ニュースリリース

教会の財政と世界に広がる宗教

本日、ジェラルド・コセー管理ビショップは、2018年の教会歴史シンポジウムで話した「信仰のための財政管理:ビジネスと宗教の交差点」でのお話と対をなす記事をLDS.orgにて発表した。コセービショップの記事とお話に関連して、以下に教会の財政管理に関する追加情報を提供する。

末日聖徒イエス・キリスト教会の目的は一つです。それは「すべての人をキリストのもとに招く」というものです。教会は金融機関でも営利目的の団体でもありません。教会は与えられた神聖な使命を果たすために財源を利用しています。教会は、教会員からの什分の一献金と寛大な寄付を預かって管理しています。また負債を避け、予算内で賄い、必要時に備えて貯蓄するという教会員に対して教えている原則に従って、教会自らも運営を行っています。

    

長期にわたりこの健全な財政管理の原則に従った結果、最初は苦しい状況にあったものの、今では神聖な使命を果たすことのできる世界的な組織に成長しました。現在、教会が享受する繁栄は、教会員の什分の一の律法に対する信仰と、主が何度も約束されたように「あなたがた​は​わたし​の​命令​を​​守る​かぎり​地​に​栄さかえる」(アルマ9:13)が実現していることの表れ以外の何ものでもありません。

教会は、以下のことを行うことで主の御業を追求するために財源を使用します:

Ÿ イエス・キリストのメッセージを世界中で分かち合う。

Ÿ 個人と地域社会を強めるために礼拝場所を作り、維持する。(ステーク、ディストリクト、ワード、支部)

Ÿ 苦しみを和らげ、人々が自立できるように、福祉、人道支援、緊急事態への対応を提供する。

Ÿ 教会教育システムを通して宗教的および学問的な教育を促す(セミナリー、インスティテュート、大学、その他の高等教育機関)。

Ÿ 神殿を建設および運営し、家族を強めるために家族歴史の業をサポートする。

Ÿ 全般的な組織運営の支援を行う。

この御業を行うのに利用される資金は主に教会員の什分の一献金です。資金の内のわずかな部分は、教会が維持するビジネスから得られています。

予算と支出

什分の一配分評議会は大管長会、十二使徒定員会、管理ビショップリックから成り立っています。評議会構成員は共に、教会の財源の利用の指針となる特定の方針や予算を決定し管理します(教義と聖約120:1参照)。この方針は以下の原則の上に成り立っています。

Ÿ 支出は予測される収入を超えない。

Ÿ 什分の一献金の予測増加率を超えて運営費を増加させない。

教会が行う活動の予算は、一つ一つ承認され、教会の「予算および支出承認委員会」(什分の一配分評議会の下位委員会の一つ)によって割り当てが行われます。さらに、教会の他のあらゆる部門から独立して業務を行う教会監査部は、資格のある専門家を雇い、教会基金が教会の方針と標準的な会計原則に沿って管理および記録されていることを確認しています。

教会の準備金

教会員は「(収入の一部を)定期的に貯蓄して、少しずつ必要時に備える」ように教えられています(主の道にかないて助けをなす:福祉に関する指導者用ガイドのまとめ(Providing in the Lord’s Way: Summary of a Leader’s Guide to Welfare)「冊子、2009年」、2[英語])。教会の運営にもこの原則が適用され、教会は貯蓄と運用を行っています。食糧と緊急事態に備えた物資のほかに、教会は毎年、将来の必要時に備えて基金を貯蓄しています。この基金は教会の準備資金(株と債券、課税対象となるビジネス、農業、商業用および住居用不動産を含む)に加えられます。運用資金には、緊急時や世界で成長する教会が全世界に福音を宣べ伝え、イエス・キリストの再降臨に備えるための伝道活動に用いるために、必要に応じてアクセスできるようになっています。(ジェラルド・コセー「主の道にかないて助けをなす:教会の財政的自立の霊的基礎」(「In the Lord’s Way: The Spiritual Foundations of Church Financial Self-Reliance」)モルモンニュースルーム、2018年3月2日」(英語))

投資の中には2つの目的を持つものがあります。例えば、ゴードン・B・ヒンクレー大管長は「わたしたちは良質の農場は長年にわたり、教会の資産を保存し拡大する安全な投資先であり、同時に、必要が生じたときに食糧を提供する農産物の供給源ともなっている、とわたしたちは感じています」(「教会の現状」聖徒の道1991年7月p.58)」とおっしゃいました。もう1つの例としては、教会がダウンタウン・ソルトレークシティの開発に参加していることが挙げられます。シティ・クリーク・センター(小売り施設、居住施設、オフィススペース、駐車場を含む複合施設の開発)に投資したことで、教会はテンプルスクエアの環境を改善し、また教会本部があるユタ州ソルトレークシティを大切にする強い思いを示すことができました。この投資によって、不況の最中にも地元経済を活性化させることができ、またソルトレークシティの歴史的なダウンタウン地区への訪問者や転居者を増やすことができました。

教会の準備金は教会指導者によって監視され、専門のアドバイザーによって管理されています。これは賢明な財政管理の方法であり、現代の投資管理の原則に沿ったものでもあります。最終的に、教会は投資によって得た利益はすべて、キリストのもとに来るよう人々を招く伝道活動に使用しています。

商業的ビジネス

教会の財源の大部分は教会員の什分の一献金と寄付によるものですが、教会にはビジネスから得られる利益もあり、それは教会の使命を果たす上で助けとなっています。

ゴードン・B・ヒンクレー大管長は「教会が今日所有している企業の資産は、元々、教会員がアメリカ西部の山岳地帯に孤立していた開拓者の時代に始めた事業が成長し発展してきた結果の表れです」とおっしゃいました。

ヒンクレー大管長は教会初期に始まった事業の例として、砂糖大根産業、ホテル・ユタ、メディア、商品売買を挙げ、以下のように言われました。「教会は不動産、特にテンプルスクエアに隣接する不動産に関しては、町の中心の美化と公序良俗の維持のためにも保持してきました。このような商業資産については、すべて税金を支払っています。繰り返し申しあげますが、これらの事業から得る利益はすべて合計しても比較的少額で、それだけではほんのわずかの期間しかこの御業を押し進めていくことはできません。」(「主の大義」聖徒の道、1986年1月、p52)

税金

末日聖徒は「従い,法律を守り,尊び,支える」(信仰箇条1:12)ことを信じています。したがって、教会と関連組織は運営を行う各国の法律によって定められた税・課徴金を支払っています。米国では通常、宗教団体およびその他の非営利団体は、連邦および州への所得税が免除されていますが、教会は免税される目的以外の、定期的な収益を伴う活動に関しては、税金を支払っています。営利組織として設立されている教会関連組織は収入に応じて納税を行っています。教会と関連組織は、宗教、教育、または慈善活動の目的で使用されていない不動産に関しても、資産税を払っています。それには、未使用の土地、投資目的または商業的目的のために所有する土地などに対する税金が含まれています。教会は所有する不動産の開発に伴い、連邦政府に支払うべき費用、課徴金などを支払っています。また、教会は連邦および州に対し、雇用主税を支払い、職員が支払うべき所得税の源泉徴収を行い納税しています。さらに教会と関連組織は、州および地方における消費税、使用税も支払っています。

結論

ジェラルド・コセー管理ビショップは「わたしたちはイエス・キリストの教会であり、主ご自身が教会に与えられた目的、つまり教会員がイエス・キリストの福音に沿った生活を送れるように助け、伝道活動によってイスラエルの民を集め、貧しい者を助け、身代わりの儀式を受けられるようにすることにより、すべての人を「神の恵みによりキリストによって完全にな[る] (モロナイ10:32)」ように招くという目的以外には、何の目的もありません」と話しました。(「主の道にかないて助ける:教会の財政的自立のための霊的基盤(“In the Lord’s Way: The Spiritual Foundations of Church Financial Self-Reliance”)」2018年3月2日、モルモンニュースルーム[英語])

質疑応答

Q: 教会はどのように什分の一とその他の基金を使いますか?なぜ教会には財源が必要なのですか?

末日聖徒イエス・キリスト教会はイエス・キリストの福音を宣べ伝え、すべての人に主に従うように招くために設立されました。この御業は世界に広がる大規模なもので、膨大な資金を必要とします。教会は3万以上のユニットを有し、多数の礼拝堂や集会所を維持しています。また、就職センター、倉、家族歴史センター、セミナリー、インスティテュート、学校、大学、その他の高等教育機関、世界に159ある神殿(他にも現在、30の神殿が建設中または建設がすでに発表されている)の維持・運営も行っています。他にも教会は約7万人の宣教師(伝道、奉仕伝道、人道支援伝道など数百の伝道部がある)の管理も行っています。この御業は、特に物質的な支援を必要とする地域で成長を続けています。この御業を成し遂げるために、教会は教会員に教えているように、負債を避け、予算内で賄い、必要時に備えて貯蓄するという財政管理の原則に従って運営されています。

Q: なぜ教会は財務情報を公開しないのですか?

教会は金融機関でも営利企業でもありません。教会の目的は、福音を宣べ伝え、すべての人をキリストのもとに招くというもので、それ以外には何の目的もありません。教会は財務情報を公開しないことを選ぶ一方、教会が守る財政の原則、教会の基金を守るための財政管理、財源、基金の使用については公開しています。さらに、法律によって求められる財務情報の提供も行っています。

Q: 教会は裕福な教会ですか?

教会のことを、富を蓄えた組織と表現する人が時折いらっしゃいます。しかし、教会の強さは財政状態や所有する不動産によって測ることはできません。ゴードン・B・ヒンクレー大管長がおっしゃったように「最終的に、教会が本当に有する富は、教会員の信仰のみであるということです(「主の大義」聖徒の道、1986年1月)。教会の今日の繁栄は、什分の一の律法、そして賢明な生活と自立のようなその他の原則に従う教会員の信仰を反映したものです。それは、「あなたがた​は​わたし​の​命令​を​​守る​かぎり​地​に​栄さかえる」という主の約束に基づくものです。この約束はモルモン書の中の18節にわたって書かれており、それを信じる末日聖徒は今日においてもその原則に従って生活しています。

さらに、教会の資産価値を営利企業のそれを評価するのと同じように考える方がいらっしゃいます。そのように比較することに何の意味もありません。例えば、企業の支店や小売り店舗は利益を生み出して初めて存続が可能となります。しかし、教会が礼拝堂を建てる時、それは資産を消費するもので、世界中の教会員の寄付によって賄われなければならない経費が増えることを意味します。教会の建物にかかる公共料金を支払い、メンテナンスを継続していくことは、信仰深い教会員が教会を支持し続けて初めて成り立ちます。

Q: 教会は税金を支払いますか?

末日聖徒イエス・キリスト教会は法律によって定められた税金をすべて支払っています。末日聖徒は「従い,法律を守り,尊び,支える」(信仰箇条1:12)ことを信じています。世界中で、教会と関連組織は支払うべき税金や政府から求められる課徴金を支払っています。米国では通常、宗教団体およびその他の非営利団体は、連邦および州への所得税が免除されていますが、教会は免税される目的以外で定期的な収益を伴う活動に関しては、税金を支払っています。営利組織として設立されている教会関連の組織は純利益に応じて納税を行っています。教会と関連組織は、宗教、教育、または慈善活動の目的で使用されていない不動産に関しても、資産税を払っています。それには、未使用の土地、投資目的または商業目的のために所有する土地などに対する税金が含まれています。教会は所有する不動産の開発に伴い、連邦政府に支払うべき費用、課徴金などを支払っています。また、教会は連邦および州政府に対し、雇用主税を支払い、職員が支払うべき税金の源泉徴収を行い納税しています。さらに教会と関連組織は、州および地方における消費税、使用税も支払っています。

Q: 基金の誤用を防止するためにどんな対策が取られていますか?

教会の指導者らは教会の財源がいかに神聖なものかを知っており、什分の一献金やその他の基金は倹約して使用されており、誤用から守られています。神聖な什分の一献金やその他の寄付金を誤用する者があるとすれば、その人は教会宗紀の処置を受けることになります。

教会基金の支出は大管長会、十二使徒定員会、管理ビショップリックの承認を受けて行われています。これらの上級指導者らは共に協議し、基金の配分を決定します。さらに、資格を持った専門家が定期的に監査を行い、標準的な経理業務の原則と教会の方針に厳重に従っていることを確認しています。教会が定める詳細な指針と過程を経て、ワードや支部において定期的な監査が行われるように、地元で監査人が召されています。

Q: 教会には投資準備金がありますか?教会はどのような投資を行っていますか?

教会は、現在および将来の運営に向けて、普通株や債券、課税対象となるビジネスの利益、商業用および住居用不動産、農地などを含め、多様な形で準備金を維持しています。これらの基金は、福音を宣べ伝え、主の再降臨に備えるという教会の唯一の使命を成し遂げるために運用されています。農業から得られる利益のように、教会の投資によって得られる利益によって、教会の資金を維持しかつ殖やすことができますが、それが急を要する目的に費やされることもあります。

Q: 教会は株式市場での投資を行っていますか?

はい。投資に使われる資金は準備金の一部ですが、それは教会が成長を続け、世界中でプログラムを管理することを可能にしています。毎年、教会は資金の一部を貯蓄と投資に回しています。

Q: 教会は投資する株や債券をどのように選ぶのですか?

教会は所有する資金を大切に管理したいと考えていますので、専門の資格を持った職員によって幅広く多様な企業に投資を行っています。専門のファイナンシャルアドバイザーが特定の投資先を選択し管理しています。

Q: 教会の準備金はどこから来るのですか?

教会運営のほとんどが教会員から献金された神聖な什分の一と寄付によって賄われています。教会は、予算内で運営し、毎年基金のうちの一部を貯蓄しています。教会は、教会員に教えている財政管理の原則、つまり予算内で賄い、負債を避け、必要時に備えて貯蓄するという原則に従って、運営されています。

Q: 現在、世界中でまだ人道支援が必要とされるところがたくさんあるのに、なぜ教会は準備金を貯めているのですか?

教会はここ数年、世界中の福祉と人道支援のために多額の資金を使ってきました。わたしたちはこのようなニーズは今後も増加すると考えています。教会と提携する営利団体も、様々な慈善活動に資金を提供する末日聖徒イエス・キリスト教会基金に貢献しています。教会員はその他の慈善奉仕のために、自分の時間とお金を提供してくれています。これは教会の神聖な使命の一部です。

人道支援と福祉以外にも、主の再降臨までに地球上のすべての国々でイエス・キリストの福音が教えられ、教会が確立されるという預言が成就し、教会の成長を維持させるためにも、教会の準備金から資金が提供されます。世界中でイエス・キリストのメッセージを宣べ伝え、多数の神殿や礼拝のための家を建て運営し、人々を励まし貧困から救い出し、教育や仕事の機会を提供するために、教会は今まで以上に資金を必要としています。

Q:なぜ教会は貧しい教会員にも収入の10%を什分の一として献金することを求めるのですか?

末日聖徒は、神は什分の一の律法を含め、神の戒めを守る人々に霊的および物質的な祝福を与えると約束されていると信じています。什分の一は主がご自分の教会を建てるために用いられる霊的な原則です。教会は個人が貧困から抜け出せるように助けることに非常に心を砕いています。そのために教会は、個人の自立を助けるために教育、人道支援、福祉を提供することに多くの資金を費やしています。什分の一を献金することは神の戒めに対する信仰と従順を表す行動です。什分の一を払うことを選ぶ人々は、その決断から来る祝福を度々受けることになります。

Q: 教会の準備基金は、どのように、そしていつ使用されるのですか?

歴史的に、教会の資金が乏しい時、また教会の成長に伴う資金の必要性が高まった時、教会の運営を助けるために準備金が使用されてきました。

準備金は将来のために使われます。教会の準備金は、主の再降臨まで地球上のすべての国々でイエス・キリストの福音が教えられ、教会が確立されるという預言が成就し、教会の成長を維持させるために使われます。教会は今後も礼拝堂や神殿の建設を続けます。福祉や人道支援活動もさらに増加します。伝道活動、教育の必要への対応、そしてその他、世界中の人々の益となるプログラムを行うには、さらに資金が必要となります。教会の基金が準備金から出ようと、教会員の什分の一の献金からであろうと、それは教会の使命を果たすという唯一の目的のために使われます。準備金はまさしくこの目的のためにあります。

書式ガイドの注釈:末日聖徒イエス・キリスト教会に関する記事で,教会の名称を最初に引用する際には,正式名称を使うようお願いいたします。教会の名称の引用に関する詳しい情報は,こちらへ: 書式ガイド書式ガイド.