モルモンの遺物がスミソニアン博物館で展示される

末日聖徒イエス・キリスト教会の初期の歴史における遺物が、2017年6月28日からワシントンD.C.のスミソニアン博物館群の一つである国立アメリカ歴史博物館において『わたしたちが共に築いた国家（The Nation We Build Together）』と言うテーマで1年間公開される4つの新たな展示や双方向体験プログラムの中の一つ『初期アメリカの宗教（Religion in Early America）』展にて展示されている。

『初期アメリカの宗教（Religion in Early America）』展では、1630年から1840年代までの初期アメリカにおける信仰と実践の物語を紹介している。

「わたしたちは来場者の方々に初期アメリカの生活における3つの要素―宗教の多様性、宗教の自由、宗教の発展―に対する理解とともにお帰りいただけるよう願っています。」と博物館の学芸員であるピーター・マンソーは語った。「有形の展示物の前に身を置くことによって、皆さんは初期アメリカの歴史を生きた人々と同じ空間を共有することができるでしょう。」

博物館の来場者は、1830年に出版されたモルモン書初版本の原稿や数枚の希少なモルモン金貨、カートランド安全協会発行の銀行券（紙幣）2枚を目にすることができる。もともとスミソニアン博物館の所蔵品であった金貨以外の遺物は、ソルトレークの教会歴史図書館から貸し出されている。

「モルモン書初版本の原稿は教会の所有物の中で最も重要な記録だと私は考えています。」と教会歴史部のアーキビストであるブランドン・メトカフは語った。「本当に貴重なものであるため、わたしたちがこの原稿を貸し出すのも初めてのことなのです。今日残っているページの多くは判読不可能なので、これはわたしたちが最も大切にしている所蔵品の一つになっています。」

原稿は40年以上にわたってイリノイ州にあるノーブーハウスの礎石の中に理想的とは言えない状態で置かれていたため、原稿のうちのたった28パーセントしか現存していないとメトカフは語った。

この他には、博物館の常設展示品であるジョージ・ワシントンが1732年に洗礼式で着たローブ、一般にジェファーソン聖書と呼ばれているトーマス・ジェファーソン著「ナザレのイエスの生涯と道徳」、1654年から保管されているトーラー写本、アメリカ先住民のワムパム・ビーズ、1802年にボストンでRevere and Sonによってメイン州のユニテリアン教会のために製造された青銅製のベルなどが展示されている。

教会の創始者であるジョセフ・スミスは188年以上前にモルモン書の翻訳を始めた。原稿はジョセフ・スミスによって口述されオリバー・カウドリや他の筆記者によって1829年の4月から6月の間にペンシルベニア州ハーモニーおよびニューヨーク州フェイエットにおいて記録された（展示されているページには、第１ニーファイ4章20節～5章14節が含まれている）。このモルモン書の初版本は、1830年に教会が設立される直前にニューヨーク州パルマイラでE.B.グランディンによって出版された5000冊のうちの1冊である。

メトカフは、カートランドとオハイオの末日聖徒たちが資金繰りのために1836年にカートランド安全協会と言う名の銀行を設立し紙幣を発行したことを解説した。「展示のために貸し出されているこの2枚の紙幣は、フィラデルフィアで印刷されたあとに持ち帰られ、ジョセフ・スミスとシドニー・リグドンが署名し、実際に使用されたものです。」

これらの紙幣や金貨はユタ準州で通貨として使用されていたとメトカフは語った。「この金貨は、聖徒たちがソルトレーク渓谷に到着後まもなく、カリフォルニアの金鉱にいた者たちが採掘した金を使ってソルトレークシティーで鋳造されたものです。」

国の首都にあるスミソニアン博物館におけるこの展示は、今後1年間にわたって何百万人もの来場者の目に触れることになる。

「全米の多くの宗教コミュニティの協力なくしては、この物語が語られることはなかったでしょう。」とマンソーは語った。「来場者の皆さんは、この国が建設されたときに彼らの知るよりはるかに多様な宗教が存在したことを発見することになるでしょう。」

「アメリカの初期の宗教についてまとめたこの展示に加えていただけるのはわたしたちにとって特権です。モルモニズムについて語らずに、アメリカの宗教運動について語ることはできないのです。」とメトカフは語った。

彼はまた「わたしたちはこの展示に対する反応を見たり、多くの来場者の方々が他では見ることのできないこれらの記録を楽しんでいるのを見たりするのをとても楽しみにしています。」と語った。