Byクリスティーン・ラプリー
2021年8月17日、9:00 am (米国山岳部夏時間)更新
パンデミックにより開催が1年延期されたパラリンピックが8月24日に開幕し、22種類のスポーツ、539の競技が21の会場で行われる。パラリンピックは、男女の傷痍軍人16人が車いすアーチェリーに参加した1948年のロンドン大会から始まった。paralympic.orgによると、1960年にイタリア・ローマで開催されたストーク・マンデビル大会がパラリンピック大会となったとされている。
東京2020パラリンピックに出場する選手の中に、12名の末日聖徒イエス・キリスト教会の会員がいる。以下に示す競技開催日は8月16日現在の情報で、日程がまだ決定されていない競技もある。
東京パラリンピックに出場する末日聖徒をご存じの方は、選手の名前、代表国、競技種目をchurchnews@deseretnews.comまでご連絡を。
米国
車いすフェンシング:ソルトレーク・シティーのシェルビー・ジェンセン(20歳)は15歳の時にフェンシングを始めた。7歳で脳梗塞を患い右半身に後遺症を負う。ソルトレーク・コミュニティカレッジの学生であるジェンセンは、2021年に全米のパラフェンシングのサーブルとエペで金メダルを、またフルーレで銀メダルを獲得。23歳以下の車いす世界選手権のカテゴリーAエペでは、銅メダルを獲得した。
競技日程:ジェンセンはフェンシングのカテゴリーAのエペとサーブル、女子団体エペとフルーレに出場する。車いすフェンシングの競技日程は8月25~29日。個人サーブルは8月25日、個人エペは8月26日。女子団体エペは8月27日、団体フルーレは8月29日。
パラアーチェリー:アリゾナ州サプライズのエリック・ベネットは、今回の東京で4回目のパラリンピック出場となる。2016年のリオデジャネイロ大会ではリカーブで8位、2012年ロンドン大会では4位に入った。高校で物理と工学を教えるベネットは、2019年の世界選手権で銀メダルを獲得している。15歳の時に自動車の事故で右腕の肘から上を失ったベネットは、マウスタブを使用して口で弓を引く。
競技日程:ベネットは8月27日に予選が始まるリカーブで競技する。個人リカーブオープンのトーナメントは9月3日から。
ゴールボール:インディアナ州フォートウェインのダリル・ウォーカー(39歳)は、2016年のリオデジャネイロ・パラリンピックで銀メダルを、2014年と2006年の世界選手権で銅メダルを獲得した米国チームの一員であった。東京大会はウォーカーにとって3度目のパラリンピックとなる。白皮症で法的盲人であるウォーカーは、フロリダ州の盲ろう学校に在籍中に初めてゴールボールを経験。現在はヨガ・インストラクターの資格を持つ。
競技日程:米国チームの団体予選の初戦は、8月26日のグループAの試合でブラジルとの対戦。8月27日には日本、8月28日には英国、8月30日にはリトアニアと対戦する。準々決勝は8月31日、準決勝は9月2日、決勝と3位決定戦は9月3日。
陸上競技:ユタ州イーグルマウンテンのデビッド・ブレア(45歳)は、2016年のリオデジャネイロ大会の下肢障害F44クラスで金メダルを獲得。今回の東京大会は2度目のパラリンピック出場となり、金メダル防衛に挑む。内反尖足を持って生まれたブレアは高校時代に円盤投げの州大会で優勝し、アスリート奨学金を得てウィーバー州立大学に進学後、記録を出し続けている。16歳になってスポーツをはじめ、リオデジャネイロ・パラリンピックの出場権を獲得し、パラリンピック新記録を出した。ブレアは2019年に足の骨折、2020年には新型コロナウイルスに感染しその後盲腸炎になるなど、健康面でさまざまな試練を乗り越えて来た。
競技日程:競技情報は不明。
オレゴン州出身のテイラー・タルボット(20歳)はブリガム・ヤング大学アイダホ校の学生で、今回初出場となるパラリンピックでは、陸上100メートルと400メートルに出場。タルボットは網膜色素変性症による視覚障害を有し、法的盲人である。彼女は視覚障害者T13クラスに出場する。2017年にはオレゴン州学校活動協会から、パラリンピックの全米代表に指名された。
競技日程: 100メートル T13クラスの予選と決勝は8月31日。400メートルT13クラスの予選は9月2日、決勝は9月4日。
車いすラグビー:アリゾナ州ツーソンのジョシュ・ウィーラー(41歳)は2016年のリオ大会で米国チームが銀メダル獲得に貢献した1人であった。2018年と2014年の世界選手権では、彼のチームは銅メダルを獲得した。帰還宣教師だったウィーラーは2006年にバイク事故に遭い、首の骨折により下半身と右腕の
一部の機能を喪失。ウィーラーの障害クラスは2.5点 (障害の最も軽いクラスは3.5点)に分類されるが、各チーム、ポイント合計が8点までの4人の選手がコートでプレーできる。
競技日程:車いすラグビーの予選は8月25日に始まり、決勝と3位決定戦は8月29日。
カナダ
シッティング・バレーボール:カナダ女子チームのペイデン・ヴェア(22歳)は、カードストン(アルバータ州)高校とレスブリッジ大学でサッカー選手として活躍、2018年には新人賞を取ったほどであった。夏休みの帰省中に芝刈り機の事故で両足を負傷。左足は残ったが、右足は膝から下を切断。2019年にシッティング・バレーボールのチームに入った。2020年の世界パラバレーの決勝でのヴェアの働きにより、チームは勝利し金メダルを獲得した。
競技日程:女子チームの予選は8月27日に開始。準決勝は9月3日、決勝は9月5日。
アイルランド
陸上競技:アイルランドの短距離走者ジェイソン・スミス(34歳)は、2008年の北京大会、2012年のロンドン大会、2016年のリオデジャネイロ大会の100メートルT13クラスで金メダルを獲得したが、今回の東京大会では再び金メダルを狙う。また2008年と2012年の200メートルT13クラスの競技でも、2つのメダルを獲得しているが、2016年はメダルを逃した。スミスは8歳の時にスタルガルト病の診断を受け、現在、法的盲人である。
競技日程:100メートルT13クラスの予選と決勝は8月29日。
ニュージーランド
陸上競技:リサ・アダムス(30歳)には脳性麻痺がある。今回の東京オリンピックで銅メダルを獲得し、今までに2つのオリンピック金メダルを獲得している姉のヴァレリー・アダムスから訓練を受けた。ニュージーランド・ロトルア在住のアダムスは3年前に砲丸投げを始めた。今回の大会では、F37クラスで協調運動障害を持つ選手らと競い合う。2019年、サウジアラビアのドバイで開催された世界パラアスリート選手権大会のF37クラスでは、世界新記録を出し、金メダルに輝いた。
競技日程:砲丸投げF37クラスの決勝は8月28日。
オーストラリア
陸上競技:オーストラリア・メルボルンのトッド・ホジェッツ(33歳)は2012年のロンドン・パラリンピック砲丸投げF20クラスで金メダルを獲得し、世界新記録を出した。2016年のリオデジャネイロ大会では、銅メダルを獲得。「ハルク」というニックネームを持つホジェッツは、8歳の時にアスペルガー症候群の診断を受けた。
競技日程:砲丸投げF20クラスの決勝は8月31日。
チリ
陸上競技:チリ・サンチアゴのマルガリータ・ファナンデス(33歳)は、2019年のパラパンアメリカン大会の1,500メートルT11クラス(視覚障害)で銅メダルを獲得。2016年のリオ・パラリンピックにも出場した。ファナンデスは5歳で網膜色素変性症の診断を受けた。
競技日程:1,500メートルT11クラスの予選は8月29日、決勝は8月30日。
ドミニカ共和国
競泳:ドミニカ共和国アズア出身のロルデス・アレハンドラ・アイバルは、膝を負傷した後、26歳で水泳を習った。現在32歳となったアイバルは、産業エンジニアとなり、今回、パラリンピックに初出場する。彼女は2019年にペルーのリマで開催されたパラパンアメリカン大会で、100メートル平泳ぎSB6クラスに出場し、銀メダルを獲得している。身長約130センチのアイバルには、骨粗しょう症と骨形成不全症がある。彼女は身体障害のあるクラスで100メートル平泳ぎ、50メートル自由形、100メートルバタフライに出場する。
競技日程:100メートル平泳ぎSB6クラスの予選と決勝は8月28日。50メートル自由形S8クラスの予選と決勝は9月1日。100メートルバタフライS8クラスの予選と決勝は9月3日。