2023年1月5日,福岡ディストリビューションサービスストアがオープンする。ディストリビューションサー ビスストア(以下DSS)とは,神殿着やガーメントなどの衣類と,聖典やテキストや機関誌など教会発行の書籍を取り扱う店舗で,通常は神殿に併設されている。
日本福岡神殿は2000年にゴードン・B・ヒンクレー大管長によって奉献された小規模神殿である。2021年6月,福岡神殿にDSSが設置されていないことが教会本部とアジア北地域の会議の議題に上った。教会本部はすでに,すべての神殿にDSSが併設されるよう方針を変更していた。管理ビショップはその方針を会議で伝え,福岡神殿地区の会員たちが以前からストア開設を要望していることも踏まえて,他の神殿と同様に福岡DSSの設置が決まった。
サプライチェーンの混乱の中で
2022年4月,アジア北地域エリア配送マネージャーの松永正行兄弟が責任者となり,福岡DSSの開設に向けて動き出した。福岡神殿の敷地内にDSSを設けるのは難しかったので,神殿の近くに場所を探すことから始める。ほどなく,神殿に最寄りの交差点に面した瀟洒なビルの一階に空き店舗が見つかった。店舗内のレイアウトが決まり,6月には管理ビショップリックの承認が下りた。8月末に工事着工,並行して商品の発注を掛ける。店舗内に設置する15個の陳列棚はアメリカで製造され,通常ひと月ほどで納入される。全てが滞りなく進んでおり,松永兄弟は胸をなで下ろした。
ところが,良くない知らせが入る。世界的な木材不足のために棚の製造が遅れるという。加えて,福岡DSSは新設なので商品の数も膨大になり,納品に遅れが出始めた。物流で使用するコンテナも不足し,船便での輸送も円滑には行かない。さらに世界的な半導体不足によりエアコンの納入も遅れる……スケジュール表とにらめっこの日々が続いた。松永兄弟はすがる思いで祈り続ける。「デットラインより一日でも遅れたら全てがやり直しとなります。祈ることしかできませんでした。教会の業は担当者がきちんと仕事をすればいいというものではなく,主の力を借りなければできないと再認識しました。」
12月に入り,陳列棚はようやく日本に着いた。しかし,税関でまたもや足止めを食う。松永兄弟は,「このように何度も待たされ,時間がかかるのは,人智では計り知れない主の配慮があるのかもしれない。主のタイミングで物事を進めてくださるように,とにかく最善を尽くそう」との謙遜な思いになったという。
福岡DSSが担うもの
日本のDSSの中では後になったものの,福岡DSSは無事に1月のオープンを迎えた。その特徴について松永兄弟は,「後の者が先になる」(マタイ20:16)の聖句に寄せて嬉しそうに語る。
「福岡DSSは日本のどのDSSよりも広い店舗です。試着室が2つあり,ゆっくりと落ち着いて商品が選べる環境になります。」また,福岡DSSが,神殿参入する福岡神殿地区の会員に仕えられるよう配慮しているという。特に,初めて参入する会員や伝道に出る会員が,体に合った神殿着やガーメントを身に着けることによって,神殿の儀式の間,物質的なことに煩わされず,霊的なことに集中できるように願っている,と松永兄弟は言う。
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改修のため,2022年8月1日から4か月間にわたって休館していた福岡神殿は12月1日から再開された。福岡DSSが新設されたことは,神殿参入者にとってさらなる祝福となる。
福岡ステークの甲斐大介会長は「福岡神殿のリニューアル及び,ディストリビューションサービスストアのオープンにとても喜んでいます」と話し始める。
「『福岡』という漢字はわたしにとって神殿を思い出す言葉です。縦に書くと『岡(丘)』の上に『福』があり,文字通り福岡市内の丘の上にわたしたちの幸『福』の鍵があることを思い起こさせます。神殿参入と,神殿での聖約を守ることを通して,わたしたちはキリストに固く結ばれ,またこの世のあらゆる重荷を下ろすことができます。ネルソン大管長は『神殿にいる時間を増やすと,他の何をするよりも生活が祝福されると約束します』と教えられました。『いつか行こう』,『時間があるときに行こう』ではなく,ぜひ定期的に参入する計画を具体的に立てて,皆さまが神殿を頻繁に活用し,(霊的な)喜びと休息と強さを得られるように願っています。」 ◆
● 福岡DSS 営業時間 *
木 17:00−19:00
金 11:30−13:00 17:00−19:00
土 7:30− 8:45 10:15−13:00
*2023年1月現在。福岡神殿の儀式スケジュールに応じて変更の可能性があります。最新の情報をウェブサイトでお確かめください。
福岡DSS webページ> https://bit.ly/3hZNJ0A