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日本語の末日聖典,26年ぶりの改訂版がリリースされる

「日本語の末日聖典合本の更新版について発表できることをうれしく思いま

す。」日本語版末日聖典の26年ぶりの改訂版がリリースされたことが,2021年11月11日付けの大管長会からの手紙で日本各地の神権指導者に知らされた。インターネット上の電子版は即日公開されている。

聖典.ChurchofJesusChrist.org または,福音ライブラリーアプリにて)

この改訂版には、大管長会と十二使徒定員会による様々な調整が組み込まれている。ほとんどの調整は聖文研究のための脚注、教義と聖約の見出し、あるいは本文中の細かい誤字や意味の修正だという。印刷した改訂版末日聖典の発売時期については後に発表される。今回の改訂版発刊により,会員が現在使っている聖典を買い替えることは求められていない。

末日聖典の日本語出版は1909年,アルマ・O・テイラー訳『モルモン經』に始まった。

テイラーは,1901年夏に横浜へ上陸したヒーバー・J・グラントら最初の4人の宣教師のうち最年少(19歳)であり,若く柔軟な頭脳をもって日本語を習得した。

1905年,テーラーは第3代日本伝道部会長の責任を受け,モルモン書の翻訳に着手する。初稿は18か月で完成し,さらに18か月にわたって丁寧に推敲を重ねた。また複数の日本の知識人に翻訳文の批評を依頼する。ところが,テーラーが口語体で進めていた翻訳を彼らは文語体に直してきた。ここでテーラーは祈って熟考し,3年かけて翻訳した原稿をすべて文語体に書き直すという大きな決断を下す。その仕事は,夏目漱石がテーラーに紹介した新進気鋭の文学者・生田長江に依頼された。原稿は詩人の河井醉茗や学者の平井廣五郎の批評に回され,慎重に検討が重ねられた。

やがて心血を注いだ翻訳は完成し,『モルモン經』と題して1909年10月に刊行,特別装丁本が皇室と政府高官に献上された。初版の『モルモン經』は,本文や脚注の活字の組み方が,同時期(1910年)に刊行されたエミール・ラゲ訳新約聖書(カトリック教会初の日本語聖書)とよく似ており,当時の標準的な聖文のレイアウトであったと思われる。

同じ時期に札幌では,宣教師のジョン・R・ストーカーが,日本最初の教会書籍「末日聖徒イエス・キリスト教會略史」(1907年刊行)の翻訳を進めていた。この時点ですでに,定員会,ステーキ部,伝道部,聖餐式,神権,神会,大管長といった教会用語の日本語表現(造語)が定められ,今日まで受け継がれている。そうした用語を用いて1910年,甲府の会員であった白井襄次が任命されて「教義と聖約」の日本語訳がなされたものの,大管長会は時期尚早と判断し,出版には至らなかった。

格調高い文語で書かれた初版『モルモン經』は,戦前の日本伝道部が閉鎖されてからも,ハワイの日本人伝道部で日系人の改宗に大いに活用された。

戦後間もなく,進駐軍の兵士であったボイド・K・パッカーらによってバプテスマを受けた佐藤龍猪は,モルモン書の改訳を依頼される。戦後の伝道のためには,一般の人に広く理解される聖文が必要であった。佐藤は,神の言葉や啓示は文語体で格調を保ち,それ以外は口語体にするという方針で翻訳した。この『モルモン経』は1957年5月に刊行。同年12月には佐藤訳による『教義と聖約・高価なる真珠』(先の原則により,神の言葉として全編を文語体で記述)も刊行される。こうして,日本語で初めて「末日聖典」(triple combination)が揃うこととなった。

時代は降って1990年代,再び末日聖典の改訳プロジェクトが始まり,改訂版『モルモン書』『教義と聖約』『高価なる真珠』が1995年に発刊される。この時の改訂では末日聖典の全編が口語体となった。時代とともに文語体を読める人が少なくなる中,特に若い世代が理解に苦しんできた部分を分かりやすくした。その一方で,当時普及し始めたパソコンを用い,英語から日本語への用語対照が正確になされた。翻訳文においては,日本語として自然な文章にするため意訳されていた部分を,たとえ流れが多少ぎこちなくなっても原文に忠実に翻訳し直すという方針が執られた。このとき,聖餐の祝福の言葉も改訂された。巻末には英語版と同様に『聖句ガイド』『聖書のジョセフ・スミス訳(抜粋)』その他の資料が付け加えられ,聖文研究に一層の便宜が図られた。

それから26年を経た今回の改訂版に寄せて,大管長会は手紙の締めくくりにこう述べている。「会員が祈りの気持ちでその聖典から学び,教えるとき,証は強くなることでしょう。そして,日々の生活の中でさらなる導きを受けるようになることでしょう。」

書式ガイドの注釈:末日聖徒イエス・キリスト教会に関する記事で,教会の名称を最初に引用する際には,正式名称を使うようお願いいたします。教会の名称の引用に関する詳しい情報は,こちらへ: 書式ガイド書式ガイド.