サクラの花がほころび始めた頃、日本で、そして世界で、教会建物と神殿が閉館し、それまでわたしたちが知っていた礼拝方法が突然変わった。2020年3月30日にサクラの上に雪が降ったのと同じくらい予期せぬ出来事だった。しかし、教会での礼拝が突然中止になったにもかかわらず、末日聖徒イエス・キリスト教会の世界中の会員が順応するのに時間はかからなかった。
教会プログラムに関してラッセル・M・ネルソン大管長と十二使徒定員が最近発表してきた啓示と変更のおかげで、会員たちは、10人のおとめのたとえ話のように明かりに油を満たし、時の到来と同時に修正するための備えができていた。
2020年2月26日、アジア北地域会長会は神権者に向けて手紙を出している。教会建物の閉鎖を指示するもの、つまり、教会での集会や活動の中止を伝えるものであった。日本の教会員は驚いたが、家で礼拝するのは難しくないことは知っていた。実際、自宅で礼拝行事を始められると意気込んだ会員は多かった。
チャーチニューズとのインタビューで、十二使徒定員会のクェンティン・L・クック長老は次のように語っている。「近年、主はその業を早めておられます。啓示が導き手となって新たな取り組みや命令が作られ、実行に移されています。」さらに、新型コロナウィルスが世界で猛威を振るっている現在、末日聖徒イエス・キリスト教会の会員を支えているのは「組み合わさって連結し合う力」だと語った。
「この状況にあって、わたしたちは誰でも家庭を信仰の聖地とすることができます。わたしが目にする教会員の皆さんの姿、そして、忠実さに大変感謝しています。ストレスの多い時期での皆さんのすばらしい態度、つまり、人々に心を配り、テクノロジーを利用してそばに寄り添い、将来祝福を受けることができるように自らを備えようと努力している姿に感謝の気持ちでいっぱいです。」
これまでの12週間、「わたしに従ってきなさい」や標準聖典、総大会の説教をはじめとする教会が作成した資料を利用して、日本中の聖徒は家庭での礼拝を適切に行ってきた。
小さい子供がいる家族、十代の子供がいる家族、夫婦、シングルアダルト、数世代が同居する家族、それぞれがうまく家庭で礼拝行事を行うことができる。家族の人数や構成員の違いに関係なく、日本中で効果的な学習が行われている。
「家族皆で勉強するすばらしい機会です」と幼い子供たちを持つ父親は言う
家庭での礼拝をどのように行っているのか、日本の会員が話してくれた。
洗足池ワードの家族:宣教師と新しい改宗者とのオンライン集会で、『リアホナ』を使って贖いについて勉強した。
仙台の姉妹:「家族と過ごすことが楽しくなりました。家族の祈りをすることで私自身の信仰が強くなっています。これを大切にします。」
光ワードの父親:家庭で聖餐会を開くとき、息子たちが神権を使って聖餐式を行う機会に感謝している。
埼玉県の独身姉妹:「家族全員が集まるのは難しいことでしたが、ズームを使って行った家庭の夕べでは、証を述べ合い、才能を分かち合い、時間を共に過ごすことができました。充実した時間を持てました。」
福岡県の独身姉妹:「高齢の母は会員ではありませんが、毎週一緒に家庭の夕べをしようとがんばっています」と、努力がうまくいっていることを話す。
大阪府の家族:毎月の断食日曜日に証会を行っている。
いくつかのワードでは、オンラインで安息日の礼拝を行っている。
会員たちから、家庭の礼拝に使って良い結果の出たリソースが紹介されている。教会機関誌や回復の宣言の勉強、セミナリーの教科書の活用、教会のビデオやモルモン書のビデオを見る、賛美歌を歌う、教会の音楽を聴くなどがある。
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日曜日の家庭礼拝に加え、家族歴史を探究して、神殿儀式の準備をするというのも良い活動だ。また、ラインやソーシャルメディアのサイトを通じて友人や親戚との交流を楽しんでいる家族もある。
同時に、神権者のいない家庭にとっての一番大きな問題が明らかになった。家庭に神権者がいない教会員も聖餐の儀式を受けることを望んでいる。しかし、教会は会員に対し「神権者は 聖餐 を 執行 するために 家族 関係のない 教会員の家に入るべきで はありません。 こうした状況下では,会員は聖餐の祈りを研究 し,自分が交わした聖約を守る決意を新たにし,神権者により 適切に執行された聖餐を直接受けられる日を求めて祈る」よう求めている。この指示は、2020年4月16日付けの「新型コロナウィルスへの対応― 質疑応答 」で見ることができる。
ワードやステークから礼拝行事のオンライン配信を望む会員もいる。しかし、ある独身の姉妹は、ワードでオンライン配信をしているものの、自宅の受信環境が整っていないために参加することができないと言う。
「今は、回りの人たちの幸せを常に気遣うことが求められています」と、十二使徒定員のD・トッド・クリストファーソン長老はチャーチニューズとのインタビューで語った。
長老は「互いにできることはたくさんあります」と言い、扶助協会と神権者は互いに高め合い、励まし合うことができると強調する。
さらに続けて、「教会の中で、[シングルアダルト]は他の会員に比べて神権の祝福、特に聖餐の祝福を受ける機会が少ない立場にいます。また、孤立というさらに重大な問題も抱えています。」
「つまり、シングルアダルトは、わたしたちの多くが経験するより、孤立など課題をたくさん抱えており、それに対してわたしたちはもっと敏感になる必要があります。特に、一人で育児をするという思い責務を負っている親には配慮が必要です。彼らが仲間意識を感じられるように、他の人たち以上に注意を向け、彼らが必要としている助けについてよく考えることはわたしたちの義務です。」
高尾に住む独身の姉妹は、ミニスタリング姉妹から受けた心高まるメッセージに感謝していると話す。「彼女に歌を録音して、送ってくれるように頼みました。すばらしい声をしているんです。」
「家族は困ることのないように互いに助け合うことが必要です」と沖縄の姉妹は言う。
日本では全体的に、家庭での日曜礼拝は、少なくともある程度うまくいっているようだ。最初はうまくできなかった家族も、時間と共にできるようになっていると感じている。
札幌西ステークの独身の姉妹の言葉。「家族中心で教会が支援する勉強方法がすでに始まっていたことに感謝しています。前もって準備がなされていたのだと知り、信仰が強まりました。」
夫とともに奉仕しているシニア宣教師は言う。「預言者の言葉に従うなら、わたしたちはこれからも続く苦しみから守られることを心から証します。」
光ワードの神権指導者もこう証する。「これはわたしたち家族にとって特別な経験です。これが主の計画の一部であると感じずにはいられません。今、信仰を持ち続けることが大切です。一人一人が主との関係を強める時期だと思います。主の戒めに従って証を強め、個人の証を受けることを習慣として、主の戒めにそった生活をすることで証を強める時です。すべての会員が神と個人的につながることを願っています」
日曜日の礼拝を家庭で行うことは、日本の教会礼拝に関する想定外の状況での一時的な措置である。しかし、世界の状況がどうであろうと、春になれば必ずサクラが咲くように、末日聖徒イエス・キリスト教会の会員の信仰と愛、そしてキリストへの献身は必ず強められ、成長することをわたしたちは学んだ。わしたちには生ける預言者がおり、預言者は道を照らしてくれる。預言者とその勧告に従うならば、恐れる必要などない。