人工ダイアモンドからゴアテックスまで、モルモン教徒による発明品は日常的に広く役立てられている。
1.改良された銃器
よく「近代銃器の父」と呼ばれるオグデン生まれのジョン・モーゼズ・ブラウニングは,銃器関連の120以上の特許で高い評価を得ている。彼の最も有名な業績は,自動ガス式機関銃の発明である。また,半自動拳銃やショットガンも,ブラウニングの発明リストに含まれる。彼の銃は有名なウィンチェスター社とコルト社で製造された。第1次世界大戦勃発当時の,軍事兵器に関する彼の貢献は,きわめて重要である。今日でも,銃器使用者は彼の名前をよく知っている。
ジョン・モーゼズの父親は,テネシー出身のモルモンの改宗者であり,彼もまた,銃器産業に多大な貢献をした。彼の発明したスライド式銃尾連発ライフル銃は,しばしば「ハーモニカ銃」の名で呼ばれるが,高性能弾倉式銃器の先駆けである。興味深い余談として,ジョナサン・ブラウニングはモルモン教への改宗後,自分の作ったすべての銃に,「聖きを主に捧ぐ―われらを守りたまえ」と書かれたプレートを印として付けている。
2.人工ダイアモンド
この結晶を宝石店で見つけることはできないが,合成ダイアモンドは,ドリルビット,ダイアモンドチップソー,研磨用工具に用いられ,業界で有用されている。発明家,H・トレーシー・ホールは,ジェネラルエレクトリック社の研究室で働き,油圧プレスで炭素を極度の圧力下に置き,華氏5,000度(摂氏2,760度)まで加熱することで,地球のダイアモンド生成過程を再現した。後に,彼はさらに効率的な4面体プレスを開発および特許取得し,工業ダイアモンド会社であるメガダイアモンド社の設立に貢献した。
3.レーザー手術
レーザーの使い道は多岐にわたるが,末日聖徒のジョン・A・ディクソンは,外科手術でそれを通常のツールとして使用した最初の医師の一人である。とりわけ,レーザーを使用し,出血性潰瘍の傷口をふさぎ,腸内ポリープを蒸散させることに成功した最初の人物である。
4.と5.軽量ルームランナーと腎臓透析用シャント
比較的小型で,ノイズの少ない独創的なトレッドミル(訳注―ベルトに乗って歩いたり走ったりする装置)として,発明家ウェイン・クイントンの軽量モデルが最初に使用されたのは,診療室で心臓病患者を検査するためであった。後に,この商品は業界で標準となり,現在では,オリジナルモデルの最新バージョンは,体育館,フィットネスセンター,家庭で使用されている。
また,クイントンは,その他のツール,例えば,最初の心臓切開手術で使用された気泡型酸素化装置,また最も有名なものとしては,何百万もの人々の延命に役立った,長時間に及ぶ腎臓透析で使用されるシャントの発明でも高い評価を受けている。
6.ゴアテックス
この防水布はモルモンの発明者,ロバート・W・ゴアにちなんで名づけられた。この商品は,特許を取得するのに10年近い年月はかかったものの,今日,広く使用されている。また,その材質は,防水性と通気性があり,アウトドア派の人に選ばれている(かつて南極大陸探検の参加者にも用いられた)。
7.医療情報科学(医療の分野でコンピューターを使用)
1950年,ホーム・R・ワーナー博士は,心臓血管の機能を明らかにするために,心臓血管系の解析に取りかかった。その結果,心臓疾患のための新しい治療法だけでなく病院や手術室で用いるコンピューターツールも開発された。1968年,彼は患者の情報を評価する際に用いるソフトウェアプログラムの最初のバージョンを作成した。これは様々な異なるセンサーから送られてくる情報で頭を悩ますことの多い医師の役に立った。