ニュースリリース

フィリピン宣教師訓練センターが実施したバーチャル訓練で、最初のグループが訓練を終了する

新型コロナウィルスパンデミック対策としての一時的変更

3月20日、アナ・リサ・トレスはフィリピン宣教師訓練センター(MTC)の人気のない教室に入り、初日の訓練を行った。

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MTCインストラクターのアナ・リサ・トレス姉妹2020 by Intellectual Reserve, Inc. All rights reserved.
                                

トレスが教える10人の宣教師は、彼女のラップトップパソコンの向こう側で、バーチャル宣教師訓練の第一回目が始まるのを待っていた。

通常、末日聖徒イエス・キリスト教会の宣教師の奉仕活動は、19~40日間の訓練を受けるためにMTCに着いた時点で始まるのであり、オンラインでの訓練は、大管長会と十二使徒定員から出された新型コロナウィルス禍での伝道活動の変更に関する手紙に準じて取られた措置である。

帰還宣教師のトレスは、フィリピンMTCで雇用されている50人のインストラクターの一人として、アジア唯一の訓練施設で、2年3か月の間宣教師の訓練に携わってきた。

トレスにとってバーチャル訓練は初めての経験であり、オンラインセッションを終えてこう語った。「少し変な感じでした。MTCの訓練をバーチャルでできるなんて、考えたこともありませんでしたから。」

 

オンライン訓練の開始から、一日が過ぎ、一週間、二週間と過ぎてゆくうちに、トレスは、自分と宣教師を助ける主の御手があり、実際に生徒を前にして行うときとほぼ同じ経験ができることを知った。

トレスは言う。「バーチャル訓練が始まって、すでに2週間以上たちますが、わたしはうまく適応していると言えます。慣れているのは、直接宣教師を前にして行うこれまでのやり方ですが、すばらしい宣教師たちにバーチャル訓練をするときも、同じ御霊を感じました。」

2020年4月8日、最初のグループに対するバーチャル訓練は成功裏に終了した。この日は、フィリピンMTCの歴史に刻まれる日となるはずである。歴史の節目となるこの画期的な方法を可能にしたのは、信仰と祈りと犠牲だった。

信仰と祈り、そして数え切れない犠牲の物語

セブにあるフィリピン・エスカランテステークのランガ姉妹は、MTCの訓練がオンラインで行われることを伝える電子メールを宣教師部から受け取ったとき、不安に思った。同じグループの他の多くの宣教師同様、ランガ姉妹はノート型パソコンを持っておらず、自宅のインターネット接続も不安定だったからだ。「少し大変でした。訓練に必要な機器をどこで見つけられるか分かりませんでしたし、どうしたら[コミュニティ隔離の強化対策として政府が設定した時間までに]早く帰宅できるかも分かりませんでした。とにかく祈りました。そうしたら、神は全部用意してくださいました」と、姉妹はその時の状況を話してくれた。

神の助けと地元の教会指導者の支援を受けて、ワード(教会員のグループ)の集会場で訓練を受けることができたランガ姉妹は、フィリピン・アンヘレス伝道部で奉仕することになっている。

一方、ブラカンのサンホセ・デル・モンテ北ステークのレガチョ長老は、自宅ではないがある家でオンライン訓練を終了した。

「近所に住むある家族が、場所とインターネットが使える環境と、他にも訓練に必要なものを提供してくれました」と、レガチョ長老は言う。フィリピン・ブトゥアン伝道部に召されたレガチョ長老がMTCのバーチャル訓練を通して学んだことは、神は、人々の優しさと寛大さを通して戒めをやり遂げる方法を与えてくださるということだった。

オンライン訓練で一番学んだことは何かと聞かれ、「すべて自分の計画通りに進むわけではないけれど、MTCの訓練の大事な目的は達成できる、ということでした」と、長老は答えた。

レガチョ長老と同じ、パンガシナンのフィリピン・アギラール地方部出身のデ・セスト姉妹も同じ考えだ。「実際にMTCにいたわけではありませんでしたが、訓練中は毎日、良いことが放つどんな小さな輝きも逃さないように最善の努力をして自分を備えました。御霊は確かにわたしを助けて導いてくれました。それが分かりましたし、感じました。」

フィリピン・ダバオ伝道部に召されたデ・セスト姉妹は、バーチャル訓練を障害ではなく、信仰を強める経験だったと考え、こう話す。「オンラインで訓練を受けることになるなんて、誰も思っていませんでした。でも恐らくこれは、わたしたちの信仰と忍耐を試みるために天のお父様によって用意された方法だったのでしょう。」

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宣教師訓練を受けるデ・セスト姉妹2020 by Intellectual Reserve, Inc. All rights reserved.
                                

様々な障害やテクノロジーの難しさ、コミュニケーションの取りづらさを経験しながら、宣教師たちは、従順と併せて、信仰と忍耐を学んでいった。

さらに、このオンライン訓練から学びを得たのは宣教師だけではなかった。家族、地元の教会指導者、教師、さらには近隣の人々も、MTCのバーチャル訓練が成功するように力を尽くす約束をしたことで、奉仕についてさらに多くを学ぶことができた。

宣教師がクラスの課題を果たしたとき、その影にはいつも、信仰と慈愛と寛容さを持った人々の協力があった。最初のMTCバーチャル訓練成功の中心にあったのは、何時間もかけて礼拝堂へ歩いて往復する日々であり、自宅で会ったばかりの末日聖徒を歓迎する教会の会員たちであり、インターネット接続を共有してくれる人、苦しい生活費の中からプリペードのインターネットデータを購入してくれた人たちであった。

実際、バーチャルMTC訓練は、フィリピンでよく知られた「バヤニハン」の最高の形を引き出す結果になった。バヤニハンとは、目的を果たすために地域が一致して努力、協力し合う慣習のことを言う。伝道の業の中で共通する目的とは、「イエス・キリストとキリストの贖いを信じる信仰、悔い改め、バプテスマ、聖霊の賜物、そして終わりまで耐え忍ぶことを通して回復された福音を人々が受け入れるように彼らを助けて、人々をキリストのもとに来るように招くこと」である。

困難に勝る祝福

バーチャルでの宣教師訓練に対する最初の反応は様々だった。多くは喜んだが、がっかりした者もいた。

例えば、リベラ姉妹はそれまでずっと、通常のMTCでの訓練を楽しみにしていた。リベラ姉妹は心の内を明かして,こう言っている。「わたしは、MTCで他の宣教師たちと一緒に訓練を受けることを本当に望んでいましたから、悲しくてがっかりした時もありました。」

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リベラ姉妹2020 by Intellectual Reserve, Inc. All rights reserved.
                             

しかし、フィリピン・カガヤンデオロ伝道部に配属されたリベラ姉妹は、オンライン訓練の良さと共に、付随する利点も知ることができた。「わたしは、このグループが特異な訓練の先駆者だってことに気がついたんです。それはうれしいことでした。MTCのバーチャル訓練によって家族との関係も深くなりました。」

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地元の教会集会場で宣教師の訓練を受けるペンゴイ長老2020 by Intellectual Reserve, Inc. All rights reserved.
                          

一方、ペンゴイ長老は、より従順に従い、自己管理することを学んだと話す。「一人でいるときでも[宣教師規則を]守ることを学びましたし、時間を賢く使うこと、テクノロジーを正しく使うことを学びました。」ペンゴイ長老は、移動禁止令が解けるのを待ってフィリピン・ウルダネタ伝道部で奉仕することになっている。

フィリピンMTCで訓練・運用管理者を務めるハバンネ・アル・ロペスは、在宅での訓練には難しいことがあると言う。「在宅でとなると、ほとんどの場合、そこにいる宣教師はその人一人だけです。その中で、宣教師の基準を守って生活するのです。真の弟子でいなければなりません。」

ペンゴイ長老初め、バーチャル訓練を受けた最初のグループの宣教師の多くが、この特殊な訓練の経験を通し、教科内容を超えて、特に弟子であることの本質を学んだと言っている。

また、MTCの教師たちもバーチャル訓練の祝福を受けた人たちだった。帰還宣教師のロセリン・バタンは、オンラインによる宣教師との交流が、彼女をキリストの弟子としてさらに成長させてくれたと話す。

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オンラインで指導するバタン姉妹2020 by Intellectual Reserve, Inc. All rights reserved.
                       

「若い宣教師の信仰と犠牲を目の当たりにしたことで、わたしも人々に対し、伝道活動に対して、さらに愛を深めることができました。」

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スペイン語による訓練を行うMTCインストラクターのメロディ・ボルハ姉妹2020 by Intellectual Reserve, Inc. All rights reserved.
                    

スペイン語を教えるメロディ・ボルハも、伝道活動の新しい可能性に気づかされたと話す。「MTCのバーチャル訓練でわたしたちは、突然起きたパンデミックの最中でも、主の救いの業は前進することを目で見、知ることができました。また、学び、成長するための特別な機会ともなりました。」

一時的な解決方法

フィリピン初め世界のどの場所でも、末日聖徒イエス・キリスト教会の伝道の業は、可能なあらゆる方法を通してこれからも続いてゆく。

このバーチャル訓練、新しく、なじみのないものではあるが、宣教師訓練センターでの対面訓練に劣るものではない。方法に変更はあっても、原則に変更はなく、バーチャル訓練も対面訓練と同じ原則で進められる。

「わたしたちは、バーチャルMTCで宣教師にオンラインで教えているだけでなく、オンラインで教える方法を宣教師に教えています」と、ロペスは言う。

新型コロナウィルスパンデミックの脅威が続く中、伝道活動を継続するために取り得る最善の選択肢が、オンライン訓練であり、布教活動であり、福音を教えることである。

書式ガイドの注釈:末日聖徒イエス・キリスト教会に関する記事で,教会の名称を最初に引用する際には,正式名称を使うようお願いいたします。教会の名称の引用に関する詳しい情報は,こちらへ: 書式ガイド書式ガイド.