ソルトレーク神殿の改修工事も最終段階に入り,天使モロナイ像とその足元にある球状のかさ石が神殿の西側尖塔の中央から撤去された。これらの歴史的な品々は保存・修復のため,月曜の朝にクレーンによって空中を舞い地面に降ろされた。両方の品は後の再設置に備える。
「ソルトレーク神殿は主の宮であり,次世代を擁護することができるよう支え,強化されます。」そう語るのは,歴史的な神殿改修工事のディレクターを務めるアンディー・カービーである。「このプロジェクトの側面一つひとつが,この神聖な建造物が世界中の人々にとっての永続性,楽観主義,信仰の象徴としてとどまる助けとなるよう重要な役割を果たします。」
モロナイ像とかさ石の撤去は,構造上および耐震のための長期の神殿改修工事の一環として昔から計画されていた。モロナイ像の右手からトランペットが落ちたほか,そのほかの小規模被害を与えた2020年3月のマグニチュード5.7の地震以降,プロジェクトにおける本工程のスケジュールは繰り上げられた。
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「地震により,[神殿上部の]幾つかのパーツが緩んでしまいました」と構造上の改修工事プロジェクトのマネージャーを務めるローレンスは言う。「周辺エリアを安全に保つため,わたしたちはただこれらの工事日程を前倒しにし,後ではなく今取り掛からなければならなくなりました。最近の出来事は,神殿を強めるという与えられたビジョンや指示を強化しました。」
歴史的な建物の改修工事には,マグニチュード7.2の地震にも耐え得る基礎免震システムの設置が含まれる。ローレンスによれば,このシステムは尖塔部分の頑丈なロッドとケーブルを通して神殿の基礎と屋根と繋ぎ,建物をさらなる損傷から守るという。
「わたしたちは建物の外周に安全地帯を確保し,建物が動くのを可能にします」とローレンスは語る。「これにより,地震によってどの方向へも4~5フィート(約1.2~1.5メートル)まで動いても問題ないようにします。」
基礎免震システムの設置前,作業員らは建物が1893年に初めて完成した際の岩で作られた基礎を強化すべく穴を開ける。作業員は基礎の隙間にグラウト材を注入する。この工程により耐久性や強度を高めると同時に,ローレンスのチームは19世紀の開拓者の建築者らの見事な仕事ぶりに対する感謝の念を深めた。
「わたしたちの前を行きこの素晴らしい建物を建てた職人らや個人に対する畏敬の念を抱いています」と語るローレンスは,この神殿の改修工事が完了したら引退する予定だ。「元の基礎部分を発見し,彼らが付けた印や作業した証拠を目にしたときに,彼らが何十年も前に行ったことや犠牲を払わねばならなかったすべての一部となるということを理解しました。」
*モロナイは,モルモン書に登場する預言者であり,末日聖徒イエス・キリスト教会の初代の預言者であり大管長であるジョセフ・スミスの生涯において重要な役割を果たした。多くの神殿の頂部に立ってラッパを吹く天使モロナイ像は,イエス・キリストの福音を世界に宣べ伝えるという教会の使命を象徴するものである。
メディアへの声明
末日聖徒イエス・キリスト教会のスポークスマンであるダニエル・ウッドラフが,以下の声明をメディアに向けて発表した。
今朝,テンプルスクウェアの作業員らが,ソルトレーク神殿の頂部に立つ天使モロナイ像およびかさ石の撤去に取り掛かっています。本工程は神殿改修工事の一環として昔から計画されていたものですが,3月に起こった地震により予定が繰り上げられました。モロナイ像とかさ石は保管され,後日再設置される前に修復されます。本プロジェクト期間中,神殿の上部尖塔から石が撤去され保管する作業も続きます。これらの石は将来再設置される予定です。