名古屋ステークのシングルアダルトとステーク会長会、名古屋養育院の子供たちに漫画と書籍を寄贈する

 

2020年12月5日、愛知県名古屋市南区にある児童養護施設、名古屋養育院の子供たちへ、末日聖徒イエス・キリスト教会名古屋ステーク^＊１のシングルアダルト^＊２とステーク会長会より、漫画や児童図書が寄贈された。

　

名古屋養育院は、明治24年の濃尾大地震にかかる救済事業を目的として発足した「仏教慈悲会」を前身とする児童養護施設である。戦後は戦争孤児などを養護し、現在では家族からの虐待を受けた子供たちの保護、養育を主に行っている。

　

名古屋ステークのシングルアダルトは、3年前の2018年から、クリスマスのたびに名古屋養育院を慰問する活動を続けている。（去年の活動についての記事はこちら→名古屋ステークのシングルアダルト、名古屋養育院の子供たちを訪問）

このたびの寄贈のきっかけとなったのは、2019年の同施設訪問である。施設の子供たちとクリスマス会を行った際、願い事を書いた折り紙の星をツリーに飾った。その中で「本がほしい」と書かれたものが、訪問したシングルアダルトの姉妹^＊３の目に留まった。施設の職員に本の寄贈について確認したところ、歓迎されたため、2019年の年末に古本屋に行き、個人で数十冊の本を買った。

　

その後、その姉妹が所属する名古屋ステーク犬山ワード^＊４の扶助協会、さらには名古屋ステーク扶助協会会長会、名古屋ステーク会長会へと計画が伝わり、活動はさらに広がりを見せる。犬山ワードの姉妹たちを中心に各家庭から絵本や本が集められた。ステーク会長会は、コロナ禍の自粛のため使われることのなかったシングルアダルトの活動用の予算を養育院へ寄贈する書籍の購入費用に充てることを決定、施設に入所している48名の子供たち一人一人にどんな本が読みたいのかを施設職員を通じて確認した。その結果、名古屋ステークからは、子供たちから要望のあった『鬼滅の刃』『ワンピース』『フェアリーテイル』などの少年漫画を中心に寄贈することが決められた。

　

5日に名古屋養育院で行われた贈呈式には、名古屋ステーク会長会より、中島光ステーク会長、慶久（けいきゅう）正喜第一顧問、シングルアダルトより坂本欣也兄弟をはじめとする3名の兄弟姉妹が出席した。

この日寄贈された書籍は、ステーク会長会が準備した漫画本179冊、犬山ワード扶助協会の集めた古本93冊である。また本とは別に、慶久第一顧問と付き合いのあるハヤシ教材社からの教材と、人数分の市販のお菓子の詰め合わせ、さらに寄贈した本を収納するための本棚も贈られた。

コロナウイルス感染防止対策のため、式そのものは簡潔な挨拶と贈呈のみで行われ、施設の子供たちの中からは5人が代表として出席した。

終了後、子供たちは人気漫画『鬼滅の刃』の入った段ボールを運び上げる職員の後を嬉しそうに追いかけながらホールを後にした。

　

贈呈式の後、施設の別の部屋で、和やかな雰囲気のもと、施設職員の榎戸さんとステーク会長会、シングルアダルトの兄弟姉妹がお互いの組織について紹介を行った。

まず、榎戸さんから名古屋養育院のパンフレットが配られ、施設の沿革、現在入居している子供たちの状況についての説明が行われた。次いで、中島ステーク会長が教会のヘルピングハンズ^＊５のパンフレットを榎戸さんに手渡しながら教会の人道支援について紹介し、キリストのような生き方を目指す教会員として役に立っていきたいことを伝えた。

　

贈呈式終了後、坂本欣也兄弟は、本の寄贈を終えて自身が感じた確信を語った。「今日出会った子供たちの中に、去年の12月に訪問したことを覚えてくれていた子が1人いました。私たちにできることは気休めや自己満足だと思うこともあるかもしれない。でも、今日気が付いたのは私たちの活動は彼らの記憶にずっと残る可能性があるということなんです。”これしかできない”ではなくて、これしかできないけどやろう！！というときに、神様と一緒に働けて、だれかの人生に少しでも役に立つことができると、強く感じました」。

　

同じく寄贈式に出席した中島ステーク会長は、このたびの機会について次のように述べた。「まずは継続的な支援が大切だと思うんです。人間関係を築いていくことです。このような私たちの人と人との繋がりの中で、教会に対する肯定的なイメージもより多くの人に伝わったらいいと思います。何よりも私たちは無私の奉仕で人に仕える、そのようなキリストの教えを学んでいるのですから、それを実践する機会を与えていただいたことに感謝したいです。」