ニュースリリース

ノートルダムサミットにおいて「信仰の音楽に耳を傾けない」ときに失うものについてクック長老が説明

インターフェイス(宗教間)の協力について話し合うパネルディスカッションに、ティモシー・ドーラン枢機卿、ジャックリーン・リバーズ博士、ラビ・メイアー・ソロヴェイチクとともに十二使徒が参加

6月28日(月)に設けられた場所は、インターフェイスの協力に関してパネルディスカッションを行うのにふさわしい場であった。末日聖徒イエス・キリスト教会の一人の使徒が、カトリックの枢機卿、ペンテコステ派の学者、そしてユダヤ教のラビとともに、第1回の宗教の自由サミットに出席するため米国のカトリック大学に集まった。

2009年からニューヨークの大司教を務めるティモシー・ドーラン枢機卿は、ノートルダム大学で開催された第1回の信教の自由サミットで基調演説を行った。その後、十二使徒定員のクエンティン・L・クック長老、ペンテコステ派の信者であり黒人の教会と政策を研究するセイモア研究所のディレクターであるジャックリーン・リバーズ博士、そしてニューヨークのユダヤ教徒が集まるコングリゲーション・シアリス・イスラエル(Congregation Shearith Israel)のラビであるメイアー・ソロヴェイチクの3人が続けて講演を行った。

クック長老は、今日、宗教はその良さが見過ごされることが多く、否定的にとらえられがちであると話した。あるユダヤ教指導者の言葉を借りてクック長老は、今日の多くの人々が「信仰が奏でる音楽に耳を貸さないでいます」と嘆いた。そしてクック長老は、宗教がもたらす2つの祝福である「責任」と「良い行い」について話した。

「わたしたちはお互いの関係について、神に対して責任を負っていますが、その責任はよい行いを促す力強いパワーとなり、民主主義を強く支持するものです。神に対して責任を持つことで、社会が一致するために必要となる最も重要な価値観を支えることができ、また社会に祝福をもたらすことにもなります」とクック長老は話した。

クック長老は、ウィリアム・ウィルバーフォース(英国)やクエーカー教徒(初期の米国)のような信仰深い人々が奴隷制の廃止に向けて行動を起こした際、宗教がいかに役立ったかを話した。また、1960年代の米国においては、マーチン・ルーサー・キング・ジュニアのような信仰を持った人々が、市民権獲得に向けた運動の原動力となったことを指摘した。

クック長老は、米国の憲法に盛り込まれた原則(信教の自由など)を支持することと、少数派グループの権利を擁護することは、同じではないと語った。そして、「憲法を支持することと、人種差別や社会に存在する不当行為に打ち勝つための解決策を力強く、平和的に提唱することは、相反することでもありません。いかなるレベルの人種差別もなくさなければならず、それを達成するためには、宗教的な確信を持つことが最も大きな力の一つであることが過去の歴史から示されてきました」と述べた。

宗教を持つ人々のよい行いを世にさらに広く知らせるためには、宗教団体は協力して尽力しなければならないとクック長老は話した。

「すべての宗教が一丸となって信教の自由を守らなければならず、それは多様な宗教信者を守ると同時に、信仰を持たない人をも守るものでなければなりません。そして、カトリック教徒、福音派信者、ユダヤ教徒、イスラム教徒、末日聖徒、その他の宗教信者が、信仰を持つ者の連合体となり、世界中の信教の自由を擁護して広め、聖地として行動しなければなりません。自分の宗教を守るだけでなく、それぞれの宗教の権利を守り、独自の教義を信じ、律法を守る権利を守らなければなりません」とクック長老は話し、サミット参加者に「世に広まる不信仰と分裂に立ち向かってください。これを行う最良の方法が皆さんにはわかるでしょう。この世では宗教と一致が軽んじられることが多いですが、宗教信者として先頭に立ち、世の中に一致を見出してください」と呼びかけた。

ドーラン枢機卿、リバーズ博士、ラビ・ソロヴェイチクの講演のまとめ

ティモシー・ドーラン枢機卿

ドーラン枢機卿は、「信教の自由を守ることは、圧政的な党派心のある右派の考え方であり、無意味な改革運動である」という世に広まりつつある誤解を正すように信者らに奨励するために、4つの点について分かち合った。

  1. わたしたちは、自分たちが信者であるからという主な理由だけではなく、わたしたちが米国人であるという理由から、信教の自由を支持する。
  2. 信教の自由の擁護は、歴史的に「通常、進歩的であり革新的な運動だと考えられてきた。」
  3. わたしたちは、政府を宗教から守るためではなく、宗教を自由に信仰する権利を守るために、信教の自由を尊重する。
  4. わたしたちの文化では、宗教に対する考え方が、公共広場で行われる宗教を奨励することから、「信仰によって霊感を受けて語られるいかなる言葉に対しても、完全な敵意を示すもの」へと変化した。

「わたしたちが望んでいることは、セシル・カルバート、ロジャー・ウイリアムス、ウィリアム・ペン、そしてジョン・キャロルと同じで、妨害しないでいただきたいということです。聖職者で愛国者だったジョナサン・エドワーズとブリガム・ヤング、奴隷解放運動家だったウィリアム・ジェニングス・ブライアン、シーザー・チャベス、ドロシー・デイ、ラビ・アブラハム・ジョシュア・ヘスケル、そしてマーチン・ルーサー・キングとともに、わたしたちが求めていることは、信仰に裏打ちされた良心が存在するという確信を、一般の人々の生活に届ける自由です」とドーラン枢機卿は話した。

2021年6月28日、ノートルダム大学で開催された信教の自由サミットに参加したクエンティン・L・クック長老(左)、ジャックリーン・リバーズ博士(中央)、ティモシー・ドーラン枢機卿(右)。© 2021 by Intellectual Reserve, Inc. All rights reserved.

ジャックリーン・リバーズ博士

リバーズ博士は黒人の教会の視点から信教の自由について話した。信教の自由はアフリカ系米国人にとって、足かせであると同時に祝福でもあった。例を挙げると、信教の自由は奴隷制を継続させる元にもなると同時に、奴隷解放運動を推し進める力にもなっていた。

リバーズ博士は、黒人のキリスト教徒は「力強い信仰を持ち、積極的に情熱を注ぎます」と話した。しかし、信教の自由となると、彼らの歴史はリソースとして重要視されておらず使われてもいない「眠る巨人」であるという。その理由は、信教の自由に最も尽力した人々の何人かは、人種差別に反対しなかったというのである。

「もしわたしたちがこういった障壁を取り除き、黒人の教会を完全に調べれば、信教の自由を推し進めるために多くのことができます。わたしたちは自分の信仰に従って生きる自由を持たなければならないのです。そして宗教を持っていない人にも同様に、自分の良心に従って生きる自由があるのです。わたしたちには眠る巨人を起こす必要があります」とリバーズ博士は述べた。

ラビ・メイアー・ソロヴェイチク

キリスト教徒である友人の経験を分かち合いながら、ラビ・ソロヴェイチクは「政府が国民の宗教実践に圧力をかけてくることは理解できます。ですから、圧力を受けた経験があるからといって、すぐに悲嘆にくれる必要はありません。こういった圧力があると知ることで、すべての人がいつも自分たちに優しく接してくれるわけではないことを知ったキリスト教徒が、そのショックから早く立ち直る助けになるでしょう」と話した

また、「今日の世の中で信仰を持つということは、社会から仲間外れにされ、または隣人として受け入れられることがあるということを学ばなければなりません。異なる宗教を持つわたしたちがより親しくなり、お互いから学ぶことが許されたということは、新しいことへの挑戦として歓迎すべきことです。…わたしたちの時代の行く先には困難が待ち受けている可能性が示されていても、まずわたしたちは異なる宗教信者としてお互いを認めたのです。少なくとも、それは喜ぶべきことです」とラビは述べた。

書式ガイドの注釈:末日聖徒イエス・キリスト教会に関する記事で,教会の名称を最初に引用する際には,正式名称を使うようお願いいたします。教会の名称の引用に関する詳しい情報は,こちらへ: 書式ガイド書式ガイド.