2017年10月13日(金)、末日聖徒イエス・キリスト教会の会員がカリフォルニア州アーバインにある集会所で、ユダヤ教徒のグループを迎え彼らの安息日の礼拝に参加した。シナゴーグが改装工事中だったこの1年間、ユダヤ教徒らはモルモンの集会所を借りて礼拝を行って来たが、13日はユダヤ教徒のグループがモルモンのステークセンターで集会を行う最後の日となった。
「モルモンの友人に感謝を捧ぐ」と題した集会がユダヤ教(Shir-Ha-Ma’alot [SHM])のラビであるリチャード・スタインバーグによって執り行われた。200人以上のユダヤ教徒とモルモンが集まり、互いに感謝の意を表し、握手とユダヤ教の安息日の挨拶を交わした。

カリフォルニア州アーバインステークの会長タイト・アイアーは、ユダヤ教徒が集会所を必要としていることを聞き、教会の集会所を選択肢の1つとして提供した。「集会所を提供することで、互いの宗教の関係を強めるというのが目的でした」とアイアー会長は述べた。
ユダヤ教徒らは金曜日の晩と土曜日の朝、通常ステークセンターは使用されていない時間帯に、彼らの安息日の礼拝行事として集会を持った。ラビであるスタインバーグは、「末日聖徒は愛と優しさを持ってわたしたちにドアを開いてくれました」と述べた。
ステークセンターでユダヤ教徒が集会を開くときは、毎回教会指導者らがホスト役として集会所に行き、ユダヤ教徒を迎えた。ホスト役で来た教会員は、掃除、教室の準備を手伝い、ユダヤ教徒の礼拝にも参加した。
1年を通して、モルモンがなぜ自分たちが信じる真理を分かち合いたがるのかがよりよく理解できたとスタインバーグはいう。しかし、末日聖徒は「より高い宗教的価値感を持って、今回あえて伝道活動は行わなかった」という。スタインバーグは安息日の説教の中で、モルモンの宣教師らはユダヤ教の大祝日で手伝ってくれたことも話した。
感謝の気持ちとして、スタインバーグは出席している末日聖徒のために祝福を願う祈りを捧げた。スタインバーグは、SHMの新しい集会所には末日聖徒イエス・キリスト教会に敬意を表して1つのスペースを設け、教会が示した優しさ、ホスピタリティ、愛はすべての宗教の模範であることを忘れないための場所として捧げるという。新しいシナゴーグの完成式典にはモルモンの会員たちも招待されている。
ラビであるスタインバーグは「わたしたち異なる2つの宗教の間にある友情を世界中の人が模範としてくれるように」という願いを表した。
「この1年間、互いに対する親密な感情は決して消えることはありませんでした」と、1年間ステークセンターで行われた安息日の礼拝行事とユダヤ教の教義学習会に欠かさず参加してきたSHMのマーティ・ハートは述べた。
「毎回、集会に参加して楽しむことができました。わたしたちの礼拝の方法は少し違うかもしれませんが、相手の宗教観と信仰に対する愛と敬意でわたしたちは結ばれています」とホスト役として奉仕する機会のあったモルモンの一人であるケニー・ギウリアニは語った。
「わたしたちのすべてが、感謝の気持ちを持ちながら学ぶ機会にあずかりました。わたしたちの2つの宗教には思った以上に多くの共通点があり、互いの結びつきを強めるだけのものがあります」と、1年間集会所を共同使用するための調整役を果たした末日聖徒のラリー・ガッシンは述べた。

安息日の礼拝行事の終了時、参加者らは肩を組んでいた。