末日聖徒イエス・キリスト教会の日本大阪堺ステーク※1堺ワード※2。この教会で2018年のクリスマス委員会が立ち上がったのは早春のことだった。
6月には第1回クリスマス委員会を開き、「今回はどのようなクリスマスにしようか?」と考え続けた。教会の春の総大会では,ラッセル・M・ネルソン大管長が「啓示を受ける大切さ」について話した。そのことを踏まえ,ずっと祈り,考えた結果、以下の促しを受けた。
「神様は,1日だけのクリスマス会ではなく、この12月中を通して,クリスマス精神を実行に移すよう願っておられる。」
ワードの会員全員がそれに参加できる方法は何か? と考えて発案したのが「クリスマス・マシーン」,いわゆる「ガチャガチャ・マシーン」である。
米国ユタ州ソルトレーク・シティーでは,寄付を募る「Vending Machine(自動販売機)」が設置されて評判を呼んでいる。自動販売機の前を通りかかった人がその機械の中の物品を購入すると,その商品が透明な寄付ボックスの中に落ち,そのまま恵まれない人に寄贈されるという仕組みである。
しかし堺ワードには,自動販売機を導入するような予算はない。そこで委員会で協議した結果、手作りマシーン(大人用・子供用の2台)を作ることになった。
12月1日から1か月間、ミッション(成し遂げるよう期待されていること)を書いた紙をガチャガチャのカプセルに入れ、毎週の日曜礼拝ごとに各自1回引いてもらう。そしてその1週間、紙に書かれていたミッションを実行し,キリストのような行いができるよう努力する。翌週の日曜日には,行ったことを手作りオーナメントに書き込み、ミニスタリング※3・ツリーに飾る。
それを4週間続けることにより、多くの教会員が「Light the World」キャンペーンに参加する機会を得た。ミッションの内容は「(家族に)ありがとうを言う」、「宣教師を食事に招く」、「助けの必要な人のために祈る」、「整理整頓をする」など,100項目が準備された。
23日のクリスマス聖餐会,ミニスタリング・ツリーは,実践したことを記したオーナメントでいっぱいになった。この実践は引き続き,12月30日の最終日曜日まで続けられる。
2018年のクリスマスキャンペーン「Light the World」が教会から発表されたのは11月だったにもかかわらず,堺ワードではそれを行えるよう、すでに準備が整っていた。
堺ワードの12月は,個人・家族・仲間たちで楽しみながら「キリストの光」を輝かし、ずっとイエス・キリストの模範を思い起こして過ごせるという,とても幸せなクリスマスの季節となったのである。
この取り組みの模様は,以下のクリスマスキャンペーン動画でも紹介されている。
※1─ステークとは天幕を張るロープを地面に固定する杭を意味する。末日聖徒イエス・キリスト教会では,地理的に近い幾つかの教会が集まった単位をステークと呼ぶ。日本大阪堺ステークは4つのワードと4つの支部,合わせて8か所の教会で構成される
※2─ステークを構成する1つの教会をワード(教区の意)と呼ぶ
※3─イエス・キリストは新約聖書で羊飼いにたとえられる。羊飼いが羊を優しく保護して養うように,人を愛して仕え,養い,助ける行いをミニスタリングという