2021年4月21日,ネパール中北部のゴルカ地区にあるパルンタール・コミュニティ・ヘルスセンターで,新型コロナウイルス感染症ワクチンの2回目の接種を受ける医療従事者と現場のスタッフ。 UNICEF/UN0447335/Prasad Ngakhusi | 1 / 18 |
世界の中で感染リスクの高い人々に20億回分の新型コロナウイルス感染症ワクチンを配布する,世界的な取組みは,121の国と地域に及んでいる。 末日聖徒イエス・キリスト教会の人道支援部門である末日聖徒チャリティーズは,この取り組みのためにユニセフに2,000万米ドルの助成を行い,ACTアクセラレーター(Access to COVID-19 Tools (ACT)Accelerator)や,ACTアクセラレータのワクチン供給部門であるCOVAXファシリティの活動を支援している。
COVAXは,感染症流行対策イノベーション連合(CEPI),Gaviワクチンアライアンス(Gavi),ユニセフ,汎米保健機構(PAHO),世界保健機構(WHO)が実施する世界規模の取り組みであり,脆弱な地域の人々に新型コロナウイルス感染症ワクチンと治療を公平に提供するものである。
「世界中の国々に命を救うワクチンを届けるために関連団体が集まったのは,世界の歴史上前例のないことです」と,ユニセフのインド代表であるヤスミン・アリ・ハケ博士は述べた。
WHOによると,依然として新型コロナウイルスの激しい感染を経験している国は多く,インドはその1つである。
今週(2021年4月24日から4月30日まで)は,世界予防接種週間である。世界予防接種週間は毎年4月に実施され,あらゆる年齢層の人々を病気から守るためにワクチンの使用を促進している。
最初に配送された60万回分のワクチンは,2月にガーナに到着した。ACTアクセラレーターの立ち上げから1周年を迎えた2021年4月23日以降,4,900万回分以上のワクチンが世界中に出荷されている。 セラム・インスティテュート・オブ・インディアが製造し,COVAXファシリティを通して配布するワクチンは,ガーナの首都アクラにあるコトカ国際空港に向けて出荷された。
ユニセフのガーナ代表を務めるアン・クレア・デュファイは,以下を述べた。「寄付を通してこのファシリティに貢献してくれた団体にも,ユニセフを代表し感謝を申し上げます。このワクチンはガーナの人々の生活を好転させ,徐々に日常が戻って来ることでしょう。そして子供たちも恩恵を受けるでしょう。」
南スーダンのユニセフ代表であるハミダ・ラセコは,次のように述べている。「新型コロナ感染症ワクチンの出荷第一弾を受け取ったところです。今回は,主に最前線で働く医療従事者と,基礎疾患を抱えて生活している人々が対象です。この取り組みはまだ始まったばかり。これが最初に送られた分なのです。」
また,ユニセフ南スーダンのロジスティクス(物資輸送・供給)担当者アユブ・アソバシは,「新しい時代の幕開けだと感じています。未だに新型コロナウイルス感染症の治療法はありませんが,これは…すばらしい進歩です。南スーダンの人々にとって助けとなります」と語った。
待ちわびた貴重な荷物の入った冷蔵庫が届くと,ユニセフのケニア代表を務めるマニザ・ザマンはこう説明した。「ユニセフが調達力と輸送の強みを活かしてワクチンをケニアの近くまで運んでくれたおかげで,そこからさらにワクチンを配布してワクチン接種キャンペーンが開始できるようになりました。」
また,ケニアのセントラル・ワクチン・ストアの上級薬局役員であるバデ・バブ・タパは次のように話した。「箱には…ワクチン,注射器,使用済み注射器の処分に使用されるセーフティボックスが詰められ,パッケージとして10地区に発送されます。」
「わたしたちはだれひとり取り残しません」とデュファイは述べた。