ニュースリリース

伝道活動の未来を思い描く

みんなが利用できる新型コロナウイルス感染から学んだ教訓

十二使徒定員会 ディーター・F・ウークトドルフ長老

Sharing the Gospel In Challenging Times
十二使徒定員会 ディーター・F・ウークトドルフ長老© 2020 by Intellectual Reserve, Inc. All rights reserved.
     

過去数カ月にわたり伝道活動にもたらされた変化は前例のないものでした。多くの宣教師を自国に帰した一方で、伝道地に残る宣教師もいました。この間、地元の宣教師訓練センターに入所中の宣教師や、新型コロナウイルス禍という困難な状況で伝道を続ける宣教師からの多くのメッセージがわたしの元に届きました。彼らは、自分たちにできないことではなく、できることに焦点を当てていることを分かち合ってくれています。どのような状況にあっても、幸せでいられることを学んでいます。スマートフォンやインターネット環境のない宣教師もいますが、社会的に他の人々との交流を持ち、希望と平安という福音の教えを広げる手助けをしています。

すでに起こったことについて、そして将来に目を向ける中で、「この経験から何を学べるか?」について考えたいと思います。この困難な時期に、主はわたしたち一人ひとりのために、学びの機会を準備されていると感じています。

ソーシャルメディアとテクノロジー

義にかなった計画的なテクノロジーの利用によって、わたしたちは多くの良いことを学び続けています。インターネットやソーシャルメディアによってもたらされる弊害のために、わたしたちはそういったテクノロジーを時に敵とみなすことがあります。しかし、インターネットは正しく利用すればわたしたちの友となることができます。

新型コロナウイルス禍において、人々との交流のためにテクノロジーを用いる方法について、わたしたちは天からの個人的な啓示を求めることができます。宣教師が、普段は考えない方法でテクノロジーを用いて、イエス・キリストの福音を分かち合うことに成功した経験談が数多く届いています。わたしたちは、救い主から任された大切な御業を果たすためのテクノロジー利用方法を模索すべきです。「わたしの完全な福音が弱い者や純朴な者によって世界の果てまで…宣べられるためである」(教義と聖約1:23)

未来に向けたわたしたちの目標は、インターネットをもっとうまく利用して福音を宣べ伝え、神の子らを祝福することです。そして、ソーシャルメディアによる交流を含め、日々の行動を通して、隣人に「来て見る(come and see)」、「来て手伝う(come and help)」、「来て一緒に時を過ごす (come and join)」ように招くことです。自然で普通の方法によって主の福音を分かち合うために、テクノロジーをどのように利用すればよいかについて、わたしたちが主の助けを求めるときに、主はわたしたちを導いて下さることをわたしは証します。

コミュニケーションの力

宣教師たちが定期的に家族と連絡を取ることができるようになったのは大きな祝福です。これによって、世界中の家族、宣教師、指導者らが共に働き、互いを支え合う姿を見ることができるようになりました。連絡を取ることによって、宣教師と家族が困難な時期に互いを支え合うことができるようになりました。自分の力ではどうにもならないことに注目するのではなく、宣教師とその家族らは自分たちが置かれた状況の中でも変えられること、コントロールできることに注目しています。

わたしたちが今回の経験から学び、将来に生かせることがあります。主はわたしたちに「もしあなた方が一つでなければ、あなたがたはわたしのものではない」(教義と聖約38:27)と教えられています。今回の経験は、わたしたちが団結して事を行えば、主の助けを得て、勝利を収めることができることをさらに証しするものとなりました。

終わりに

伝道活動の未来は明るいものです。わたしたちは今すでに多くを学んでいる一方で、わたしたちが主の福音を分かち合う新しい方法を求め、主の教えに耳を傾けるときに、主はさらに多くの学びの機会をわたしたち全員にくださいます。今回の経験からわたしたちが最大限に学ぶべき時は今です。今は、わたしたちの人生でコロナ前にうまく行かなかったことを残念がる時ではなく、希望を持って将来に目を向けるべき時なのです。わたしたちがこの試練を用いて、さらに洗練され、啓発され、力を付け、新たな気持ちで前進することができるようにお祈りしています。

ハリエットとわたしは宣教師と、霊的および社会的に近くにいて彼らを支援してくださるすべてのご家族に愛をお伝えし、また彼らのためにお祈りしています。

新型コロナウイルス禍の宣教師の経験

わたしは世界中の宣教師から多くの驚くべき経験について聞いています。新しく素晴らしい方法で福音のメッセージを分かち合い、彼らは幸せを感じています。彼らから学べることは多くあります。彼らの経験を以下に少し紹介します。

マークを助けてくれる人を海外から探す - アドリア海南伝道部

Adriatic missionaries-DFU
Sister Pelucchi, Sister Edwards, and Sister Vennerholm in the Adriatic mission.© 2020 by Intellectual Reserve, Inc. All rights reserved.
              

「宣教師としてしばらくレッスンを教えているマークという友人がいます。彼は自分が信仰を持っていた宗教でバプテスマをすでに受けていたにもかかわらず、なぜ自分がバプテスマを受けなければならないのか理解できませんでした。彼にとってバプテスはとても大切で、自分の誕生日のお祝いはしないのに、自分のバプテスマの日はお祝いをしていました。ですから彼は、再びバプテスマを受けなければならないことが理解できずにいました。」

「それについて祈って欲しいと彼にお願いしたところ、彼は祈ることを約束してはくれましたが実際には祈りませんでした。次に会ったときには『もうすでにバプテスマは受けています』というだけでした。この状況と、どうやったら彼を助けられるかについて、わたしたちは何度も考えました。マークはフランス語を話したので、ペルッチ姉妹(フランス出身)はマークのレッスンに立ち合ってもらえるフランス語を話せる自分の出身地の教会員の何人かを考えました。伝道地にはフランス語を話せる教会員は多くいなかったからです。 」

「最初に思い浮かんだのはフレンジーでした。彼は非常に素晴らしい教会員でした。フレンジー立ち合いの元にマークを教えたところ、レッスンは信じられないほどうまく行きました。神権について話しましたが、フレンジーはマークが理解できる言葉を使って助けてくれました。信じられませんが、レッスンの後、マークは神権について理解できたと話し、自分がバプテスマを受ける必要があるのかについて、本当にお祈りすると言ってくれました。」

「外出禁止はそんなに悪いことではありませんでした。実際に会って教えることができないのは辛いことですが、外出禁止がなければ伝道地以外の国の人に、伝道地の友人を助けてもらうなど考えもしませんでした。求道者とレッスンを分かち合い、教会員は重要な役割を果たします。ペルッチ姉妹には、フレンジーに助けを求めるようにという考えは、神から霊感を受けたから起こったものだということがわかりました。神はご自分の子供たちのために計画をお持ちです。わたしたちが外出できないときにも、神は御業を進めるためにわたしたちを導いておられます。」― ペルッチ姉妹、エドワーズ姉妹、ベンナーホルム姉妹

イタリアでの勉強会がもたらした成功 ― イタリア・ミラノ伝道部

Milan Italy missionaries-DFU
Sister Ceraso and Sister Plumb in the Milan Italy mission.© 2020 by Intellectual Reserve, Inc. All rights reserved.
            

「教会員と求道者のグループで勉強会を立ち上げて、とてもうまく行っています。一つの例ですが、わたしたちはイザベラという名前の教会員を妻に持つマルオを教えていました。マルオとイザベラは、毎週、異なる家族を招待して行われた『わたしに従ってきなさい』の勉強会に参加していました。招待された家族は、マルオとイザベラが自分たちのことを思いついて招待してくれたことを喜んでいました。他にもわたしたちは、南アフリカの同じ国出身のお休み中の姉妹1人と活発な教会員1人を招いて、週1回の『わたしに従ってきなさい』のレッスンを始めました。参加者全員が毎週土曜日のこのレッスンを心待ちにしています。

「前回の赴任地であったベローナの地元のご家族、そしてベローナのゾーンリーダーたちと教会員の家族が一緒にモルモン書と聖書の勉強会を始めることができたのは大きな奇跡の一つです。この非教会員家族は、現在自分たちが信仰している宗教にとても熱心ですが、過去2カ月近くにわたり毎週行っているわたしたちの勉強会をとても楽しんでくれています。世界的に新型コロナウイルス感染が流行していますが、勉強会が大きな希望を与えてくれたと話してくれました。個人学習のアイデアを参加者全員で分かち合いました。わたしたちの勉強会は非常にうまく行っています。わたしたちは勉強会をさらに広げて、教会員と共に勉強会グループをもっと立ち上げたいと考えています。わたしたちが上げることのできた成果には、以下のようなものがあります。

教会員は組織的なイベントとして、お互いに交流できる機会をとても楽しんでいる。

  • お休み会員が疎外されることなくグループの一員であると感じられる簡単な方法を提供するものになっている。
  • 友人に参加を招待しやすい機会を教会員に与える。
  • 『わたしに従ってきなさい』のおかげで、レッスンはすでに計画され、準備されている。
  • 最後に、教会員と友人が、外出が制限される中でも霊的に交流する機会を与えてくれる。

「ベローナの非教会員家族は、わたしたちの週1回の勉強会から霊的な刺激を受け、自分たちの教会でZoomを使った聖書勉強会を始めたと話していました。先週、彼らは自分たちの神父も招待したそうです。彼らが自分たちのコミュニティにおいてテクノロジーを用いて宗教的な指導者になり、楽しく活躍していることに喜びを感じています。『わたしに従ってきなさい』のレッスンに焦点を当てて教会員と一緒に働くようにと伝道部で目標を立てることができたことに感謝しています。モルモン書について教会員と友人たちと話し合い、分かち合うことができたことで大きな成果を上げることができたことと、その経験にとても感謝しています。― セラソ姉妹とプラム姉妹

書式ガイドの注釈:末日聖徒イエス・キリスト教会に関する記事で,教会の名称を最初に引用する際には,正式名称を使うようお願いいたします。教会の名称の引用に関する詳しい情報は,こちらへ: 書式ガイド書式ガイド.