気ある一歩
76歳のとき、水口さんは大胆な決断をしました。キリスト教の理念に基づいて成瀬仁蔵が創立した日本女子大学の通信課程に入学したのです。娘の勧めと、パート収入に支えられ、2019年10月に学びを始めました。
その直後、パンデミックが発生。授業はすべてオンラインに移行し、孤独感が募りました。しかし、教授陣はZoomで学習会を開き、若い学生たちとの交流の場を作ってくれました。
「若い学生たちのエネルギーと献身が私に力をくれました。お互いに励まし合い、共に成長できました。」
生活芸術学科で被服や住居に関する科目を履修し、児童学科や食物学科からも関心のある科目を選びました。2025年3月、81歳で家政学の学位を取得しました。

Graduation3-edited.jpg
2025年3月に日本女子大学を卒業したときの水口美和子さん2025 by Intellectual Reserve, Inc. All rights reserved.信仰を土台に
5年半にわたる学びの旅は、「健康」「資金」「環境」という3つの祝福に支えられていました。健康は知恵の言葉を守ることで維持し、学費は什分の一を納めることでまかない、学習環境は東京の娘夫婦の支援によって整いました。
彼女に勇気を与えた聖句は以下の通りです:
「人は自らの内に力があり、それによって自ら選択し行動するものだからである。そして人は善を行うならば決してその報いを失うことはない。」
— 教義と聖約 58章28節
この聖句は、神様が自分に選び取り、行動する力を与えてくださっていると気づかせてくれました。その信仰によって、計画通りにすべての課程を修了しました。
学び直しを考えている方へ
水口さんは学び直しを考えている方へこう語ります:
「焦らず、慌てず、諦めず。そして迷ったときは神様に助けを求めてください。」
彼女は、生涯学習が人生を豊かにすると信じており、年齢に関係なく、目的と信仰を持って学ぶことを他の人々にも勧めています。
これから:教育を通じて他者に仕える
まもなく82歳を迎える水口さんは、高齢者を狙った詐欺の増加に深い懸念を抱いています。大学で消費者問題を学んだ経験から、特に高齢者が「お金」「健康」「孤独」といった不安につけ込む詐欺に気づき、抵抗できるよう、消費者教育に貢献したいと考えています。
霊的なことと世俗的なことが密接に関係しているという理解を深めた今、彼女は聖典と世の中の学びを継続する決意を新たにしています。人生への情熱を胸に、すでに100歳まで他者に仕えるための具体的な計画を立てています。
*1 宣教師 福音を学びたい人々を見つけて福音を伝えたり、イエス・キリストのような奉仕を行うことで人々がキリストについて知る機会を持てるよう助けたりする奉仕活動に従事している専任の教会員。