ニュースリリース

“核となる価値観を崩すことなく”、意見の相違を“より良い方法”で解消する方法を勧めるオークス管長

バージニア大学の「2021年ジョセフ・スミス講演会」の演者として使徒が登壇

今日の米国においては、宗教団体や非宗教団体において存在する分裂は苦悩の元となり複雑なものであるが、大管長会のダリン・H・オークス管長は現在直面する対立へのより良い対処方法を提唱している。

2021年11月12日(金)の夜に行われたバージニア大学の「2021年ジョセフ・スミス講演会」において、末日聖徒イエス・キリスト教会大管長会第一顧問である使徒が、「わたしたちには今、信教の自由と差別のない社会について、新しく効果的なバランスを取ることが必要になっています」と話した。愛を持ち、耳を傾け、敬意を表し、話し合い、説得し、バランスを取り、寛容になり、協力し、和解し、相手を受け入れるという、キリストが教える価値観を強調しながら、オークス管長は“より良い方法”を取ること、つまり公益を求め、“核となる価値観を崩すことなく意見の相違を解消する”ことに焦点を当てた何らかの平和的な方法を模索するようにとキリスト教徒に話した。

「わたしたちは、自分たちはお互いを必要とし合っている仲間であるという現実を受け入れるべきです」とオークス管長は述べた。

オークス管長は、勝者が賞賛され、敗者が辱められる裁判所での訴訟問題として扱うのではなく、宗教指導者たちが一堂に会し、敵対する人々に法律とその他の方法を用いて歩み寄り、「信教の自由と差別のない社会という2つの事柄の間に存在する痛ましい対立を平和的に解決する方法を探し求めるべき」であると述べた。

異なる宗教を信じる人々の間での平和的解決へのアプローチに、教義的な違いの分析や、信条の詳細について深入りする必要はないとオークス管長は話した。

「異なる宗教団体が意見を一致させ、信教の自由が必要であるというお互いの思いが広く認識されるために必要なのは、神はわたしたちに、異教徒や異文化を持つ人を含めて互いに愛し合うようにという戒めを与えられたという共通の信念を持つことだけです。この共通の信念を持つことで、ラッセル・M・ネルソン大管長が自分たちの愛の輪を全人類の家族にまで広げるようにとわたしたちの教会の会員に勧めたように、すべての宗教信者が同様にするようにと招かれているのです」とオークス管長は語った。

オークス管長は、極端な意見から必要以上に影響を受けると、どちらが正しいか白黒をつけようと競うことから分裂や恨みが生じるため、そういった影響を避けるべきであると話した。競い合って得られる結果には持続性がないことが多く、そもそも結果が得られないこともあるため、互いを理解しともに平和に暮らす方法としては、決して好ましいものではないという。

オークス管長は、自分たちの自由がいくらか損なわれるかもしれないという恐れによって、隣人の信教の自由をないがしろにしてはいけないとも述べた。

そして「差別のない社会を提唱する人々と団結し、すべての人が法によって平等に守られ、信教の自由を行使する権利を尊重する文化や法律を求めましょう。信教の自由と差別のない社会という2つの事柄の正しい関係と正しいあり方は、善意を持って話し合うために必要な敬意を持ち、そして自分たちが求める自由と保護は自分たちだけのものではないと理解できるほどにお互いを十分に思いやることで実現できます。わたしは、米国が神の下の分割すべからざる一国家になることを誓いながら、霊感を受けて作られた[米国]憲法の元で信教の自由と差別のない社会が実現できるようにと願っています」と話した。

2021年11月12日(金)、バージニア大学の円形ホールにあるドームルームで開催された「2021年ジョセフ・スミス講演会」で講演する大管長会のダリン・H・オークス管長。© 2021 by Intellectual Reserve, Inc. All rights reserved.

ユタ州の妥協とリード・スムートの公聴会の事例

オークス管長は、ユタ州において6年(2009~2015年)にもわたり協議された信教の自由を求める人々とLGBTコミュニティとの対立する要望について言及た。この対立の結果として「ユタ州の妥協(Utah Compromise)」と呼ばれる法律が作られ、信教の自由が定義付けられ、LGBTの人たちの住居と雇用の保護が約束されることになった。

「『ユタ州の妥協』は政治以上のものを巻き込んで争われました。わたしたちの側には、神の律法と人が作った法律の両方を尊重するという原則がありました。誠意を持ってカイザルのものはカイザルに返すには、宗教的信仰心を持った人や宗教団体が、国の政府が自分たちのためにしてくれていることを認め、そしてその代償として人は自国と自国民に対して責任を全うすることについて信仰を持つことが求められます。すべての人は法律を遵守し、自由を保証してくれる国が掲げる価値観を尊重すべきなのです。わたしたちはそういう国に対して喜んで恩返ししなければならないのです」とオークス管長は語った。

どちらの側も譲歩せずに和解できない場合はどうすればいいのかについて、オークス管長は、「そのようなことはめったにありません。もしそのようなことがあった場合には、キリスト教会の20世紀初期の歴史の中で起こったことが、前進へと導く参考事例となるでしょう。1903~1907年に、米国上院議員であった使徒リード・スムートの立場について、全米で論争が巻き起こったことがありました。彼の教会指導者という立場と宗教的な行動によって、多くの人が彼を上院議員として認めたくなかったのです」と話した。

バージニア大学のモルモン学研究の学者であるキャスリーン・フレイクの言葉を引用し、オークス管長は「スムートの公聴会は、20世紀における新しい世代の米国人の中で、信教の自由を形作るものとなりました。賛否両論ある中で、最大数の人の利益が最大限に守られる結果が得られたのです」と述べた。

2021年11月12日(金)、バージニア大学の円形ホールにあるドームルームで聴衆と挨拶の言葉を交わす大管長会のダリン・H・オークス管長。© 2021 by Intellectual Reserve, Inc. All rights reserved.

「これは建設的な政治のあり方の本質であり、今日のわたしたちも見習うべきものです。スムート議員の公聴会から生まれた政治と宗教の関係を維持するための条件は、法律の遵守、政治的寛容、そして公共の利益に対する責任で、これはわたしたちがどちら側の立場にあるとしても、今日も適用できるものです」とオークス管長は話した。。

信仰による実りを目にする

オークス管長は、信教の自由は最終的に2つの事柄から切り離して考えられないという。1つ目は、米国憲法修正第1条で約束された信教の自由の中で道徳的な善悪の判断、結社、自由な行使が認められていることを認識し、それを支持することが必要であるとした。

さらにオークス管長は、「教会としてわたしたちは、人が自分の信じる教会の原則を実践できるように、宗教の自由な行使が保護されるように全力を尽くしています。それと同時に、わたしたちには基本的な公正性と法律の定めを守る責任もあります」と話した。

信教の自由を守る上で2つ目に重要なことは、最近発行された『今日のキリスト教(Christianity Today)』の特集記事に書かれているように、宗教には社会に益をもたらすというの良い面があることに、人々が目を向けなければならないということである。

今後も、宗教を信じる人々が神への愛の表現方法として、隣人に愛を示し仕えることで、それは続きます。…このように、信教の自由の重要性はより良く理解され、その自由はより強く守られることになるでしょう」とオークス管長は話した。

オークス管長は、宗教の自由と市民のリーダーシップを特に重視する「ジョセフ・スミス講演会」で講義を行う7人目の演者となった。過去の演者には、米国上院議員であり元副大統領候補のティム・ケイン、駐トルコ米国大使のジェフ・フレイク、元米国上院議員のハリー・リードなどがいる。

2021年11月12日(金)、バージニア大学のキャンパスに到着したダリン・H・オークス管長と妻のクリステン。© 2021 by Intellectual Reserve, Inc. All rights reserved.

オークス管長の講演への反応

キャスリーン・フレイク、バージニア大学モルモン学研究長

「講演会は学びの場になることはわかっていました。しかし、想像とは違ったものでした。講演した管長は説得力と知恵を携えていました。彼の愛国心がよく伝わってきましたし、わたしたちが行う必要のある事柄については、急を要することが伝わってきました。末日聖徒に話しかける時と、一般大衆へのメッセージを伝える時をとても注意深く分けていました。どちらの場合にも、彼が話す内容は現代を生きるわたしたちにとって、非常に重要なことでした。…講演に参加していたわたしの同僚たちは、オークス管長の講演を聞き、その内容を受け入れたそうです。そして、彼らは将来起こることを楽しみにしています。」

ダグラス・レイコック、バージニア大学法学部のロバート・E・スコット教授職を有する教授兼宗教学教授

「とても重要で歴史的な講演だったと思います。同性愛者の人権を擁護するコミュニティと、保守的な宗教信者のコミュニティの間には、多くの対立があったことは明らかです。…オークス管長が法学の一教授としてそれについて話すことと、非常に保守的な宗教団体の幹部指導者として差別のない社会を作るための法律を受け入れることが必要であると話すのは別のことでした。さらに自分たちには重要な道徳的問題に関して、考え方が大きく異なる米国人の仲間を尊重する必要があり、共存する方法を見つけなければならないと言うのは簡単なことではないでしょうが、これは非常に大切なことです。…世論を変えるのは困難ですが、少しずつ前進することでいつかそれが可能となります。講演では非常に重要な意見を聞くことができました。」

トーマス・グリフィス、コロンビア特別区巡回裁判区の控訴裁判所元裁判官

「今夜、オークス管長は主に宗教を持つ人々に話し、わたしたちに団結するためには妥協する必要があるとおっしゃっていました。クリスチャンとしてわたしは、世の中には深く傷ついた人がおり、市民としてのわたしたちの責任は、傷ついた人たちの苦痛を理解し、その問題に対処するためにできることをすべて行うことだと思います。信者がそのように行動することで、わたしたちが相互に理解し合えるようになる日が来ることを願っています。

「憲法を守り支持したいなら、友好的に愛を持って相互に敬意を払い、互いを尊重し、相手が必要としていることを受け入れるために最善を尽くす行動を取らなければなりません。憲法はそのためにあるのです。今晩の講演でなされた以上に憲法を明瞭に説明し、それを擁護する話は、ほかで聞いたことはないのではないかと思います。」

ティム・シュルツ、米国憲法修正第1条パートナーシップ会長

「すべての米国人が今晩の講演を聞くべきです。米国には、信教の自由とLGBTの権利に関してだけでなく、多くの問題と分裂があります。オークス管長は、前進への道を示してくれました。今夜の講演にみんなが耳を傾けるべきだと思います。…オークス管長の講演とユタ州の事例からも、自分が完全に賛同できない人々を守る法を通過させることは、自分の宗教的教えを少しも後戻りさせることはならないと、他の宗教団体の指導者たちも理解すべきです。個人のアイデンティティにより差別を受けてきた人が抗議運動を行うようになった今の時代にあって、多くの人が自分はありのままの自分であり続けても、他の人がありのままでいることに賛同するのは困難だと感じています。特に宗教指導者にとって今夜の講演は必要なメッセージだったと思います。」

書式ガイドの注釈:末日聖徒イエス・キリスト教会に関する記事で,教会の名称を最初に引用する際には,正式名称を使うようお願いいたします。教会の名称の引用に関する詳しい情報は,こちらへ: 書式ガイド書式ガイド.