12月のこの時期、今年も多くの兄弟姉妹が「世界に、光を」(Light the world)の合言葉とともに、さまざまな方法でキリストの光を輝かせた。クリスマスは特にそれらの良い働きがクローズアップされる時期であるが、会員たちは1年を通して多くの人々の心に届く奉仕を行ってきた。本記事では東京ステークの2つのユニットで行われた奉仕活動を紹介する。
近隣地域の除草作業を行う所沢ワードの会員たち
2023年8月26日、所沢ワードの会員たちが教会堂周辺の自治会の要望を受けて除草作業を行った。教会の集会に来られている方の自治会で除草作業の要望があり、今回の作業が実現した。所沢ワードでは初めての試みに、プライマリーの子どもたちや宣教師を含む19名が参加、自治会からも1名の方の参加があった。
作業日当日、参加者は軍手や給水等を用意して集まり、暑さを避けて早朝から作業を行った。普段教会の環境整備に使われている除草用具やカギ鎌を手にして黙々と除草作業に取り組む。近隣の迷惑にならないよう作業は静かに行われたが、通りかかる近所の方とは朗らかに挨拶を交わし合う姿が見られた。除草作業は人々の熱心な働きにより1時間で終了した。
この度の活動計画を担当した長老定員会からは「コロナになり、教会員との交流も少ない中、(奉仕の)良い機会となりました。」「朝早い時間、かつ蒸し暑かった環境でしたが、子どもからご年配の方まで参加され、近隣地域に多少なりとも貢献できてよかったと思います。」との声が聞かれた。また参加した会員からも、家族で参加できてよかった、また行いたいという声が上がった。
所沢ワードの会員たちは、この度の「雑草を刈り入れる」という行いが近隣地域に新たな福音の種を蒔く機会となったという手ごたえを感じている。これからも様々な形で地域と関わり、奉仕を続けていくことを願っている。
浦和ワードの献血活動が10周年を迎える
2023年9月16日、浦和ワードにおいて前さいたまステーク時代から続けてきた献血活動が10周年を迎えた。献血を通して社会に奉仕するという理念に基づき、続けられてきたこの活動は、日本赤十字社が主催し、浦和ワードが様々な奉仕で協力するというスタイルで行われている。
献血活動当日、教会の周辺には横断幕、のぼり、大型のキャラクター風船などが日本赤十字社の手により設置され、さらに広報車を出して献血の協力の呼びかけが行われた。
献血は浦和ワードのホールに前日搬入された採血用ベッド6台で効率よく行われる。日本赤十字社のスタッフには扶助協会の姉妹たちから感謝を込めてサンドイッチが用意された。子どもや当日採血できなかった人々にもかき氷、ポップコーンなどのスナックが振る舞われた。
浦和ワードの岡野久子姉妹にとって、この日の献血が20回目の献血となった。「16歳の時、奉仕活動の一環として献血を始めました。体調の悪い時もあったので50年かけて20回目ですけれど、諦めずにずっと続けてきたのでうれしいです」と笑顔を見せた。
多くの方の協力によって続いてきた献血活動
今年で10年目を迎えた活動の継続には苦労もあった。日本赤十字社のウェブサイトには献血バスを呼んだり、職場や公共施設で献血を行ったりする際の協力人数*1が記されている。何人が献血に協力してくれるのか、毎回頭を悩ませてきたという。また、献血には16歳~69歳という年齢制限があるため、これまで熱心に協力してくれた人が「卒業」してしまう問題もある。
献血活動を開始当初から担当してきた興津勲兄弟(ステーク献血スペシャリスト)は、そのような中で活動が10年続いたのは多くの方の協力のおかげだという。「ステークを越えて参加してくださる方や、地域にも協力してくださる方が多くおられました。また、もともと浦和ワードには何十年も献血ルームに通っている方がたくさんおられたことも続いた理由だと思います。」
新しい若い世代の参加者を増やすという課題に向き合いながら、これからも献血活動を続けていきたいと考えている。
献血活動によって「愛し、分かち合い、招く」
興津兄弟は、献血活動が教会の提唱する「愛し、分かち合い、招く」モットーに合致した活動であると考えている。「普段は宗教団体としてのみ捉えられがちな教会堂に、一般の方にもよく知られている日本赤十字社が入ることで気軽に教会に足を運んでいただけるというメリットがあります。そこで教会員と交流し、教会の取り組みを理解していただくことで、教会は安心できる場所だと知っていただける。(イエス・キリストの愛の)種まきとしては良い活動だと思います。」
前さいたまステーク会長で、現在東京ステーク会長会顧問を務める工藤雅道兄弟も教会員が献血活動に携わる意義を強く感じている。
「イエス・キリストは、私たちのために血を流されました。この献血活動は、知恵の言葉と純潔の律法を守っている末日聖徒イエス・キリスト教会の会員にはとても良い活動だと思います。……私たちが人を集めることができて、献血のできる場所を提供することができれば、全国どちらもステーク、ワードでも行うことができると思います。名前の知らない方に血液を提供(共有)して、愛を示し、周辺の方々をお招きするということなのです。」
※1 各都道府県によって異なるが、おおむね献血バス1台を半日配車する場合は20名以上、1日の場合は50名以上の協力人数を求められる場合が多い。詳しくは各都道府県、地方自治体の日本赤十字社ホームページを参照。